どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

あらずもがなのことば・・コスタリカ

2022年12月07日 | 昔話(南アメリカ)

           ラテンアメリカ民話集/三原幸久編訳/岩波文庫/2019年

 

カタールワールドカップ一次予選で対戦したコスタリカの「こぶとりじいさん」の話。

 

コブのある貧乏な男が山へ薪を取りに行って、夜中の一軒家で出会ったのが、魔女たちの祭り。

魔女たちがとびはねながら歌っているのが

”月曜と火曜と水曜で三つ”

魔女たちが、同じ歌を歌い続けるので飽き飽きした男が、ダミ声で付け加えたのが

”木曜と金曜と土曜で六つ”

叫び声や踊りがとつぜんやみ、「わたしたちの歌にあんなにうまく続けたのはだれ」「なんてすばらしいでしょう」「歌った人にほうびをあげなくちゃ」と、魔女たちが声の主を探し、コブを切りとってしまいます。さらに、お礼に金貨の入った袋も男にくれます。

男が家を離れていくとき、魔女たちの歌声が聞こえました。

”月曜と火曜と水曜で三つ  木曜と金曜と土曜で六つ”

このあとは、「アリババと四十人の盗賊」風。

家に持ち帰った金貨がいくらあるか量ろうと、妻が金持ちの家にマスを借りに行きます。不審に思った金持ちの妻が、マスの底にニワカを塗りつけます。そして返されたマスの底に金貨がくっついているのを見つけ、夫にそのことを話すと、金持ちは貧乏な男から、ことの次第を聞き、山奥へでかけ、魔女たちがお祭りしている家につきます。

魔女たちは”月曜と火曜と水曜で三つ  木曜と金曜と土曜で六つ”と夢中になっていました。

金持ちが、ここで「日曜で七つ」と、付け加えます。魔女たちは、「どうしてそんなことをいいだすのよ」「わたしたちの歌をぶちこわすようなことをいった横着者はだれなの」と、怒り出し、男を見つけ出すと、貧乏な男から切り取ったコブを首にくっつけてしまいます。

金持ちの男は、山へ行ったとき連れて行ったロバをなくし、コブを二つ付けて家へ帰りました。

 

日本では、鬼と踊りですが、魔女と歌という組み合わせは 外国らしい。


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