ヴェンツァーゴのブルックナー | nemophy photo-blog

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花などを記して残す雑記帳

11月26日(金)は、久しぶりにクラシックコンサートに行ってきました。

 

この前にコンサートに行ったのは、コロナ禍前の平成30年10月で、NHK交響楽団ヘルベルト・ブロムシュテットによるブルックナー交響曲第9番のコンサートでした。

 

この日は、33年ぶりの来日となったスイスの指揮者マリオ・ヴェンツァーゴ読売日本交響楽団に客演してブルックナーの交響曲第3番「ワーグナー」を振りました。

 

このプログラムは、昨年4月8日の定期演奏会で予定されていましたが、新型コロナ感染症の影響のため公演が中止されてしまったため、今回1年半ぶりに実現したものです。

 

 

東京メトロ地下鉄銀座線溜池山王駅から地下道で赤坂アークヒルズに向かう途中にあるサントリーホールの電照看板広告

 

「夢を奏でる場所」

 

サントリーホールは、今年10月で35周年を迎えました。

昨年からコロナ禍でクラシック音楽業界は厳しい環境に置かれていましたが、感染防止対策を徹底しながらコンサートが開かれています。

 

感染対策は、一般社団法人日本クラシック音楽事業協会(加盟団体96団体)、公益社団法人日本オーケストラ連盟(加盟団体38団体)、公益社団法人日本演奏連盟(全国の音楽実演家等3,200人超加盟) ほかで構成された、クラシック音楽公演運営推進協議会が取りまとめた「クラシック音楽公演における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」に沿って実施されています。

 

〇主な対策

・手洗い・手指の消毒の徹底。

・観客は適切なマスクの常時着用、マスク着用下でも咳をするときは手で口を覆うまたは下を向く。

・ブラボー等の大声での声援は行わない事を徹底し、拍手のみとしていただくよう周知する(守られていました。)。

・入場時のチケットのもぎりは客にしてもらうか目視確認で(今回はもぎっていました。)。

・プログラムの手渡しはせず、所定の置かれた場所から客が自分で取る(近くのテーブルに置かれていました。)。

・トイレでは、十分な間隔(最低1m)を空けて整列(曲間のトイレ休憩時はやや混雑していました。)。

・飲食を提供する場の混雑を避けるための入場制限(今回、入場を管理しながらアルコールも提供していました。)

・公演終了後の時間差退場(アナウンスがありましたが、拍手の関係で流れ退場になっていたように思います。)

・アンコール曲の曲目名は会場で掲示せず、ウェブサイトで周知(今回はなし。)

・指揮者は演奏者との距離を2m以上確保

・トランペット・トロンボーンは前方の演奏者との距離を最低1.5mを確保

 

 

 

 

 

【第647回 名曲シリーズ】
マリオ・ヴェンツァーゴ(指揮)
ゲルハルト・オピッツ(ピアノ)
読売日本交響楽団
モーツァルト/ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K466
ブルックナー/交響曲第3番 ニ短調『ワーグナー』(第3稿 ノヴァーク版)

 

今回もコロナの影響で10月15日にプログラムの変更が発表されました。

フルートのエマニュエル・パユをソリストとして迎え、マルタン(アンセルメ編)の「フルートと管弦楽のためのバラード」、ライネッケの「フルート協奏曲ニ長調作品283」を演奏する予定でしたが、政府の入国制限などによりエマニュエル・パユが出演できなくなったため、代わりにゲルハルト・オピッツが出演することになり、曲目も上記のとおり変更されました。

 

プログラム変更を喜んではいけないと思いますが、モーツァルトの人気曲、ピアノ協奏曲ニ短調に変わり、それをオピッツの演奏で聞けるのは有難かったです。関係者が奔走してくれたお陰ですね。感謝します。

 

今回、座った席ですが、1階の前から3列目、舞台に向かって中央から右側の通路に近い席で、ピアノを見上げるような位置でした。

一緒に行った家内は、演奏者の足元が見え、ペダル操作がよく見えたし、上げられた屋根の光沢のある裏側に弦の動きも映って楽しめたとのことでした。

巨匠オピッツのとても粒立ちのよい美しい音色のモーツァルトを堪能させていただきました。

 

指揮者マリオ・ヴェンツァーゴの演奏は、CDでも聴いたことがなく、まったくはじめてでした。

すでに複数のオーケストラと共演してブルックナーの交響曲を0番から9番まで録音したCDが発売され、繊細で透明感のある斬新な解釈表現で評判になっているとのこと。

 

今回実演に接し、まず感じたのは、73歳のお年とは思えない軽やかな指揮ぶりでした。

指揮台の上をキラキラ光るエナメルレザーの靴で端から端まで移動しながら演奏者に指示を出していました。

 

私の目の前には、ビオラが配置されていたので、指揮台の右端まで来て横を向き、ビオラ奏者の正面から身体全体と指揮棒でニュアンスを伝え、それに応えて音色が変化する様子がよく分かりました。

 

印象としては、ブルックナーの重厚で複雑な音の重なりを丁寧に見通しの利く分かりやすい表現でひも解くような演奏のように感じました。いくつかのパッセージで背後に隠れてしまうような音も聞こえてきます。他の演奏者の場合はどうだったかなと聴き直してみたくなりました。

 

演奏が終わると、拍手の中、指揮者はマスクをつけて団員と握手ではなく、肘タッチ。

団員も足で床を踏み鳴らして賞賛を送っていました。

拍手は鳴りやまず、4回のカーテンコール。オケの団員が下がった後も、一人で一度舞台に戻ってきて拍手にこたえてくれました。

 

CDで評判の良かったとされるオリジナル2菅編成の交響曲第5番や他の曲もぜひ聴いてみたくなりました。

 

 

 

 

観客が全員マスクをして、禁止されているブラボーの声は上がりませんが、拍手が鳴り響くコンサート。

ウィズコロナ時代のクラシックコンサート初体験でした。

 

コロナ禍前は、この時期ですと演奏中に必ず咳き込む人がいたと思いますが、皆さん感染に気を付けていて風邪をひいている人もないのか静寂が維持され、演奏に集中できました。

 

 

 

 

 

 

 

海外では、また感染力の高い変異株オミクロンの感染が拡大しているという報道を目にしました。

 

オミクロンはギリシャ文字を冠した呼称で、アルファベータガンマデルタにつづき、WHOにより「懸念される変異株」とされました。

 

「懸念される変異株(VOC)」は感染力が強まったり、ワクチンの効果が下がったりする性質を持つとみられる変異株です。

 

これに至らないまでも、ワクチンの効果などに影響を与える可能性がある変異株は、「注目すべき変異株」とされ、これまでラムダミューがありました。

 

日本では、現在感染拡大が抑えられていますが、新たな変異株の出現によりまだまだコロナ対策に油断はできません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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