安倍晋三回顧録 レビュー | 加納有輝彦

安倍晋三回顧録 レビュー

安倍晋三回顧録 レビュー

 近所の書店に行ったときには、初版(2023.2.10)が売り切れていて、そこで予約して再販(2.20)を入手した。全国、初版本は、あっという間に書店から消えたというくらい話題本であった。

 さっそく読み始めたのだが、それどころではなくなり、読書を中断、昨日、再開しやっと読み終えた。

本書は、2020年9月16日、安倍内閣が総辞職した後、10月から21年10月まで、計18回、36時間にわたっておこなわれた未公開インタビューを書籍化したもの。

 発売当初、反響は凄くて、ニュース番組も、本書を特集していた。またネットでは、多くの識者が、本書をレビューしていた。

自民党が下野した2009年に立党した宗教政党、幸福実現党、2012年安倍政権が復活したわけだが、幸福実現党の第一段階の政治活動の期間は、ほぼほぼすっぽり安倍政権下に収まっている。

 また、大川隆法総裁先生は、安倍首相守護霊の霊言を複数回収録し出版された。

そういった意味では、私個人にとっても、安倍元首相は、第一段階の政治の季節のアイコン、象徴でもあった。

 さて、世間一般の本書のレビューで語られている通り、安倍首相が各国の首脳からいかに信頼されていたか、また各国首脳の間でリーダーシップをとっていたか、その実績は素直に凄いと思いました。

また外交舞台の、生々しい各国首脳との会話が語られており、非常に興味深いものがあった。トランプなどとの会話は、トランプの人となりがリアルに垣間見れ、面白い。

 また、安倍元首相の、財務省への不信、これも率直に語られており、面白い。財務省を説得する道は一つ、財務省がいやがる政策(消費税増税の延期等)を掲げ、解散し、選挙で勝つこと。

 選挙に勝つことで、財務省を黙らせる。

 元号、「令和」の生まれた過程も、非常に面白かった。

質問者は、ある意味、歯に衣着せぬ質問をしてくれていた。

 評判の悪かった安倍のマスクはどうだったんだ?
国民一人10万円のばらまきは?
河合案里への1億5000万円は、なぜ? 
桜を見る会、森友学園、加計学園の真相は?
コロナ対策の是非、等々。

確かに世間一般で語られている本書の魅力は、その通りである。

いろいろ語られたレビューの中で、特異的だったのは、歴史家の林千勝氏のものであった。
林氏曰く、
本書を読んでの感想(記憶による再現)
「高次な思想は一切見られなかった。というか安倍氏がもともと高次な思想をもっていたら政治家にはならなかっただろう。」

高次な思想の持主は、政治家になれないという林氏の言は、大いなる皮肉であろうか。

 高次な思想は一切見られなかった・・・。

これは、宗教政党に所属する私が言うとすれば、例えば、米大統領リンカーンの伝記に必ず書かれる、祈る大統領、ホワイトハウスを祈りの家にしたというリンカーンの姿・・・。

 トランプ大統領の伝記、回顧録が書かれるとしても、祈る大統領の姿は、必ず書かれるはず。

内心の本音を隠さず書かれた安倍晋三回顧録に、祈る首相の姿は、一切出てこない。

 日本においては、そういう事を語るのは照れがあって、実際には祈ったこともあっただろうかもしれないが・・・そういうことなのかもしれない。日本で、それを望むのは酷であろうか。

後の世に残る「回顧録」に、祈りは、一切語られていない。

 林千勝氏が、指摘した「高次な思想」は、私的には、「祈り」となる。

 さて、幸福実現党は、安倍首相の戦後70年談話、慰安婦問題日韓合意、靖国不参拝等について、厳しく批判してきた。

 これらの批判に対して、安倍元首相の答えはこうだ。

一部保守層は、私に100点満点を要求する。それは政治的に不可能だ。60点~70点の私を否定したら、0点になってしまう、それでもいいのか。

 政治は妥協の産物。

そういえば、大川隆法総裁先生の安倍首相守護霊霊言の中で、(記憶による再現)
「首相に、言論の自由なんてないんだよ。君ら(幸福実現党)は、お気楽な立場で外野からギャーギャーうるさいんだよ」こんなニュアンスの事を言っていた。

 本書でも、改憲勢力が3分の2以上の議席があるというけど、自民党にもいろいろ意見があり、まとまらない。ましてや公明党がいる。3分の2なんて意味ないんだと仰っていた。

 あらゆる利害の中で、いかに調整し、一歩でも二歩でも漸進していくしかないんだ。というわけである。

 ただ、安倍元首相は、漸進していくために、共産党のいうような政策も呑み込んでいったことも事実。

 質問者が、公明党との連立について質問すると、安倍元首相は正直に答えた。

公明党の支持をもらうと、票が2割増える。創価学会の組織力は、自民党より強い。頭が上がらない。

そして、自民党と公明党は、福祉政策の面では共通点も多い。自民党も、分配政策はしたいんだ・・・と言った。つまり、公明党がお得意の「給付金」だ。ばらまきのことである。

 分配政策(ばらまき)を正々堂々と肯定する安倍元首相。

 これは、自民党は、社会主義を標榜していると言っているのと同じだろう。

故渡部昇一先生などが、政府の委員をやっていた時などは、「その政策には、分配思想が隠れている」と糾弾したもの。隔世の感を否めない。

 この辺で、止めておきます。

幸福の科学では、なにやら安倍元首相の後生が芳しくないとの風聞に接する。

赤鬼さんがしばいているとかいないとか・・・。

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短詩型・格はいく集③「神は詩う」大川隆法

33  安倍元首相の国葬関心なし 邪教を盛り立て 正しい宗教を黙殺した 時間よ飛び去れ  ☆安倍氏暗殺で国揺れる。信仰心のない「保守」脳乱す。2022.7.27

 

 

 

 

 

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