どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

おさるクイズ

2024年05月13日 | 紙芝居

    おさるクイズ/脚本・絵 本田ちかこ/くるんば/2024年(8場面)

 

 「見ざる言わざる聞かざる」の三匹の猿が出てくるクイズ形式の参加型紙芝居。

 ”さる”とあだ名された秀吉や、「猿も木から落ちる」のことわざがでてきたり、「浦島太郎、桃太郎、金太郎」の三人の”太郎”がでてきたりと、一貫性はありません。一枚目にさるまた(猿股)がでてきてびっくり。
 「人生楽しむのが一番」としめますので、高齢者向けでしょうか。

 新型コロナで中断していますが、以前高齢者施設にお邪魔することがありましたが、意外と評判なのが紙芝居でした。記憶にある昔話や、昔の風景が出てくるなど親しみがわくようでした。
 「のぼっていけない木」と聞かれても、子どもには なんのことかわからないでしょう。


たんぽぽに なりたくて

2024年05月12日 | 絵本(日本)

    たんぽぽに なりたくて/内田麟太郎・文 南塚直子・絵/童心社/2024年

 

 たんぽぽのわたげは わらいながらとんでいく また たんぽぽに なれるから

 たんぽぽになれば、こどもたち、うさぎたち、ちょうちょに、またあうことができるから

 風が いきさきを きめるのに、わらいながら とんでいく

 また たんぽぽになりたくて

 こどもたち、うさぎたち、ちょうちょに、またあいたくて のはらいっぱいに さきたくて みんなといっしょに あそびたくて

 

 たんぽぽの黄色、天使のようなちょうちょ、花の飾り 春らしい 明るい 風景が 広がっています。たんぽぽ、わたげ、ちょうちょにも 目があります。

 春は 別れと どきどきする 新しい であいの 季節。


はちみちの好きなキツネ・・ウクライナ

2024年05月11日 | 昔話(ヨーロッパ)

      子どもに聞かせる世界の民話/矢崎源九郎編/実業之日本社/1964年

 どんなすばらしいごちそうよりも、はちみつの好きなキツネがいました。はちみつをさがして、ミツバチの巣箱へちかづきましたが、ミツバチにみつかって、めちゃめちゃに刺されてしまいました。やっとのことで、逃げ出したキツネでしたが、どうしてもはちみつのことが忘れられません。

 「クマさんといっしょにくらせばいいわ。クマさんも、はちみつがすきだから、きっと どっさりをもっているにちがいない」と、いっしょに暮らすことになりました。

 クマは、毎日、森へ狩りにっておいしいご馳走を、キツネに食べさせてくれました。クマの奥さんになっていたキツネは、朝から晩まで、はちみつのことを考えていました。ある日のこと、はちみつをねだると、クマは、村へ出かけていって、大きな巣箱を二つも、かついでかえってきました。ひと箱食べて、もう一つは冬のためにとっておこうと、クマは巣箱の一つを、屋根裏にかくしました。

 ここからクマをだまし、はちみつにありつくキツネのたくらみがはじまりました。

 クマに気がつかれないように、しっぽで壁をたたき、坊やが生まれたお祝いに、お客さんに呼ばれたといい、屋根裏のはちみつを たっぷりなめました。昼寝からおきたクマが、赤ん坊の名前を聞くと、「たべはじめ」とこたえました。このやりとりが三回。二回目に、「たべてるとちゅう」、三回目は「ひっくりかえして、なめちゃった」という名前。

 クマが、はちみつが欲しくなって、屋根裏へ行くと、巣箱は からっぽ。クマは、かんかんに おこって キツネを くいころそうとすると、キツネは どこかえいってしまいました。

 

 戦争が続くウクライナ。今日で807日目。子どもたちが、こころから、お話しを楽しめるのはいつのことでしょうか。連れ去られた子どもたちは?


