私たち日本人は、
「怒り」を表現しないで、
どちらかというとじっと、
我慢をしていると思います。
それは日本人の
「我慢の美学」でもありますね。
 
そして私たちは、
子供のころから「怒り」は、
良くないものだと教えられてきました。
親も先生も聖職者も、
怒りは我慢するものだと言います。
 
人は、誰しも自分の周りの人や
環境によって「怒り」があります。
 
そして、世の中には、
「怒って変えられること」
「怒っても仕方ないこと」
が、ありますね。
 
まずはじめに、
「怒っても仕方ないこと」
とはなんでしょう。
 
例えば、
雨、渋滞、電車のおくれ…など、
自分ではどうにもできないことです。
 
これらには、
傘をさす、好きな音楽を聴く、
相手先への報告や代替案の提示などで、
私たちは対処します。
 
では、「怒って変えられること」には、
どう対処するのでしょう。
 
大前提となるのは、
“怒らなければいけないことには上手に怒り、
怒らなくていいことには怒らないようになれ”
ということです。
 
では、“「怒らなければいけないことには、
上手に怒る」”とは、
いったいどういうことでしょうか。
 
それは、“「いつ、どうやって、どの程度」
怒るのか”を自分の責任で決めることです。
 
これらを決められないと、
怒りたいのに怒れずに後悔をするし、
怒ったとしても、
 
「怒りすぎてしまった」
「ちょっとやりすぎたかも…」
などと、後悔し、罪悪感に
苦しめられることにもなります。
 
怒るならば、生産性を伴うような
「怒り方」を「選択」したいものです。
 
ただ、残念ながら上手な「選択」を
できないために、怒りがまったく
逆向きのエネルギーになって
噴出してしまうこともあります。
 
 
溜め込んだ「怒り」は、
持続し、成長し、攻撃性を持ちます。
「怒りの感情」は、とても厄介で、
溜め込み過ぎると、
どんどん成長し、
「恨み」「憎しみ」といった、
より強い感情へと成長して行き、
いじめ、ハラスメント、ストーカーなど…
 
さらには、
歪んだ形で表出することがあります。
 
一度、発生した怒りのエネルギーは、
すぐに消滅したり、
無効になったりもしません。
 
怒りを上手にリセットできず、
毎夜眠れないほどの怒りにさいなまれ、
常に報復ばかりを考えている生活は、
まったく建設的ではありませんね。
 
精神衛生上もよろしくありません…。
 
怒って変えられること、
怒っても仕方のないこと…
 
選択の分水嶺となるのは、
先述したとおり、
 
怒って“変えられることか、
変えられないこと”であり、
“後悔し、罪悪感にさいなまれないこと”
でもあります。
 
後悔したり、
罪悪を感じるような結果を導くのなら、
もともと怒らなくても
いいようなことなのです。
 
「後悔や罪悪感などの心の不安定」は、
一次感情(プライマリー・エモーション)
といいます。
 
これはさらなる怒りのもととなりやすく、
「負のスパイラル」を起こす
可能性をはらんでいるので要注意です。
 
怒りきってスッキリとするつもりが、
「焦燥感や猜疑心」などで、
“ビクビク、イライラ”して
過ごさなければならないという状況に
陥るなら、こうした危険を防ぐ方法を
しっかり身につけたいですね。
 
繰り返しますがそれには、
「いつ、どうやって、どの程度」
怒るのかを自分の責任で決めることが
大切です。 
 
しかし、「怒りの感情」は、
何かを壊すことも多い一方で、
建設的なパワーにもなります。
 
「怒りのエネルギー」が、
自分の未来や人生、
または社会をも大きく変えることにも
つながることになるのではないでしょうか。
 
たとえ、
「不満、劣等感、怒りなどの負の感情」
であっても、
それらを「正のエネルギーに転換」して
上手に活用できたならばどうでしょう。 
 
Voyager Tarot
「Four of Cups Anger 怒り」
怒りのエネルギーからアイデアを生み出す。
 
石炭、原子炉の核分裂、川の源流、強い風、
これらが返還され「電気」になります。
 
もし…
この「怒りのエネルギー」を
「電気」のように社会のために
有効活用できたらどうでしょうか。
 
「エゴ」という殻に閉じこもって
自己中心的な生き方をしていると、
怒りは、
憎しみ、暴力、復讐、破滅へと変わります。
 
でも、「エゴ」の殻を破れば怒りは、
大きなパワーへと変わるのです。
 
だから、
もっと怒ってください!
 
最も激しく怒っている人が、
怒りのエネルギーを“アイデア、
そして行動に変えられる人”なのです。

 

 

 
 


「怒り」はエネルギーだ!