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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

変身するロボットギター

2021年07月19日 | 音楽活動
 
 
以前にも書いたが、私が中学の頃に初めて入手したギターは15000円の安物だった。
それはマーチンでいえばサイズ「0(オウ)」か、あるいはせいぜい「00(ダブルオウ)」サイズだったと思う。
どちらにせよ、ギターのサイズとしては「小ぶり」なギターだった。
 
そのサイズのギターで慣れていたため、高校3年の時に10万円のD型(ドレッドノートタイプ)のアコギを入手した時、しっかりかまえて弾くような感覚になった。
 
 
それ以前の小ぶりなギターは、サイズ的に抱えやすかったため、気軽に弾いていた。
D型のアコギだと、まずボディサイズそのものが大きいし、ボディの奥行きもあった。
 
それは値段が高いからそういうサイズになったのかな・・・とも思ったが、それは間違いで、安物ギターでもD型のサイズのギターを買えば、サイズ的に「かまえて」弾く感じになっただろう。
安いモデルでもD型はあったと思うので。
 
 
D型ボディのアコギを初めて買って抱えた時、特に弾きづらいとは思わなかった。そんなことより、それ以前に弾いてたギターに比べて、圧倒的な「鳴り」に感動した。
特にその重低音の響きに。ズゴーン!と来るような低音。
 
また、カポを5フレットあたりにはめて、高音域で演奏した時の高音部のキラキラした響きも、たまらなかった。
15000円のギターと10万円のギターでは、こうも音が違うのか・・と思うと、目からうろこであった。
 
 
その10万円のアコギは国産だったが、マーチンの戦前モデルを再現した機種で、そのメーカーのフラッグシップモデルだったから、入魂の出来だったせいもあったろう。
 
 
それ以来、私は・・特に弾き語りする時は、Dサイズのような大型ギターじゃないと、物足りなく思うようになった。
特に低音が。
 
自作曲を演奏してる時に、曲全域に渡って低音を強調するわけではないが、曲の中では低音をどうしても強調したい個所もあり、そんな時に「ちゃんと」低音がしっかり出ないと、物足りなかった。
 
それはギターを選ぶ時や、演奏する時の、私の基本になった。
 
 
なので、バンド時代にレコーディングした時に、アコギを入れたい曲ではD型を持っていったし、弾き語りする時には迷わずD型ギターを使った。
 
 
それで何十年もの月日が経過。
年月がたって、最近自分の中にいつしか違う価値観が首をもたげている。
 
 
D型のギターを抱えていると、・・なんというか、少し疲れを感じることもあるようになった。
それは家で000サイズ(トリプルオウ)のギターをメインに弾くようになったからかもしれない。
000サイズのギターは、D型よりもボディがやや小さく、奥行きもやや薄い。
そのせいか、抱えやすいのだ。
 
私の家での今のメインギター「000-45」は、テンションも柔らかい。
ボディが小ぶりで、奥行きもD型よりもやや薄く、しかも弦のテンションも柔らかいので、ともかく弾きやすい。
低音はD型に比べたらおとなしいが、その分高音部分がより引き立っている。その高音のしっとり感や、キラキラ感は実に美しい。
 
 
この「弾きやすさ」というのは、何気に自分の中でだんだん大きくなっている。
 
D型マーチンなどでは、マーチン特有のキラキラした高音もしっかり出てるのだが、ロウコードを弾いた時などは、低音の厚みや存在感が凄いので、それをつい強調したくなってしまう。
これは特にD-28ではそうだ。
 
 
D型を持つ時は、かまえて「さあ、弾くぞ」という感じになるが、000型を弾く時は、無意識のうちに抱えてしまっている。手癖のように。しかも、弾いてて疲れない。
 
最近は・・むしろ小ぶりなギターのほうがいい・・・そう思うようになってきている。
弾いてて疲れない・・・ということの大事さを感じるようになっているのは、年齢のせいもあるのだろうか。
 
 
000を弾いた後にDを弾くと、まずボディの大きさを感じ、長時間弾いてると右肩に少し疲れを感じることもあるし、弦のテンションもややきつく感じる。
まあ、その分圧倒的な低音、音量はほれぼれするぐらい魅力的なのだが。
 
 
やはりこのへんは、使い分けることが一番なのだろう。
 
ライブなどをやる場合、ステージに何本もギターを用意できれば一番いいし、レコーディングなどではスタジオに何種類かのギターを持ちこんでおけばいいのだが、私は短い持ち時間でライブなどに出る場合は、そうそう何本も持ち込んだりしない。
まあ、本当はそういう短いライブでも、こだわりのある人は何本も持ち込んだほうがいいのだろう。
その点、私は軟弱なのかもしれない。
 
 
もっとも、さすがに自主制作アルバムを作った時は、スタジオには何本もギターを持ちこんだけれど。ギター以外にウクレレやシンセやタンバリンなども持ち込んだ。
でも、そのレコーディングにしても、余裕があれば、もっと多くのギターを持ちこみたかった気はしているが、それをやりだすときりがなかっただろうな・・・とも思う。
 
 
まあ、ともあれ、若いころはD型ボディのアコギにこだわりがあったが、今はむしろ小ぶりなギターの方が、しっくりくる。
 
一番いいのは、000サイズのギターで、弦のテンションも000で、低音がD型のような音が出て、ボディがカッタウェイになっていて、生音もしっかりしているエレアコ・・・それが私の究極だが、こうして欲を言い始めれば、けっこう矛盾しているだろうね(笑)。
どこかにそんなギター、ないかなあ。
ギターの構造を考えれば、オーダーしても、そんなギター作るのは難しいだろうし。
 
 
スイッチを押したら、何種類かの形状に変身するギター・・・さすがにそんなロボットみたいなギターはありえないね(笑)。
Dボタンを押すとD型になり、000ボタンを押すと000型になり、Tボタンを押すとトラベルギターになる・・・なんてね(笑)。
名付けてロボギター・・・(?)。
まあ、音色の方を「切り替えスイッチ」でそれぞれのタイプのギターの音に近づけるアイテムはあるが・・。
 
 
そういや、木以外の材料で作られたギターもあるが、その技術がつきつめられていくと、いつかロボギターなどもできるのかもしれない。
重量には要注意だが。
 
 
ただ・・そうなったら・・ギターマニアの中には保守的な考え方の人も多いので、木で作られたギターは価値があがっていくのかもしれない。
すでにギターの材料になる木材には枯渇の問題が指摘されているし。
実際、ハカランダなどの木材で作られたギターなどは、ハカランダを使っているというだけで値段が跳ね上がっているしね。
 
 
 
 
 
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