おにと おひめさま

2024年05月10日 | 紙芝居(昔話)

   おにと おひめさま/脚本・堀尾青史 画・田島征三/童心社/2000年20刷(12場面)

 

 「グリム童話傑作選」です。
 2000年で20刷とありますが、初版は1961年です。

 鬼の夫婦が王子さま、お姫さまをさらってきて食べようとしますが、逃げ出した二人が、追跡を振り切って めでたしめでだしになります。

 鬼の夫婦に存在感があります。ひとくいおにが、誕生日にうんとうまいにんげんをくいたい、おれは、あっちの国の王子をさらいにいくから、おまえは、こっちの国のお姫さまをさらってこい」というと、おかみさんは、「そのへんのこどもじゃいけないのかい。ごちゃごちゃいるよ、紙芝居を みているのが。」とこたえ、観客をひきこんでいきます。
 ひとくいおにが、「一そくとびのくつと魔法の杖がをしまっておけ。」というと、おかみさんは、「いつだって わたしに かたづけさせるよ。」と不満たらたら。どこか人間の夫婦みたい。
 ひとくいおにが、「きれいな 花だな。なんて 花だ。」ときくと、「バラだよ、ばかだね。」と、一言

 ひとくいおには、ものすごいくせに、バラのとげにちょっとさされ、おかみさんも ハチにちょっとさされるだけで、熱が出て、九百九十九年ねこんでしまいます。
 そして、ひとくいおにが そろそろ でてきたらたいへんだから、へんなひとに「ぼっちゃんや、おじょうちゃん、くるまに のせて、やるよ。」などどいわれて さらわれちゃ えらいことに なっまうものね」と注意喚起まで・・。

 

 表紙そのものが紙芝居仕掛け。一そくとびのくつには、羽根、魔法の杖は 人形風でもあり、スプーン風にもみえます。


にじいろの さかな まいごになる

2024年05月09日 | 絵本(外国)

   にじいろの さかな まいごになる/マーカス・フィスター・作 谷川俊太郎・訳/講談社/2005年

 

 魚の尾びれ、背びれのキラキラが目をひきます。

 「もう いこうよ。」とはじまるので、2ページをめくったのかとおもったが、やはり最初のページ。

 嵐がくることが分かっていたのに、仲間のしましまのいうことをきかずに、キレイな青い小石をあつめていたにじうおは、大きな波に のみこまれ、嵐がやむと どっちが どっちかも わからなくなって うろうろ。

 とげとげの ふぐと ほたてがいの案内で、しましまさかなを 探すにいきますが そこは あかいしましまの さかなのむれ。

 つぎは、うすみどりいろの しましま。そこで はじめにひろった小石が役に立って、仲間のもとへ。

 

 冒険なのでしょうが、らしくない感じ。”しましま”と”きらきらうお”が混同してしまいました。
 ふぐに とげがあったり、ホタテ貝が 泳ぐようすに びっくり。

 にじいろのさかなと しましまの関係は、シリーズのほかのものにでてくるようです。


あたしは 本を 読まない

2024年05月08日 | 絵本(日本)

   あたしは 本を 読まない/作・コウタリ リン 絵・ちば みなこ/BL出版/2023年

 

 大阪国際児童文学振興財団が主催し、日産自動車が協賛しているという「日産童話と絵本のグランプリ童話部門」の大賞に選ばれたという作品。日産がこんな活動をしているとは知りませんでした。

 小学校三年二組、学校図書館でかりた本の感想文発表の五時間目。先生にあてられて感想文をよみはじめたのは木田くん。木田くんは転校生で、いつもしずかにしている。

 木田くん、「哲学の本を借りようとしたら、すごいねといわれ、下校のとき、本をもっているだけなのに、知らないおじさんから、えらいねといわれた」ことを発表しました。

 「あたしは 本を読むのが好きじゃない」というユイちゃんは、それそれと 木田さんの借りた本をお母さんの目の前においてほめられようとしましたが、「どうせ読まんと返すだけやろ」と、お母さんはおみとおし。

 掃除の班で木田くんと同じになったユイちゃんは、木田くんのことをよく知ろうと話しかけました。木田くんは引っ越しでこの学校にきたばかりで、友だちができていないと思っていたら、クラスで一番うるさい草野くんが、「ほかの人にするのとおなじように ぼくにもふざけてくる。むししない」といわれ、草野くんを見直しました。

