鳥取のむかし話/鳥取県小学校国語教育研究会編/日本標準/1977年
このシリーズには話者のお名前がのっていますが、おなじみのものとはやや違っています。
浦島が玉手箱をあけると、ツルになり、松の木にいると、カメがのぼってきて、夫婦になって天竺で暮らします。
竜宮でも、梅や桜がさいていて花見をする部屋、田植えをしている部屋、お祭りをしている部屋、雪が降り子どもたちが羽根つきの部屋をみます。そして正月だからと帰ることに。
おなじみのものでは、カメと乙姫さまは別ですが、この話では、竜宮につくとカメが乙姫に姿をかえます。
各部屋で四季の移り変わりが展開するのは、ほかの昔話の借用?のよう。
楽しいのは、各部屋の風景。
田植えでは「はあ、ドンゴラ、ドンゴラ、こら、サッサカ、タイならサバなら、持ってこい、もってこい」。
お盆では「ハラヤーハトナー、ヤントヤトアーエー、おどれおどれと、はあ、おどり子がそろうた。ああドッコイ、サッサデ。」
祭りでは、大夫がおどります。「ああ、銭なら、米なら、持ってこい、持ってこい、持ってこん者はまえの川へふいっと投げ」。