釣り工房 海幸彦

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自作釣り具を使った釣りの紹介です

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(前回の記事からの続き)

さて、今回はカラムシから糸をつくる様子を紹介します。

これがカラムシです。



夏の時期には、全国どこにでも、いくらでも生い茂っています。

まずは、この草を根元付近から刈り取り、



次に、葉を落とし、茎だけにします。




そして、この茎から皮を剥ぎ取っていきます。




きれいに皮が剥げました。




続いて、この皮を包丁等でこそいでいきます。




すると表皮がとれ、繊維が残ります。
この時点で大分“糸”らしくなりました。




これをさらに細かくほぐしてしていくと、、

“糸”と呼んで差し支えないほどの細さになります。




こうして取れた“糸”を一本一本つないで、糸巻きに巻き取ると、、



上の写真のように、見た感じは立派な”糸”ができました。


さて、果たしてこの糸で魚が釣れるのでしょうか?


・・・つづく


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(前回の記事からの続き)

 さて、前回の記事において、「植物繊維」および「馬のシッポ」を使った釣り糸づくりに挑戦するということを述べましたが、まずは、「植物繊維」を使って釣り糸をつくってみたいと思います。

 色々と調べてみると、人類は縄文時代の昔から、“カラムシ”という植物から糸をとっていたようです。

【カラムシ】

 幸い、カラムシは全国どこにでも、いくらでも生えている雑草なので、簡単に入手できます。なお、現在においても、この“カラムシの糸”は生産されているようですが、現在のそれは伝統工芸の類であり、その製法を私のような者がマネすることはとてもできません。
 ということで、ここでは色々と調べた中で、私オリジナルの製法も交えながら、私のできる範囲でカラムシから糸をつくってみることにしました。そうしてできた糸が下の写真のものです。



 どうです?立派な“糸”に見えるでしょう?

 では、次回、カラムシからこの糸ができるまでの工程を紹介したいと思います。

・・・つづく


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 これまで、「“鹿の角”でつくった釣り鈎」、「“ススキ”でつくった釣り竿」による釣りを紹介してきました。“鈎”→“竿”とくれば次は“糸”ということで、今回は釣り糸づくり、およびその自作糸を使った釣りに挑戦です。
 当ブログの趣旨当ブログの最初の記事で説明しているとおりですが、昔の人はどのような糸を使って釣りをしていたのでしょうか?

 私の尊敬する漫画家、矢口高雄 先生の作品では、先生が幼少のころ、クリムシと呼ばれるヤママユガの幼虫からテグスをつくっていたという話が紹介されています。また、先生が生まれて初めて釣りに挑戦した時、釣り糸として使われていたのは「馬のシッポ」であったそうです。その他、木綿糸や絹糸なども釣り糸として使用されていたようです。
 これらの“糸”は、矢口先生の幼少時代よりもはるか昔から人類が使用していたものであり、ナイロン等の化学繊維が開発されるまでは、人類の歴史において、かなりの期間(数千年)釣り糸としても用いられていたと想像できます。
 また、上記の素材の他、縄文時代の遺跡からは、植物の繊維から紡いだ糸で織った布も出土している(らしい)ことから、縄文時代には植物繊維も釣り糸の素材として用いられていたと想像できます。

 さて、人類の歴史上、「クリムシ」「木綿糸」「絹糸」「馬のシッポ」「植物繊維」等々が釣り糸の素材として用いられていたであろうことを述べました。私もこれらを使って釣りに挑戦したいわけですが、どの素材を選べば良いのでしょう?
 「木綿糸」や「絹糸」は市販のものが今でも簡単に手に入りますが、市販のそれらを使って釣りをしても面白くありません。かといって、木綿糸や絹糸をゼロから自分で作るのはハードルが高すぎます。では、クリムシの糸は? 残念ながら私の身近でクリムシの生息地が見つかりません(私が見つけきらないだけかもしれませんが)。
 ということで、「馬のシッポ」「植物繊維」の2種を私の挑戦の素材として選んでみました。この2種を使って“釣り糸”をつくり、それを使って釣りに挑戦してみたいと思います。

 では、次回以降、これらを使った、糸づくりの様子を紹介したいと思います。

・・つづく


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(前回の記事からの続き)