 ユイちゃんと木田くん、草野くんが図書館にあつまるようになって、草野くんのサーッカーの話を聞いたり、木田くんに折り紙を教えてもらったりしていたある日、先生から呼び出されて帰ってきた草野くんが「オレの感想文、賞とったぞ」と喜んでいました。地図記号の本でした。

 草野くんから「山本もこれ読めよ。ええぞぉ、地図記号」といわれ、どうしようとユイちゃん。口から出たのは「あたしは、本をよまへん・・けど」「本を書く!」。いまのはじょうだんと言おうとしたら、木田くんは「それいいね。ぼくがいちばん先に読むね」草野くんは「オレ、感想文書いたるわ」。そういわれてひくにひけなくなったユイちゃん。

 あたしの本は「木田くんと草野くんのことをかく」「それから、あたしのむねのおくのことをかく」「わからないことを、いっぱい考えて書く」。ユイちゃんが、なんだか 書けそうな気がしたところでおわり、続編がまたれます。

 

 ユイちゃん、読書感想文のために、「本を読む」というのが 受け入れられなかっただけなのかも。


おきくがんぎ・・広島

2024年05月07日 | 昔話(中国・四国)

      広島のむかし話/広島県小学校図書館協議会編/日本標準/1974年

 

 ”がんぎ”は、海辺に石が段になっているところ。

 おきくというむすめが、海でなくなった大二郎という若い漁師をまちつづける話。

 荒れた海で行方不明になった大二郎を心配して、おきくは、毎日のように岩の上に立って海を見ていました。しばらくして大二郎の死体が浜辺に流れ着きました。泣き叫ぶおきくをみて、浜の人々はおきくをなぐさめました。

 やがて丘の上に大二郎のお墓がぽつんとたてられました。おきくは毎日お墓に線香をたててやり、海辺の岩の上に立って、ぼんやりと海を眺めていました。

 ある日のこと、おきくの姿が村から見えなくなりました。浜の人々はあたりをさがしまわりましたが、おきくの姿はみあたりませんでした。それから七日ほどして、おきくの死体が海辺に流れてきました。おきくは、岩の上から身を投げて、大二郎のあとをおったのです。

 それから、夜、風のふく日には「大二郎さーん。大二郎さーん」とよぶおきくの声が岩の上からきこえるといううわさがしきりにたちました。また、風の強い夜、がんぎをのぼるぬれた草履の足音がバタバタとするのです。また船も、どうしたことか、前にすすまぬようになるそうです。それからこの浜辺には、若い男の死体が流れつくようになりました。

 それから、この岩のことを、だれいうともなく、「おきくがんぎ」というようになりました。

 

 ふたりが、どうしてひかれあったかはでてきません。めずらしい悲恋物語です。


四人の子ども・・アルゼンチン

2024年05月06日 | 昔話(南アメリカ)

     子どもに聞かせる世界の民話/矢崎源九郎編/実業之日本社/1964年

 

 先行きを心配した母親が、四人の子どもに、めいめいで仕事を探すようにいました。子どもたちがいって、いく月かたったころ、重い病気にかかり、母親とくらしていた四番目のピカフロルが、兄や姉を探しにいきました。

 一番上のコルコルは、森へいって昼までは眠って、夜になったら食べ物を探していましたが、昼からでかけるのは、ねむくてたまらないと、母親のもとへ帰るのはことわりました。

 二番目のレチューサは、お墓のそばに住んで、おなかがすいたら食べるものをさがしていました。母親の病状を聞いても、髪の毛を手入れするところで、悪い天気に外へ出かけたくないと、ことわりました。

 三番目のアラーニャは、くらいすずしいところで、すてきな糸をおるといっていましたが、ピカフロルに、「機を織りはじめたから、よそへなんか いけません」と母親に伝えてくれるようにいいます。

 やがて母親が死ぬときがくると、「わたしの四人の子どもは、それぞれに、神さまの罰や、おめぐみを、うけるだろうよ」と いいました。母親が死ぬと、神さまたちは、四人の子どもを、鳥や虫にかえてしまいました。

 コルコルは、大きなミミズクに、レチューサは、みにくいフクロウに、三番目のアラーニャは糸をおりつづけましたが、だれにもよろこばれませんでした。それは、クモの糸だったからです。

 そして、母親を大事にしていた四番目のピカフロルは、ハチドリになって、みんなを喜ばせています。

 

