新作能「媽祖」-劇場版-【能楽観賞日記】#42

小田原三の丸ホール開館1周年記念事業
新作能「媽祖」-劇場版-

小田原三の丸ホール 大ホール
2023年1月15日(日) 14:00 開演

昨年、野村萬斎さんも出演された、京都観世会館で好評を博した新作能「媽祖」が、“劇場版”として小田原三の丸ホールにて上演されるということで、小田原まで行ってきました。

初演の時は、萬斎さんのファンになったばかりの頃で、公演を知った頃には、時すでに遅しだったので(どちらにせよ地方なので行けなかったけど・苦笑)、早くもこうして関東圏で観れる機会が巡ってきて、とても嬉しかったです。

◆新作能 媽祖 -MASO- 公式サイト
https://www.maso-project.com/

最近、萬斎さんのお陰で神奈川県西部の方に来る機会が増えたけど、小田原駅で降りたのは今回が初めて。観光地なだけあって、距離的には遠足気分を味わいました。基本的に出不精だが(あ、いやでも最近は萬斎さんのお陰でそうでもないかもw)、たまには遠出も悪く無い。

しかし、外は生憎の小雨(サテハ シュツエンシャ ノ ナカニ アメオトコガ オルナ?w)。
傘を差すと弱まり、傘を閉じると強くなる…(ナンデヤネン!w

小田原城の中も見学したかったけど、時間が無いので今回は断念しました(前日残業で早起きできなかったw)。でも周辺だけでも観る価値はアリ!👍✨

そういえば、初詣まだだったー!
ということで、今回は公演前に小田原城近くの報徳二宮神社へ。

おみくじ大吉でしたッ!!

良いのか、こんなところで運を使ってww

でも大吉の割には、持病に注意とか、保養が必要とか、願いも叶うが欲張ると破るとか、ドキリとするようなことが書いてあって、ちょっとビビるw😅💦

萬斎さんの公演を観た思い出と共に、御朱印も増えていく。良き。😌

そして、いよいよ小田原三の丸ホールへ。
もちろん、ここに来るのは初めて。

ちなみに今回のお席は、2列目(1列目は販売無しなので実質最前)の、どセンターで舞台が近くて、こんな場所で推し様を拝んで良いんですかァァァ!!!?😳😳😳💦

…って感じでした。ありがたや〜🙏

江之浦の海に着想を得て、台湾の女神<媽祖>を通じて“世界への祈り”を紡ぐ物語ーー

新作能「媽祖」

【出演】
(シテ)媽祖:片山九郎右衛門
  春日明神:野村萬斎

(ツレ)千里眼:味方玄
(ツレ)順風耳:分林道治

(ワキ)山部赤人:宝生欣哉
(ワキツレ)従者:宝生尚哉

(アイ)船頭:​​茂山逸平

 笛:竹市学
小鼓:吉阪一郎
大鼓:亀井広忠
太鼓:前川広範

後見:青木道喜・河村晴久・大江信行

地謡:浦田保親・古橋正邦・片山伸吾・橋本光史
   田茂井廣道・橋本忠樹・河村和貴・大江広祐

【企画・演出】
片山九郎右衛門

【原作】
玉岡かおる

【特別協力】
杉本博司

【あらすじ】
舞台は、奈良時代の相次ぐ戦乱で荒廃した世界。怒りに満ちた神々はこの世を建て替えようと考えるが、神と人との間に立ち、取り直そうとした春日の神(演:野村萬斎)は、慈悲の心を持つ黙娘の出現を待っていた。
ある日、山部赤人(ワキ)は、常陸より都に戻る途上、風待ちのため江之浦に泊まり、海難を予知し人々を救うといわれる巫女(前シテ)と出会う。彼女は幼い頃に両親を亡くし、言葉を知らぬまま育ったため「黙娘」と名付けられていた。黙娘は、鎮めの神楽を舞うと、二人の従者・目隠しと耳覆い(ツレ)をお供に従えて、赤人と共に難波津より船出する。しかし、順調と思われた船路は、突然の嵐に遭遇し、荒天に神通を得た黙娘は、赤き衣をまとい船の行先を示しながら、従者もろとも姿を消してしまう。
嵐に耐え、無事、筑紫博多に辿り着いた赤人は、五輪塔をこの地に納め奉ると、千里眼と順風耳の二鬼神(後ツレ)を連れて飛来する黙娘「媽祖」(後シテ)の姿を目撃する。すると、春日明神も海から出現し、菩薩の慈悲を広めるために旅立つよう、赤人や媽祖を鼓舞する。そして、媽祖と春日明神は、ともに予祝の舞を舞うのであった。

この新作能の何が凄いって、あの萬斎さんがシテ方として出演していること!萬斎さんの出番は最初と最後の場面の2回で、初演の時は麗しい貴族のような直面の神様でしたが、生まれ変わった今回の「シン媽祖」では、白頭でちょっと怖めの面を付けた、老人風の神様に改変されていました。

最初に出てきた時は直面の姿だったので、荒廃した世界で、長い間、黙娘の出現を待っていたのかな?ちょっと、新作能「鷹姫」に出て来る、幽鬼となった老人を思い出しちゃったりして…。でもこっちは神様だから、華やかさとオーラがあってカッコ良かったです。しかも神と人の間を取り持つという重要な役👍✨

麗しい直面の神様が観れなかったのは残念だけど😅、修羅能とか切能が好物なワタクシとしては、萬斎さんがシテ方の装束と面を身に付けて、完全にシテ方として舞ってる姿を観れただけで感動ものでした😭(超貴重だった!

あ、でもやっぱ麗しい直面の神様も観たいかな(笑
直面の神様なんてものが許されるのは新作能ならではだと思うので、いつか見せてください、お願いします🙏💦

ちなみに、ご本人も初演の装束の方が好きなんだそうです(1/19配信のラジオで言ってましたwww

片山九郎右衛門さん、萬斎さんにあの装束着せたかったんかな?🤔
確かにあの組み合わせの方が、媽祖の美しさが引き立ちますけど!?

*・*・*

片山九郎右衛門さんのシテも素晴らしかったですね。
「黙娘」は可憐さが出ており、「媽祖」はとても美しかったです✨✨✨

今回は杉本博司さん監修による、江之浦測候所で撮影された映像も使われてて、特に冒頭で流れた映像はとても絵になってた✨✨✨

ただ、あそこ危険な場所でもあるから、昭和ライダー並みに命張ってんなとも思ったけど(苦笑

お能と映像のコラボはなかなか良きでした。
古典芸能の新たな可能性、新たな芸術・演劇というものを感じましたね。

あと今回のステージは、柱もなくて黒一色のステージだったんだけど、面を付けた状態で、暗闇の中よく動けるな、と思いました(以前、中森貫太先生が、ホール特有の短い柱じゃ怖い!って言ってたので余計にw)。

*・*・*

あともう一つ驚いたのが、ワキの宝生欣哉さんも、ツレと一緒にちょこっと舞ってたこと!!

てか、↑コレを知らなかったら、ワキが舞うことの貴重さが分からなかったので、知ってて良かったww

欣哉さんの舞も美しくて、とても貴重でイイものを魅せて頂きました。ありがたや〜🙏

https://twitter.com/mijumaruG4/status/1614587321294393344

*・*・*

最後に改めて、新作能「媽祖」は新春に相応しい作品でした!
これ、毎年やってくれても良いのよ?(笑

公式も意欲を見せてるので、今後の展開も楽しみです。

▼前回の能楽鑑賞日記はコチラ

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