幸せな食卓は親子の会話から | 腎臓病でも美味いレシピ、低タンパク質食、レトルト食評価

腎臓病でも美味いレシピ、低タンパク質食、レトルト食評価

急速進行性糸球体腎炎 たんぱく質30g 塩分6g制限 カリウム・リン制限無し
クレアチニン4~6 尿タンパク3+
★評価、寸評は主観的な基準です。その点十分にご了承下さい。スパイスなど刺激的な食物を好む傾向にあります。

「幸せな食卓は親子の会話から」と書かれたプレートが履き物屋の店先に貼ってある。昔はよく「世界人類が幸せでありますように」と書かれたのが街角に貼ってあったなぁ。立ち食い蕎麦の暖簾をくぐる。もうすぐお店が閉まる時間だ。

お昼の12時から17時までしかやっていない近所の立ち食い蕎麦。でも決して名店でも格別に美味しいわけでもなんでもない。店主の都合なのかな。搔き揚げセットを頼んで待っている間テレビに目をやる。20年前に小学生の娘を保険金目当てで殺害した容疑で捕まった夫妻が、長い裁判と再審の結果、無罪放免された場面。

当時8歳だった息子と20年ぶり涙の再開。息子は現在29歳。ちょっとヤンチャそうなファッション。でもま、いきなり警察が来てご両親が連行されて、その後どうやって育ってきたのか、苦労も多かっただろうね。失われた20年、苦しかった20年を想って泣く面々。さめざめと泣く妻。義母。娘さんは火事で亡くなっていたのだった。誰か他に犯人が居たのでは無くて。息子さんは一度に家族を失って、大変だっただろうね。

どう味わってもスーパーで買えるシマダヤの麺とニンベンのツユを薄めただけのしょっぱい汁以上ではないうどんをすすりながらテレビを見ていると、また眼鏡が曇った。

ふと外を見ると、小学校低学年くらいなのに髪の毛を茶髪に染め、上下黄色いジャージでコーディネートした男の子が居て、ポケットに手を突っ込みながら店内をジロジロと見ている。ああ、池袋の怪しい地域だし、ガラが悪いなぁ・・・お金せびられたらいやだなぁ、と思いながら搔き揚げを食べる。

店内には僕だけ。それなのにおカミさんが、キツネと若布とネギがこんもり乗った大盛りうどんを「はいよ」と言いながらカウンターに出す。すると間髪を居れずに先ほどの男の子がお店に入ってきて「ママ、ただいまー!いっただきまーす!!」と元気良く言ってうどんを食べ始めた。「今日学校どうだったの」「うん、楽しかったよママ!うどん美味しい」「あんたまあ家に帰っても夕飯たべるんでしょ?ほんと良く食べるねぇ」・・・おカミさんは笑っている。

食べ終えて、「ご馳走様」と言ってどんぶりを返却口に戻す。男の子が「ど、どうもありがとうございましたぁ」と丼を抱えながら、ぎごち無いけど元気な声で言ってくれる。

店を出る。履き物屋の軒先の「
幸せな食卓は親子の会話から」のプレートをそっと目で確認して会社に帰る。