鳥取のむかし話/鳥取県小学校国語教育研究会編/日本標準/1977年
むかし、戦いに敗れたある若者が、「かくまってくれ」というので、世話をしてあげた角兵衛さん。
何年かたって、角兵衛さんのところにやってきたのは、城のお殿さま。かくまってあげた若者が出世していました。
殿さまは、世話になった角兵衛さんに裏の山をやるといいます。山が大きすぎて、木を植えるのも、畑にするにも大変だからとことわる角兵衛さんに、「ないよりあるほうがええわい。もらっとけえな。あれはお前の山だぞよ」といって笑った殿さま。
その山に、山イモがようけはえているので、あるおっつぁんが、山イモをほると、ガチンと鍬の先で音がして、とりあげてみたところが、なんとぴかっと光る小判がでてきた。
話を聞いた近所の人が、わしも、ちゅうので、道具をもってイモほりにきた。何人も小判にあたるので、あっちこっちの村で大評判になり、そこらじゅうの村から山イモほりにあつまり、遠方からもきたので、いつのまにか山じゅうがほりこして、きれいな畑になるほど。
「この小判がでるちゅうのは、なんでもない。お殿さまがされたことにちがいない」と、気がついた角兵衛さんが、お礼にいき、何を植えたらいいか相談すると、お殿さまは茶を植えろという。
それで、名高いお茶ができたという。
情けは人の為ならずです。
地域がどこか不明です。鳥取と茶が結びつきませんでしたが、調べてみるとここにも頑張っている人がいました。
このシリーズは小学校の先生が中心になっていますが、現在でもこうした活動ができる条件はあるのでしょうか?