延期に次ぐ延期で、ようやく開業に辿り着いた路面電車「芳賀・宇都宮LRT」。
日本国内で新規に路面電車が開業するのは75年ぶりだそうです。
高度経済成長期以降、車が増えるにつれ路面電車が交通の邪魔者扱いされ、どんどん廃線への道を辿ってきた中、こんどは車が溢れた社会が問題を引き起こし、新たなる時代の交通インフラを求めて「芳賀・宇都宮LRT」が生まれました。
都心部であれば地下鉄網が発達しましたが、ここでは採算ベースに乗せられません。
コスト控えめで実現しやすい公共交通機関としてこのようなLRT(次世代型路面電車システム)となりました。
この誕生したばかりのLRTに私が乗ったときは上下線ともに10分程度の遅延が発生しておりました。
一般の鉄道と異なり(この路線は法律上「鉄道事業法」ではなく「軌道法」によるもの)交差点での信号待ちがあるのも影響するかもしれませんが、乗ってみてわかった事は現金での運賃支払い方法にかなりの原因があると感じました。
と言いますのも、交通系ICカードの場合は片側4箇所あるドアのどこからでも乗降できるのに対し、現金での支払いの場合は運転士(車掌は乗務しておりません)のいる一番前のドアからしか降車できません。
その旨、停留場での案内と車内でのアナウンスはありますが、バスとは違い3両編成の後の車両にでも乗っていたら「まもなく~」の放送を聞いてから降りる準備をしても車内の混み具合によっては発車を遅らせてしまうでしょう。
車内ディスプレイも広告を表示している時間が多く、路線図を表示している時間が短めでした。
また、ドアが開いてから両替に手間取ってなかなか降車が終了しないシーンも見受けられました。
もちろん、まだ利用客が慣れていないのも理由の一つでしょう。
乗り心地はとても良く、路面電車にありがちなガタガタと左右に揺れたりする事もなく、普通の鉄道の新型車両なみにスムーズに走行していました。
また路面電車と言いましても道路ではない専用軌道部分(専用軌道も大人の事情で法的には併用軌道としています)も多く、また道路に敷かれた併用軌道であっても基本的に線路に車が入るのは交差点だけです。(一部、道路が線路を渡る部分はありますが、信号機で交通整理されているようです。)
電車が交差点を渡る際も車は矢印信号で時分割され右折しないので、車に邪魔されずに走る事ができます。
なお、この路面電車の車内に「降車ボタン」はありませんので、降りる際には探さないでください。
最後にコレ、押してね。
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