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東京オリンピック・パラリンピックの観客にPCR検査などの陰性証明書の提示を求めることを政府が検討中との報道に関する質問主意書 ←浜田聡提出

今回は(も?)、令和3(2021)年6月8日に私が参議院に提出した質問主意書を紹介します。

質問主意書とは何か?については以前の記事を一部引用させてもらいます。

質問主意書とは(参議院)

特徴

質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。

議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。

質問主意書(参議院)

質問主意書(衆議院)

また、衆議院事務局がYouTubeで質問主意書に関する動画を作っており、参考として紹介しておきます。分かりやすくまとまっていると思います。動画の最後にあるメッセージが良いと思いました。

今回は新型コロナウイルス感染症のPCR検査などの陰性証明書に関する質問主意書です。東京オリンピック・パラリンピックは結局無観客開催となったわけですが、開催前には観客を入れて開催する際に、陰性証明書を観客に求める報道がありました。

新型コロナウイルス感染症検査の陰性証明書というのは、検査の偽陰性の割合がそれなりに高いことから、注意が必要です。

今回紹介する質問主意書はこちら↓。本来は質問書と答弁書は別なのですが、質問→答弁(赤字)の順に配列しました。

東京オリンピック・パラリンピックの観客にPCR検査などの陰性証明書の提示を求めることを政府が検討中との報道に関する質問主意書

 「新型コロナウイルスPCR検査の実施時期について」(令和三年一月二十九日付全国保健所長会協力事業令和二年度地域保健総合推進事業新興感染症対策班分担事業者井澤智子氏発出文書)には、発症していない接触者(ウイルスにばく露した可能性がある者)への検査の実施時期の目安は「潜伏期間(ばく露から発症までの期間)が平均的(五日間)であると仮定すると、ばく露(第〇日)して一―二日後には偽陰性率が高く、四―八日後には偽陰性率が低い」とある。

また、厚生労働省「退院基準及び濃厚接触者に対する検査等の見直しについて」内の「台湾における調査報告」には、「発症前の患者に曝露された濃厚接触者の方が発症後の患者から曝露した場合と比べて発症率が高い」とある。

新型コロナウイルス感染症は、発症前においては偽陰性とされる確率が高く、しかも、発症前の患者に暴露していた者が新型コロナウイルス感染症にり患する事例が多い。これは、令和二年十一月二十五日に参議院予算委員会にて田村厚生労働大臣が「もし発症した場合、これは全くもっていろんな、発症をしていない、要するに、陽性者じゃないというようなことをチェックしますけれども、なかなか、無症状のまま入ってこられる方々もおられる。感染して間もない場合にはなかなかPCRや抗原定量でつかまらない場合もあります。もちろん感度の問題もあります。」と発言したとおりである。それゆえ、新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者は、PCR検査の結果如何にかかわらず、二週間の行動自粛を求める政府の方針は、PCR検査の「陰性」という結果を信用しないという点において評価に値する。新型コロナウイルス感染症に関する専門家有志の会(政府対策本部の旧専門家会議や厚生労働省クラスター対策班等の関係者で組織された専門家の有志の会)が令和二年四月二十九日にウェブサイト上で「新型コロナの陰性証明はできません!」と表明しているように、そもそも、現代の科学において新型コロナウイルス感染症にり患していないことを証明する手段は存在しないと承知している。

一方、報道によると、政府は、東京オリンピック・パラリンピックの観客にPCR検査などの陰性証明書の提示を求めることを検討しているという。

右を踏まえて、以下質問する。

一 政府は、東京オリンピック・パラリンピックの観客に新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査などの陰性証明書の提示を求めることを検討しているか。検討していることが事実である場合、PCR検査のほかに候補となっている検査方法を明らかにされたい。また、要求する偽陰性割合の精度はどの程度か。信頼区間も合わせてお答えいただきたい。

一、二、五の1から3まで及び六について
東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会における観客については、令和三年四月二十八日(日本時間)に開催された国際オリンピック委員会、国際パラリンピック委員会、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、東京都及び政府による五者協議において、「観客上限については、海外からの観戦を認めないとの大きな事情変更がある中で、変異株による国内感染の状況も踏まえ、観客数に係る判断は六月に国内のスポーツイベント等における上限規制に準じることを基本に行うこと」で合意したところである。その上で、「東京オリンピック・パラリンピックの観客に新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査などの陰性証明書の提示を求めることを検討しているか」とのお尋ねについては、同年六月一日の記者会見において、丸川国務大臣が「今、具体的な方策として、この方法を考えているということではありませんし、何ら決定しているという事実もありません。」と述べているとおりである。

二 政府は、新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査結果が一週間以内であればよいと検討しているとの報道があるが、これは事実か。事実であれば、なぜ期限を一週間以内で検討しているのか。

質問一で答弁済。

三 政府は、新型コロナウイルスに暴露してから一~二日後には偽陰性率が高いことを承知しているか。

三について
御指摘の「偽陰性率」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねについては、「「新型コロナウイルス感染症(COVID―十九)診療の手引き・第五版」の周知について」(令和三年五月二十六日付け厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡)の参考二「新型コロナウイルス感染症(COVID―十九)診療の手引き・第五版」において示しているとおり、「潜伏期は一~十四日間であり、曝露から五日程度で発症することが多い」こと及び「感染可能期間は発症二日前から発症後七~十日間程度と考えられている」ことを踏まえると、新型コロナウイルス感染症に係る検査の結果、「新型コロナウイルスに暴露してから一~二日後に」陽性であることが判明しない場合があるものと考えられる。

