アメリカで仕事をしたいなら、、、その3 | Chef Kasajima 海外料理人奮闘記

Chef Kasajima 海外料理人奮闘記

2001年から世界の日本食レストランで経験してきた事や、今までの人生での様々な出来事を綴っていきたいと思います


アメリカで仕事がしたいなら、、、その1
http://ameblo.jp/shegerukasa/entry-12096931584.html

アメリカで仕事がしたいなら、、、その2
http://ameblo.jp/shegerukasa/entry-12097335852.html
 



マイアミまでフードプレゼンテーションをしに行く

日がやって来た、、、


プレゼンということは全部自分で用意して一人で仕上げなければならない、、、


誰も手伝ってくれない、、、


自分のメニューの全てを完璧に用意しておかなければプレゼンの本番の時にあおられて


パニックになる、、、出来ればソースや付け合わせ類の手間のかかる物は用意しておきたい、、、


1人で全て最初からコースメニューを新しいホテルでプレゼンするというのは想像以上に大変だ、、、

 

さて、、ここで、、どれだけ大変かちょっと説明してみよう、、、

 

まず、調理場が初めて使うところなので何がどこにあってどう使うのか理解するまで少し時間が掛かる、、


全ての食材を用意してもらう必要がある、、、


自分の調理場なら何がどこにあるか分かるが、初めてだと全て聞かなければならない、、、


色んな事を考えながらやっているのでちょっと忘れがちになり、同じものを何回も


聞かなければいけない場合、聞かれる方も嫌だが、、、聞く方も気を使って疲れる、、、、


そしていつもついてくる問題、言葉の問題である、、オレが何か英語で言っても通じない場合がある、、、



アジアならもうそんなに通じないということもなくなっていたが、アメリカの白人相手だ、、、


かなり心配になる、、、もしかしたらブラックかもしれないし、、とかいらん事も考える、、、

 



さぁ始めるとしよう、、、、まず前菜から、、、


例えば最初はやっぱり見た目もいいし、自分の色を出せる「前菜盛り合わせ」なんかを作るとしよう、、、


盛り合わせというくらいだから、最低でも5種類くらいは作らなければならない、、、


5種類の前菜には5種類のソース、付け合わせ、つま等、、、


この一品だけでも最初から一人で全部用意しなければならないかと思うと気が遠くなる、、、、、


自分のスタッフがいれば何でも頼めるが誰もいない、、、自分だけだ、、、


あとは朝、仕事を始めてから、いかに早く要領よく出来るかがカギを握る、、、



仕込みは切り出しだけやればいいかというとそうでもない、、、


一人でコースを進めていかなければなれないので、調理するものでも


支障をきたさなければ、前日に用意しておかなければなれない、、、


しかもプレゼンだけの為に用意されるものなので当然2-3人前だけだ、、、



これも結構厄介だ、、、特にソース、、、合わせるだけのソースならまだいいが、


調理して仕込むソースはたいがいに量を多く作った方が断然味が良くなる、、、


2-3人前のプレゼンの為に30リットルのソースを仕込むわけにもいかない、、、かといって


200ccだけ作れるかというとそれも難しい、、、



アメリカのグランドオープンのホテルの調理場に和食に使えるソースがあることも考えられない、、、



この場合、どうすればいいか、、、答えは一つ、、

 


自分の地元で作って持っていけばよい、、、


何種類か作っておいたソースがあるだけでプレゼンに行ったその現地で余裕ができて、時間を

大きく短縮できる、、、



ただその時、オレが出発するのはマレーシアで、しかもその時、仕事してなかったので自分の

レストランの調理場で用意、、ということも出来なかった、、、



そこでマレーシアで頼れる人は一人しかいなかった、、、


以前このブログでも書いた事もある、ペナンナンバーワンの和食レストランを経営していて、


そしてマレーシアで、一番世話になっている仲松さんに甘えるしかなかった、、、


一通り事情を説明すると何も考えずに、、いいよ、好きなの持っていきな、、、みたいな感じで

言ってくれた、、、


この時は、、というか、度々お世話になることがあるので、感謝してもしきれない程である、、、


何種類かのソースを頂き、バックに詰め込み、そして出発の準備が整った、、、



マレーシアのペナンから、確か丸一日近くかかったその旅が始まろうとしていた、、、

 


息子とかみさんが空港まで送ってくれた、、、二人に短い間の別れを告げ、、


搭乗しに空港の中に入って行く、


スーツケースの中に、包丁やいくつか食材が入っていたので止められて何か言われるんじゃな
いかと


思っていたが、、予想に反して何もなく荷物検査をパスすることができた、、、


時間になり飛行機に乗る、、、目を閉じ成功を祈りながらメニューの復習をしたり、メモ帳を読み
返す、、、





ゆっくりと滑走路に向かっていた飛行機がその長い直線を目の前にした後、一瞬静止る、、、



そしてエンジン音がうなり始めたその次の瞬間、飛行機は動き出し、体全身に圧力を感じるほ

どのスピードで走り出す、、、

 




そして何百人も乗客を乗せた翼を付けた鉄の塊は大空に羽ばたいていく、、、






Chef Shigeru、、、    エースを狙え、、、




to be continue







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