 由来話ですが、親を大事にしなさいということもいいたかったのかもしれません。

 

 今となっては「聞かせる」というのは、上から目線。楽しい話が多いだけにちょっと残念。


とんでもプリンセスと ドラゴン ★おわりのないぼうけん★

2024年05月05日 | 絵本(外国)

   とんでもプリンセスと ドラゴン/アンナ・ケンプ・作 サラ・オギルヴィー・絵 たなか あきこ・訳/フレーベル館/2016年

 

 高い塔の上に、のろいによってとじこめられたプリンセス・スー。
 「ラプンツェル」みたいに髪はながくなり、「いばらひめ」のように百年もまちつづけた 気分。ただ読む本だけはたっぷり。「へええ、おとぎばなしの おひめさまって さいごには しあわせになれるんだ。」と、長い間待ち続けてイライラが爆発しそうになったとき、パンパカパーン!
 ついに 王子さまがあらわれたのです!

 いかに勇気かの王子さまの自慢話をさえぎり、スーは 王子に チュッ!

 ところが、この王子、頭はカチカチ。鎧をきるのが 王子さま。ドレスをきるのがお姫さまで にこにこ笑顔に ふんわりカールの髪と のたまう。スーの気分はむしゃくしゃ。

 塔のてっぺんから 遠くに見えたのは 赤いドラゴン。スーは こわがって にげだすどころか、お茶に招待。意気投合したふたり?は、王子をちょっぴりこらしめてやろうと・・。

 赤いドラゴンのくしゃみで、城はバラバラ。さえぎる王子をしりめに、あちこちの わからずやを こらしめ、おわりのない スーとドラゴンのぼうけんが はじまりました。

 

 ドラゴンとでかけるとき、スーの髪の毛は、いつのまにかみじかくなっています。絵の中にあるくつは「シンデレラ」? 冠をかぶったカエルも 気になる存在。

 スーに必要なのは、とにかく冒険にいたずら そして ドラゴンです!!。

 夜寝る前に読むことはおすすめできません。興奮して眠れなくなりそうです。


へんてこな おきゃくさん

2024年05月04日 | 絵本(日本)

   へんてこな おきゃくさん/浜田圭子/福音館書店/2023年(初出2017年)
 
 
 あこちゃん はじめてのお留守番の日。玄関のチャイムがなって やってきたのは へんてこなおきゃくさん。
 「あえて こんなにうれしいことは ありません」と、小さい頃の思い出の ぼうし、てぶくろ、そして かさ。
 おおきくなった あこちゃんには ちょっと ちいさかったかな。
 
 ぼうしは 電車の窓から 風にとばされて、てぶくろは 公園の鉄棒で、かさは バスの 座席に おいていかれ・・。
 
 おおきくなった あこちゃんをみて あんしんしたのか ふいにやってきた おきゃくさんは あいさつをして いなくなりました。
 
 
 ちいさくなった 子どものものを 捨てられず、そのままにして 成長が実感できたことを思い出しました。

せぼねのはなし

2024年05月03日 | 紙芝居

    せぼねのはなし/脚本・絵 かこ さとし/童心社/1982年(12画面)

 

 「おかしなしせいをしていると せぼねの ひとつひとつの ほねが ずれて、ゆがんで まがった くせがついて ぐにゃぐにゃの かたちになってしまいます」

 「ぐにゃぐにゃ まがった からだに ならぬよう、ゆがんだ からだに しないよう、きっちり からだを つよくして、そとで うんどうを しっかりして よい しせいの せぼねの シャンとした ひとになるよう、がんばるのは あなたです。」と、かこさんの直球勝負。

 傘や団扇からはじまって、ミミズやクラゲ、カイやサザエ、カタツムリ、さらには魚や鳥、キリン、ゾウ、恐竜、サル、カンガルーまででてきて、体の中で いかに背骨が大事かすすめていきます。

 骸骨も出てきて、かこさんらしい 紙芝居でした。


カエルも ヒキガエルも うたえる

2024年05月02日 | 絵本(外国)

   カエルも ヒキガエルも うたえる/アーノルド・ローベル・作 エイドリアン・ローベル・彩色 アーサー・ビナード・訳/長崎出版/2010年

 