 さて、これまで私なりのススキ竿での釣りを紹介してきました。しかし、「ススキ竿の最大の魅力は“折れること”」と繰り返し述べておきながら、その肝心の「竿が折れる様子」については紹介していません。実は私、ススキ竿で釣りをしていて、まだ竿を折ったことがないのです。
 矢口作品において、ススキ竿がテーマになっている話では、竿が折れるシーンは必ずと言っていいほど描かれています。「アタリがあってアワせる際についリキみ過ぎてしまった」、「掛かった魚と強引にやり取りしてしまった」等の理由により、竿を折っているのですが、これらの作中のシーンが私の頭に強烈に焼き付いているせいでしょうか、私は逆に過剰に慎重になり過ぎているのかもしれません。慎重というよりも“弱気”といった方が正しいでしょうか。どういうことかというと、竿を折るのを恐れるあまり、掛かった魚が“デカすぎる”と判断した場合は、その魚を“獲る”ためよりも、“竿を折らない”ためのやり取りをしてしまうのです。
 ふつう釣りをする場合は、魚が掛かると、魚が引く力を“竿の弾性”で吸収していなすために、竿の弾性を最大限活かせるように竿の角度を保ちながらやり取りします。不意の大物のヒキに面喰らって竿を伸されている人に対し、周りの人が「竿を立てろ」とアドバイスしていることがよくありますが、それはすなわち、「竿の弾性を活かせるように竿の角度を保て」ということでしょう。普通の竿ならば、それで折れることはありませんが(タックルの限界を超えるような大物が掛かった場合は、竿が折れるより先に糸が切れたり鈎がのびたりしてしまうでしょう)、ススキ竿の場合、限界を超える大物が掛かると、竿を立てたままでは折れてしまいます。それを恐れるあまり、かかった魚が“デカすぎる”と判断した場合は、(折れる恐怖のせいで)竿を立てることができずに、わざとラインブレイクするような操作をしてしまうのです。
 と言っても、私はまだススキ竿の本当の限界を経験していないので、かかった魚が“デカすぎる”との私の判断は全くアテになりません。本当は上手くやれば獲れる魚かもしれないのに、勝手に「ススキ竿の限界を超えている」と判断してしまっているだけなのです。「ススキ竿の限界」なんてものは、何度も竿を折ることで初めて見えてくるものでしょう。
 ということで、ススキ竿での釣りにおける今後の私の課題は、まず、「竿を折ることを恐れずに、ススキ竿の本当の限界を知ること」、そして、「かつてバラした野鯉を超える大物をススキ竿で獲ること」です。
 ススキ竿、ただ“雑草”を刈り取って糸を結んで釣り竿に仕立てただだけの極めて簡単なものですが、扱ってみると非常に奥が深いシロモノです。この釣り、もっともっと探求して行きたいと思います。

 さて、ススキ竿に関するお話は、一旦ここで終わりにしたいと思います。今後またススキ竿についてお話しできるネタができましたら、改めて紹介させていただきますので、その際はまたお付き合いいただけると幸いです。

(みみっちいですが、最後にひとつ言わせてください。ススキ竿での釣りにおいて、大物が掛かったらやり取りを諦めてしまうクセが私にあるとは言っても、これまでそこそこ大きな魚もたくさん釣ってきているわけで、竿を折ったことがないのは、私の腕前によるところも大きいと自負してはいるのです。)




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(前回の記事からの続き)

 さて、今回は、過去に私がススキ竿でファイトした魚の中で最大の魚を紹介させていただきます。その魚は、野鯉でした。サイズは尺をゆうに超え、下手すると40センチあるのではないかというシロモノでした。ふつうに考えて、ススキ竿のスペックの限界を超える魚です。結局、その姿は拝んだものの、キャッチはできなかったので、サイズは目測でしかありませんが、「逃がした魚はデカく感じる」という釣り人の心情を差し引いても、少なくとも、尺は間違いなく超えていました。
 この魚が掛かった時は、ススキ竿の限界を超えるかもしれない重量感に、竿が折れることを覚悟しましたが、折れることこそススキ竿の魅力、覚悟を決め、その限界ギリギリのファイトに手に汗を握ったのでした。しかし、ここで正直に申しておきますと、実はこの魚、魚体はかなり傷んでおり、鈎に掛かる前から随分弱っていたように見受けられました。この魚に通常の体力があれば、おそらく為すすべなく竿を折られていたのではないかと思います。ともあれ、ふつうならやり取りすら極めて困難なクラスの魚とギリギリのファイトを展開し、時間をかけて取り込みまであと一歩というところまで迫ったのです。
 ススキ竿では、基本どんなサイズの魚でも竿で抜き上げることはしません。寄せられるだけ寄せたら、糸を掴んで魚を引き上げます。竿で抜き上げようとしても、竿がどこまでも曲がって魚を持ち上げられないし、そこそこの大きさの魚を抜き上げようとすると折れてしまうからです。この魚も、疲れるだけ疲れさせてギリギリまで寄せるところまでは成功しました。しかし、魚を寄せていざ引き上げようと糸に手を掛けた刹那、プツンとハリスが切れてしまったのです。この時使用していたハリスは0.6号、本来このサイズの魚の重量に耐え得るものではありません。糸に手を掛けたことにより竿の柔軟性による衝撃吸収能力を失った途端、その細糸が魚の重量に耐えられなくなり切れてしまったのでした。玉網を準備していれば獲れていたかもしれませんが、ススキ竿での釣りにおいては玉網を使わなければならないような魚の獲り込みは想定していませんでした。と言っても、ススキ竿の限界を超えるような魚とギリギリまでやりあえたことの満足感の方が、バラした悔しさをはるかに上回っていたのでした。
 では、この魚とのやり取りの動画をご覧いただきたいと思いますが、その前にひとつ言わせてください。下の動画は、やり取り全体の中のかなり終盤部分を録画したものです。魚が掛かってから浮かせるまでは、その尋常ならざるファイトにカメラを構える余裕などありませんでした。充分相手を疲れさせた後、魚を浮かせその姿を目視した瞬間、その大きさに驚愕し、これは記録を残しておかねばと慌ててスマートフォンを手にとり何とか撮影したもので、ファイトシーンとしての山場は超えた後なのです。では、どうぞご覧ください。





・・・つづく


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