先日のブログで、ディジタルカメラになってから星が鮮明に写り過ぎて小さく写るために星が目立たない話をしました。
その対策として、写す時にソフトフィルターをレンズに装着して撮る方法がありますが、地上の景色なども入れた星景写真ですと、地上景色までソフトになってしまいます。
そこで、先日の夕暮れの写真を元にPHOTO-SHOPで似たような状況にトライしてみました。
手順です。
1.元の画像レイヤーをコピーする(ボケた画像を別に作って、元画像と合成するためです)
2.コピーしたレイヤーを選択した状態で(イメージ/色調補正/レベル補正)を選択
3.レベル補正入力レベルの左端の▲を右へずらして行って、地上風景が真っ黒になって明るめの星が残る程度に調整します。
4.星をぼかすため(フィルター/ぼかし/ぼかし(レンズ))を選択します
写っている星の状況にもよりますが、大体以下のような値程度に設定します。
これで、平面的な丸いボケた像が出来あがります。
5.平面的なボケ味を自然なボケ具合にするためにガウスを使います。
(フィルター/ぼかし/ぼかし(ガウス))
6.元画像のしっかりした点の星像とボケ画像を「スクリーン」合成で合成します。
6.月等はボケ画像の月の部分を円形範囲指定で丸くくり抜きます。
これで、星の芯があって、星が滲んだ状態になり、しかも地上風景は滲まないというあっぱれな画像になります。
今回は月もありますが月の部分もくり抜いて滲まない状態に出来ます。
結果を見てみましょう。
下側の写真が星に滲みを与えた画像で、星が大きく見えています。
土星部分をアップで見てみます。
before
after
元の星はしっかり写った上で滲みが付加されていますね。
同様に先日α7Cで撮った今年の干支のトラ座?(しし座)を撮影した画像でも試してみました。
before
after
星座の形が良く分かるようになりますね。
もひとつおまけ。
「北斗七星の示す星」
before
after
「オリオン」
before
aftaer
私もソフトレンズフィルターは持っていますが、星座を目的に明るい星を滲ませようと過去何度か撮りましたが、どうしてもすりガラスを通す感じになるため細かい星は消えてしまいますし、コントラストも落ちて地上風景が入ったりすると地上までソフトンになってしまいます。
上記のオリオン座では、M42(オリオン座大星雲)部分だけ滲まない様にしてみました。
そんな事も可能です。
今回の作例ですと、最初のレベル補正でぼかす対象をある程度狭められますし、どうしても地上風景が明るい場合などは、ボケのレイヤー上からその部分をカットしてしまえば元の鮮明な画像が出て来ますから問題無いです。
(レイヤーマスクで徐々に変化させることも可能です・・)
ディジタルの時代になって、あれこれ迷うことなくしっかりした画像を撮っておけば、あとでいくらでも何とか出来てしまう時代です。
どちらが良いかは腕次第ですし滲みの好みもありますが、PHOTO-SHOPなどの豊富なメニューの中から最適な効果を見つけ出す楽しみも有ります。
今回の作例には試行錯誤に2時間掛かりました。
でも、一度データを確定できればあとは状況で応用できますからね。
ソフトフィルタの有/無で撮って合成しても可能ですが寒空の中では大変です。
それが良いと云うのも若いうちですね。