カイト・カフェ

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「真っ昼間、キツネに遭った」~キツネを巡るetc.(エトセトラ)

 夜行性のはずのキツネに、真っ昼間、遭った。
 こちらに気づくといったん止まり、カメラ目線でじっとしている。
 撮影が終わると、退散。
 そんなキツネについてちょっと調べてみたくなった。
 という話。(写真:SuperT)

【真っ昼間、キツネに遭った】 

 買い物の必要があって昼前に畑道を通り、近くのホームセンターに向かいました。その途中で前方30mほどのところをキツネが横切って行きます。その直後、キツネはほぼ直角に曲がって私の右前方を同じ方向に走り始めます。やがて道路が交差するところで私がスピードを緩めると、キツネは後方も注意していたかのように停まり、振り返ります。私も止まります。そして窓を開け、スマホを取り出して撮影したのが上の写真です。

 このときキツネと向かう合うこと10秒あまり。かなり長い時間ですが実は私の方がウロタエてしまい、スマホを取り出しても手早くカメラに切り替えられず、アタフタとムダに時間を過ごしてようやく1枚だけ撮ることに成功したのです。逆に言うとキツネは私の準備が整うまでしばらく待って、1枚撮れたからいいやという感じでネギ畑の中へ入って行きました。
 私は先回りしてネギの畝の間からキツネが出てくるのを待ちましたが、それきりどこかへ行ってしまいました。

【交通事故:キツネが怪しい】

 以前にも書いたと思いますが、野生のキツネを見るという経験は、生まれてこの方、ずっとなかったことです。それが10年ほど前から1~2年に1度という感じで遭遇することがあり、ここ2~3年は年に1~2回と急に頻度が高まって来ていたのです。まさか都市化の影響でキツネが増えたとも思わないのですが、山に住みにくい事情でもできたのでしょうか。

 さらに言えば昨日の遭遇はここ2カ月余りで3度目のもので、最初は夕方、二度目は早朝、しかも2回とも、1時間ほど経ってから同じ場所を通ると、大きな事故が起こっていました。警察車両やレッカー車の様子から推するとキツネがうろついた直後くらいに起きた事故のようです。
 クワバラ、クワバラ。
 そんなことから昨日は自分が当事者になってはいけないと、慎重に運転して行き来しました。

 しかしキツネは本来夜行性の肉食に近い雑食動物。日中の田畑を、何を思ってうろついていたのでしょう?

【キツネを巡るetc.(エトセトラ)】

 私はキツネという生き物がけっこう好きです。
 正面か見る顔は愛くるしく、何といっても西洋の箒みたいな尻尾が可愛い。一時期キタギツネがブームになったことがあり、雪原で遊ぶキツネの姿は映像としてはかなり見慣れたものになっていて、ああいうのが日常ならペットにするのも悪くないなといつも思っていました。
 
 ただし元は農家にとっての害獣ですから、キツネに化かされたりいたずらされたりといった寓話に事欠きません。
 「狐火」は夜、山の中に提灯のような灯りが連なって点いたり消えたり、あるいは丸ごと消えて別のところに現れる現象ですが、それが狐の嫁入りで、キツネたちが全員和装をして二足歩行でゆっくりと進んでいると考えるとかなり薄気味悪い感じになります。
 キツネは夜行性ですので嫁入りもとうぜん暗い中で行われ狐火のかたちになるのですが、何かの事情で晴天の真昼間に行わなくてはならないこともあるらしく、そんなときは急な雨を降らせて人の目から隠すのだそうです。俗に天気雨を「キツネの嫁入り」というのはそのためだと、今回知りました。

 安倍晴明の母親がキツネの化身だという話は、以前このブログでも書きました。「恋しくば 尋ねきてみよ 和泉なる信太の森のうらみ葛の葉」のあれです。

kite-cafe.hatenablog.com

 ただし葛の葉は「表が濃い紫、裏に返すと真っ白」という本文の最も大切な部分がまったくのウソで、葛の葉は表が濃い緑、裏は薄い緑というごく常識的なもののようです。なぜこんなガセに引っかかったのか、それとも葛の葉と呼ばれるものが二種類以上あるのか、今後改めて調べてみようと思います。
 
 その他、「キツネ憑き」「キツネ祓い」「キツネにつままれる(どこを?)」「キツネ拳」「キツネダンス」「キツネ目の男」――キツネを巡るあれこれには面白そうなことがたくさんありそうです。調べてみましょう。稲荷信仰についても何も知りませんから。