野村万蔵家のお狂言を観てきました(2)【能楽観賞日記】#43

野村万蔵による芸能サロン 〜狂言を楽しもう〜
川崎能楽堂
2023年1月22日(日) 14:00 開演

久しぶりに野村万蔵家の狂言を観に川崎能楽堂へ行ってきました。

川崎能楽堂に入ったのは初めてです。てか、めちゃくちゃ良く知ってる街なのに、ここに能楽堂があることを能楽沼に落ちるまで全く知らなかった😅ノデ、一度来てみたかったんですよねぇ。

んで、何かチャンスはないかと調べたところ、過去の公演情報から、万蔵家が来てくれるのをずっと楽しみにしておりました😊

ちなみに能楽堂周辺にはマンションが建っており、ちょっと歩けば駅&繁華街の立地の良さに、ここに住んでる人、いい環境に住んでるなと思った。ウラヤマw

今回はチケ完売で満員御礼!自分は発売日にゲットしたので、脇正面の最前列を確保できました。148席の小さな能楽堂なので、めちゃくちゃ舞台が近い!!舞台の高さも低めで足元がよく見えました。

ここは屋根のない能舞台なので、目付柱は長さ90センチのホール仕様なのも特徴です。座席は2列毎に段差が設けてあり、2列・4列目は段差は無いものの、よく観ると座席そのものを少し高めに設定してるようでした(なので人によっては足が着かないかも?)。

今日の演目は、万蔵さんのお話(解説)と、狂言「清水」「茶壺」。狂言は、どちらも初見でした。

最初の解説では初心者向に扇の使い方など実演付きで説明してくれました。クイズ形式で正面最前列の男性が解答者として、万蔵さんに終始ロックオンされてて笑🤣(自分、その席じゃなくてよかった〜😅)自信なさげに答えておりましたが、ちゃんと全問正解しておりました。

ちなみに、扇で刀を振る型や、弓を射る型の正解を学生に問うと「フェンシング」とか「アーチェリー」って答えちゃうんだとか😂

あと、シェイクスピアが300年前から役者を舞台上で一周させることで別の場所に着いたことを表現する手法を行ってたけど、狂言は600年前からあるので、そこは誇りに思って良いのではないかと、と言ってましたね。

あと、昨年行われた初世野村万蔵の生誕三〇〇年記念で行われた『祖先祭』の模様が、ダイジェスト版となってEテレで放送されることが決まったので、その宣伝も。「2/26放送なので、にー、にー、ろく、で覚えてください。録画でも良いので観てください」とのこと。ちょっと気になってた公演なので、これは朗報でした😊

狂言「清水」

太郎冠者:野村万之丞
   主:河野佑紀

【あらすじ】主人(演:河野佑紀)から、茶の湯で使う水を野中の清水へ汲みに行くように命じられた太郎冠者(演:野村万之丞)は、行きたくないので、清水に鬼が出たと言って戻ってくる。不審に思った主人は、太郎冠者が置いてきてしまった秘蔵の手桶が惜しいと、自ら清水へ行くと言い出したので、慌てた太郎冠者は先回りし、自ら鬼に扮して主人を脅す。すっかり怯えてる主人に対し、日頃から不満があった太郎冠者は更に調子に乗り、命を取らない代わりに召使いの待遇を今より良くするよう脅すのだが…。

*・*・*

河野さんは相変わらずイケメン狂言師だなァと観る度に思います。そして表情筋がよく動く。主人役がなかなかハマってました。怯えてる時の可愛らしさのギャップがまた良きw

万之丞さん扮する太郎冠者が、武悪の面を付けて主人を脅すのですが、最初は上手くいってたのに、主人が家に帰宅してから「お前が見た鬼はどんな奴だったか?(意訳)」と訊かれた時に、太郎冠者は、とあるミスをしてしまい、鬼が偽物だと気付かれてしまうのです🤣

太郎冠者、なんてドジっ子なんでしょう🤣
やっぱ嘘はいけませんね。
特にお調子者の嘘はすぐバレますww

狂言「茶壷」

   すっぱ:野村万蔵
中国地方の者:野村拳之介
    目代:石井康太

【あらすじ】中国地方に住む男(演:野村拳之介)が、茶の葉を入れた茶壷を背負って帰る途中、酒に酔って眠り込んでしまう。すると、そこにすっぱ(詐欺師/演:野村万蔵)が現れ、茶壷を自分のものにしようと一計を案じる。目覚めた男と茶壷の取り合いとなり、目代(役人/演:石井康太)にどちらのものか判断してもらうことにするのだが…。

*・*・*

茶壺はまさかのオチに笑ってしまった🤣🤣🤣

(オチが全てみたいなところがあるので、敢えてオチは言わないでおこうw🤫)

本物の持ち主なら、茶壷の中身を答えられる筈。ということで、それを謡と舞で表現するのだが、すっぱが持ち主の舞を見様見真似で行うので、自然と謡が輪唱状態になって、これ普通に謡うより難しいんじゃ?と思いました😂

*・*・*

普段、野村万作家の狂言に見慣れてる私的には、万蔵さん以外は若手で固めてたからか、万蔵家の狂言はとてもエネルギッシュだなァと感じました。

逆に万作家は、所作と言葉の美しさを最優先する万作先生の教えの現れなのか、若手も含めてどちらかといえばお上品系なのかも?と敢えて他家を見ることで感じましたネ🤔

やはり見比べると各々のお家の良さやお色が具体的に見えてきて、新たな発見があって面白いです😌

正に『みんなちがって、みんないい』です。

でないと他家を観る意味ないですから。
違うから観たくなるし、知りたくなるのだと思います。

今日は若手がエネルギッシュに魅せる中、万蔵さんが謡うと、その旨さにゾクッとしました。解説時の実演含め、今日も安定したベテランの芸を魅せて頂きました。私の推し様とは違う芸風だけど、そこがイイんだよね。違うから観る価値があるんだよね。

ということで、万蔵家の狂言もまた機会があったら観に行きたいと思います。

▼前回の能楽鑑賞日記はコチラ

▼前回の万蔵家の狂言鑑賞日記はコチラ

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