四 現時点で、九十五パーセント信頼区間における偽陰性割合が十パーセントを切る新型コロナウイルス感染症にり患しているかどうかを確認する検査方法は存在するか。

四について
御指摘の「偽陰性割合」の意味するところが必ずしも明らかではないが、新型コロナウイルス感染症に感染した者が、同感染症に係る検査において陰性であるとされる割合については、検査実施の時期や検体採取量等の様々な要因により一義的に定まらないと考えられるため、算出することが困難であると考えており、お尋ねのような「検査方法」の有無について、お答えすることは困難である。

五 東京オリンピック・パラリンピックの観客にPCR検査などの陰性証明書を求めた場合、「新型コロナウイルス感染症に対する陰性証明は科学的に可能である」という誤ったメッセージが国民に広がる可能性が大であると考える。

1 政府は、なぜ検体採取の際の手技が適切でない場合や、検体を採取する時期により、対象者のウイルス量が検出限界以下となり、最初の検査で陰性になった者が、その後陽性になる可能性もあり得ることを承知していながら、東京オリンピック・パラリンピックの観客にPCR検査などの陰性証明書を求めることを検討したのか。政府の見解如何。

質問一で答弁済。

2 東京オリンピック・パラリンピックの観客にPCR検査などの陰性証明書を求める目的は何か。

質問一で答弁済。

3 政府は、厚生労働省のホームページ「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」にて「国内での感染者数が増える中で、医療機関や保健所への各種証明の請求についてはお控えいただくよう、お願い」しているが、東京オリンピック・パラリンピックの観客にPCR検査などの陰性証明書を求めることは、厚生労働省のホームページ記載の政府方針と矛盾するのではないか。政府の見解如何。

質問一で答弁済。

4 東京オリンピック・パラリンピックの観客にPCR検査などの陰性証明書を求めることを政府が検討したという報道によって、すでに「新型コロナウイルス感染症に対する陰性証明は科学的に可能である」という誤ったメッセージが国民に広がっている可能性がある。政府は、改めて、新型コロナウイルス感染症患者については、医療保健関係者による健康状態の確認を経て、入院・宿泊療養・自宅療養を終えるものであるため、療養終了後に勤務等を再開するに当たって、職場等に、陰性証明を提出する必要はないこと、及びPCR検査では、検体採取の際の手技が適切でない場合や、検体を採取する時期により、対象者のウイルス量が検出限界以下となり、最初の検査で陰性になった者が、その後陽性になる可能性もあり得ることについて、力強く周知する必要があるのではないか。政府の見解如何。

五の4について
お尋ねについては、厚生労働省のホームページの「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」(令和三年六月二日時点版)において、「PCR検査は、医師が診療のために必要と判断した場合、又は、公衆衛生上の観点から自治体が必要と判断した場合に実施しています。そのため、医師や自治体にPCR検査が必要と判断されていない労働者について、事業者等からの依頼により、各種証明がされることはありません。また、新型コロナウイルス感染症患者については、医療保健関係者による健康状態の確認を経て、入院・宿泊療養・自宅療養を終えるものであるため、療養終了後に勤務等を再開するに当たって、職場等に、陰性証明を提出する必要はありません。」及び「PCR検査では、検体採取の際の手技が適切でない場合や、検体を採取する時期により、対象者のウイルス量が検出限界以下となり、最初の検査で陰性になった者が、その後陽性になる可能性もあり得ます。」と示しているところであり、また、「「新型コロナウイルス感染症のPCR検査等における精度管理マニュアル」について(周知)」(令和三年四月十六日付け厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡)の別添「新型コロナウイルス感染症のPCR検査等における精度管理マニュアル」において、「偽陰性」の「考えられる要因」については、「不適切な時期、不適切な検体採取(技術、量、品質)、不適切な時期・検体種、増幅阻害因子の存在、ウイルスの熱不活化のプロトコール」であると示しているところであり、引き続き、これらを適切に周知してまいりたい。

六 東京オリンピック・パラリンピックを仮に有観客で開催するのであれば、PCR検査などの陰性証明書よりも、コロナワクチン接種完了証明書を求める方が合理的であると考える。現状の国内でのワクチン接種の進行度合いを考えると難しいとは思うものの、観客にコロナワクチン接種完了証明書を求めるとする提案に関して政府の見解如何。

質問一で答弁済。

なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

今後、行動制限の緩和が検討されており、その際に「ワクチン・検査パッケージ」を使うことが検討されています。

陰性証明書については専門家の間では以前はとんでもない、という感じでしたが、最近は少しずつ風潮が変わってきているように感じます。

個人的にも、陰性証明書への考え方について再考してみようと思います。

ところで、今後のNHK党の選挙方針である「諸派党構想」に関する書籍が発売予定となりました。NHK党をよく取材いただいているライターさん(立花孝志かく闘えり、のライターさん)が書かれたものです。もしよければ書店や図書館などで手に取ってみてください。

書籍「立花孝志かく闘えり」の紹介です

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