 この絵本が出版された経過が興味深い。アーノルド・ローベルが友人にプレゼントしたものが、友人の死後、オークションの競売で手に入れたコレクターの手から娘のエイドリアンに渡ったという。

 もとはモノクロのものに、エイドリアンが彩色したとあって彩色の意味が理解できました。

 ローベルのほかの作品もそうですが、ほのぼのして、あったかいものが残る読後です。

 一ページに一編、計10話の短編がのっています。

 

 「カエルねえさんは おおいそがし」

 カエルねえさんは アップルを オーブンで 焼いています。ロールパンもこしらえて オーブンのもとへ。そばでは カエルぼうやたちは じっとみています

 できあがると、カエルねえさんは ぼうやたちに 大声で いいます なんて?

 「オタマジャがっこう」

 「本は読みません、文字も書きません、数学も もちろん まなびません・・それでも 勉強するのは?」

 「マイカーに のった カエル」

 新車で 昼も夜も ひと月もふた月も しかも 赤信号に いちども ひっからずに!

 なぜ そんな とおくまで? ときかれた カエルの こたえは?

 

 こたえがわかったら あなたも ローベルの世界へ・・。


おきゃくさま

2024年05月01日 | 紙芝居

   おきゃくさま/原作・高橋五山 脚色編集・高橋洋子/全甲社/2014年(8画面)

 

 音楽紙芝居のように大人を対象にしたものもあれば、幼児を対象にしたこの紙芝居と、工夫次第でまだまだ紙芝居の可能性が広がりそうです。

 8画面ですが、絵の抜き差しによって、これを10画面として利用します。何回かやってみましたが、この演じ方が難しい。相当の練習が必要でした。

 幼児に五つまでの数を観念として身につけさせるための紙芝居。五は片手で表現できる数。でてくるのは椅子と色違いのうさぎだけ。椅子に座るうさぎと、すわれないうさぎたち。そのたびに いくつあるかを確認していきます。

 

 紙芝居の続きを自由に工夫してみてほしいとあるのも、ほかのものにはみられません。

 高橋五山紙芝居 復刻第6巻とありました。


かさとながぐつ

2024年04月30日 | 絵本(日本)

    かさとながぐつ/二宮由紀子・文 市居みか・絵/瑞雲社/2019年

 

 梅雨にはまだ早いのですが、雨の日を楽しみます。

 かさとながぐつ にとっては いい天気は 悪い天気。雨の日こそがいい天気。
 
 雨の日、いよいよ おでかけです。
 
 「ぽつん ぽつん」
 「ぴちょん ぴちょん」
 「どしゃ どしゃ どしゃ」「どしゃ どしゃ どしゃ」
 「ぼく、びちょびちょ」「ぼく、ぼちょびちょ」
 「ばっしゃーん!!」
 「ぐっちょぐっちょの どっろ どろ どろ」
 「びっしょびっしょの ずぶぬれ」
 
  逆さ言葉もでてきます。濁音、半濁音、拗音、促音の入門にも!
 
 黄色い傘と赤い長靴、目と口もあって 楽しい おしゃべりが つづきます。天気の良い日、傘も長靴も 庭に干され つぎの出番待ちです。
 
 最近は土砂降りがおおく、雨を楽しむ風情もなくなりました。

い ろ い ろ か え る

2024年04月29日 | 絵本(日本)

    い ろ い ろ か え る/きくち ちき/偕成社/2021年

 

 食べるのが すきな緑色のかえる。跳ねるのがすきな黄色のかえる。おどるのがすきな桃色のかえる。泳ぐのすきな青色のかえる。歌うのがすきな橙色のかえる。

 色もちがい、すきななことも違う兄弟。夕陽をあびて歌ったら、みんなも一緒に大合唱。黒と銀色の とうさんかえると、かあさんかえるがやってきて、やがて 夜。星はいろいろ輝き、みんな丸くなっていっしょにおやすみです。

 花とおどったり、夕陽をあびて歌ったりと かえるたちも 色も躍動しています。全部塗りつぶすのではなく、白抜きが効果的。場面場面の かえるたちの構図も楽しい。