南アフリカ由来の新型コロナ変異株、オミクロンと名づけられたそうです。
アルファ株から始まった警戒すべき変異株(VOC・VOI)の13番目で、
当然ニュー株になると思ったらまさかのオミクロン。
そもそもデルタだのオミクロンだの、何だったっけ?
という話。
アルファ株から始まった警戒すべき変異株(VOC・VOI)の13番目で、
当然ニュー株になると思ったらまさかのオミクロン。
そもそもデルタだのオミクロンだの、何だったっけ?
という話。
(写真:フォトAC)
【コロナに関するクサイ話】
日本国内の感染状況が落ち着いているのと根拠のない楽観的な気分で「放っておいても感染は止まる」とか「たぶん第六波は大したことはない」とか言ってきましたが、オミクロン株とかいうのが出てきて多少こころがざわついています。しかしうろたえずに様子を見て行きましょう。
ところで今回のオミクロン株の「オミクロン」、何かというとギリシャ文字アルファベットの15番目の文字なのです。最初にイギリスで発見された変異株がアルファ株、続いて南アフリカのベータ株、ブラジルのガンマ株、そしてインドのデルタ株という順になり、さらにそのあとイプシロン株、エータ株、ゼータ株と全部で12の変異株が記録されていたようです。
デルタ株があまりにも強力で世界中に広まったため、それ以後の変異株は注目されなかったのです。
今回南アフリカ共和国で見つかった2度目の変異株は13番目ですから当然「ニュー株」となるところですが、突然ふたつ飛ばしてオミクロン株になりました。ギリシャ文字の13番目は「N(ニュー)」で「新しい(New)」と混同しやすいので避けるのは当然としても、14番目の「Ξ(クサイ)」は避ける理由がわからない。
・・・と思っていたら、「Ξ(クサイ)」の英語表記がxiで、中国の習近平国家主席の「習」と同じ英語表記になるところから、中国寄りと言われるWHOのテドロス事務局長が忖度して、外したのではないかと言われています。
ありそうで、なさそうな――いずれにしろクサイ話です。
ただ、このニュースは私の気持ちを挫きました。というのはギリシャ文字のアルファベットは私のウンチク話の十八番(おはこ)のひとつで、アルファ株・ベータ株・ガンマ株について「これはギリシャ文字のアルファベットでうんぬん」と、一発ブチかまそうと考えていたからです。ところが頃合いを見ているうちに、新しい変異株の名前がふたつ飛ばされたことでマスコミが一斉に書きたてて、私の計画は台無しになりました。まあ、仕方ないですね。
ところで今回のオミクロン株の「オミクロン」、何かというとギリシャ文字アルファベットの15番目の文字なのです。最初にイギリスで発見された変異株がアルファ株、続いて南アフリカのベータ株、ブラジルのガンマ株、そしてインドのデルタ株という順になり、さらにそのあとイプシロン株、エータ株、ゼータ株と全部で12の変異株が記録されていたようです。
デルタ株があまりにも強力で世界中に広まったため、それ以後の変異株は注目されなかったのです。
今回南アフリカ共和国で見つかった2度目の変異株は13番目ですから当然「ニュー株」となるところですが、突然ふたつ飛ばしてオミクロン株になりました。ギリシャ文字の13番目は「N(ニュー)」で「新しい(New)」と混同しやすいので避けるのは当然としても、14番目の「Ξ(クサイ)」は避ける理由がわからない。
・・・と思っていたら、「Ξ(クサイ)」の英語表記がxiで、中国の習近平国家主席の「習」と同じ英語表記になるところから、中国寄りと言われるWHOのテドロス事務局長が忖度して、外したのではないかと言われています。
ありそうで、なさそうな――いずれにしろクサイ話です。
ただ、このニュースは私の気持ちを挫きました。というのはギリシャ文字のアルファベットは私のウンチク話の十八番(おはこ)のひとつで、アルファ株・ベータ株・ガンマ株について「これはギリシャ文字のアルファベットでうんぬん」と、一発ブチかまそうと考えていたからです。ところが頃合いを見ているうちに、新しい変異株の名前がふたつ飛ばされたことでマスコミが一斉に書きたてて、私の計画は台無しになりました。まあ、仕方ないですね。
【カッパが宇宙に向かう】
ことの始まりはロケットです。
私が高校生だった1970年、東京大学宇宙航空研究所は日本初の人工衛星「おおすみ」を打ち上げました。これで日本はソ連・アメリカ・フランスに続く第4の人工衛星打ち上げ国になった――と言えば誇り高いのですが、前年の1969年にはアメリカがアポロ11号を月に送り込んでいますから、いまひとつ盛り上がりに欠ける感じもありました。そのとき「おおすみ」を宇宙に運んだロケットは、ラムダロケットと名づけられていました。
ロケットに話を戻すとラムダロケットの後継機は「M(ミュー)」でした。ただしニュースなどでは「エムロケット」と発音されることが多く、私は心の中で「エムじゃなくてミューだろう」と悦に入っていたのです。その次は当然「N(ニュー)」で、さあニューロケットだと思ったらだれも「ニュー」とは発音せず、「エヌロケット」としか言わない。さらに「Nロケットの『N』はNipponの『N』です」などと専門家が言い出す始末。
Nが終わったら次が問題の「ξ(クサイ)」ではなく「H」。聞けば燃料に使っている水素の元素記号だそうです。
その次に開発されたのは「J」。当然Japanの「J」かと思ったらジョイント(joint)の「J」だとか(さまざまなロケットの部分をつなぎ合わせたので)。で、最新鋭はどうなったかというと、なぜかギリシャ文字の変な位置に戻って「ε(イプシロン)」です。
訳がわからん。
かくして私のギリシャ文字ウンチク話は、大学在学中に頓挫してしまったのです(Nロケット打ち上げは1975年)。
私が高校生だった1970年、東京大学宇宙航空研究所は日本初の人工衛星「おおすみ」を打ち上げました。これで日本はソ連・アメリカ・フランスに続く第4の人工衛星打ち上げ国になった――と言えば誇り高いのですが、前年の1969年にはアメリカがアポロ11号を月に送り込んでいますから、いまひとつ盛り上がりに欠ける感じもありました。そのとき「おおすみ」を宇宙に運んだロケットは、ラムダロケットと名づけられていました。
ラムダロケットは1960年から運用の始まった観測ロケットで(のちに打ち上げロケットに改良)、定評のあるカッパロケットに続くものです・・・と、そこで私は引っかかったのです。日本のロケット工学の最先端を走っていたロケットに「なんでカッパなどというふざけた名前を付けたのか」、それは小学校のころからずっと不思議に思っていたことでした。
当時はインターネットなどありませんでしたから、ひとつ疑問が浮かんだら答えにたどりつくのは容易ではありません。学校の図書館の百科事典ときたら、太平洋戦争ですら終わっているかどうか怪しい代物で、結局、本屋で立ち読み研究をしたか市立図書館へ行ったかして、ようやく答えにたどりついたのだと思います。
カッパやラムダがギリシャ文字のアルファベットだと分かると、それまで不思議とさえ思わなかったさまざまなことが分かってきます。
ロケットに話を戻すとラムダロケットの後継機は「M(ミュー)」でした。ただしニュースなどでは「エムロケット」と発音されることが多く、私は心の中で「エムじゃなくてミューだろう」と悦に入っていたのです。その次は当然「N(ニュー)」で、さあニューロケットだと思ったらだれも「ニュー」とは発音せず、「エヌロケット」としか言わない。さらに「Nロケットの『N』はNipponの『N』です」などと専門家が言い出す始末。
Nが終わったら次が問題の「ξ(クサイ)」ではなく「H」。聞けば燃料に使っている水素の元素記号だそうです。
その次に開発されたのは「J」。当然Japanの「J」かと思ったらジョイント(joint)の「J」だとか(さまざまなロケットの部分をつなぎ合わせたので)。で、最新鋭はどうなったかというと、なぜかギリシャ文字の変な位置に戻って「ε(イプシロン)」です。
訳がわからん。
かくして私のギリシャ文字ウンチク話は、大学在学中に頓挫してしまったのです(Nロケット打ち上げは1975年)。
【イプシロンロケットの由来】
おそらくNロケット開発中に誰かが気づいたのです。N(ニュー)はまだしも、その次は「クサイ」だ。カッパもヤバかったが「クサイロケット」で国民の理解は得られるのだろうか――。そこから急遽Nの読み方を「ニュー」から「エヌ」に変更して「Nippon」の頭文字ということにしたのではないでしょうか。そのあとは自由に名をつけられます。
しかしそれにしても、なんで今さらのイプシロンなのだ?
調べたらWikipediaに説明がありました。
イプシロン (Ε) の名前は、ラムダ (Λ) ロケット・ミュー (Μ) ロケットなど日本で開発されてきた固体ロケット技術を受け継ぐ意味を込めギリシア文字が用いられた。(中略)イプシロンロケットが、ミュー (M) ロケットを受け継ぎながら、全く別次元に変身したロケットなため「m(ミュー)」を横倒しにした「ε(イプシロン)」と命名されたことが明らかにされている。
まあ、いろいろやりますナ。
《参考》
大文字 小文字 名称
Α α アルファ
Β β ベータ
Γ γ ガンマ
Δ δ デルタ
Ε ε イプシロン
Ζ ζ ゼータ
Η η エータ
Θ θ シータ
Ι ι イオタ
Κ κ カッパ
Λ λ ラムダ
Μ μ ミュー
Ν ν ニュー
Ξ ξ クサイ(グザイ)
Ο ο オミクロン
Π π パイ
Ρ ρ ロー
Σ σ,ς シグマ
Τ τ タウ
Υ υ ウプシロン
Φ φ ファイ
Χ χ カイ
Ψ ψ プサイ
Ω ω オメガ
しかしそれにしても、なんで今さらのイプシロンなのだ?
調べたらWikipediaに説明がありました。
イプシロン (Ε) の名前は、ラムダ (Λ) ロケット・ミュー (Μ) ロケットなど日本で開発されてきた固体ロケット技術を受け継ぐ意味を込めギリシア文字が用いられた。(中略)イプシロンロケットが、ミュー (M) ロケットを受け継ぎながら、全く別次元に変身したロケットなため「m(ミュー)」を横倒しにした「ε(イプシロン)」と命名されたことが明らかにされている。
まあ、いろいろやりますナ。
《参考》
大文字 小文字 名称
Α α アルファ
Β β ベータ
Γ γ ガンマ
Δ δ デルタ
Ε ε イプシロン
Ζ ζ ゼータ
Η η エータ
Θ θ シータ
Ι ι イオタ
Κ κ カッパ
Λ λ ラムダ
Μ μ ミュー
Ν ν ニュー
Ξ ξ クサイ(グザイ)
Ο ο オミクロン
Π π パイ
Ρ ρ ロー
Σ σ,ς シグマ
Τ τ タウ
Υ υ ウプシロン
Φ φ ファイ
Χ χ カイ
Ψ ψ プサイ
Ω ω オメガ