晴れ、ときどき映画三昧

「アウト・ブレイク」(95・米) 70点



 ・ 豪華キャストでバイオハザード(微生物災害)の恐怖を描いたサスペンス・アクション。


 エボラ出血熱の感染危機を描いたリチャード・プレストンのノンフィクション小説「ホットゾーン」を下地に映画化したサスペンス・アクション。ダスティン・ホフマン、レネルッソ、モーガンフリーマンなど豪華キャストで、監督は「U・ボート」(81)・「ザ・シークレット・サービス」(93)のウォルフ・ガング・ペーターゼン。

 ’67、アフリカ奥地モターバ川流域の小さな村で発生した原因不明の伝染病により、村人と米国傭兵部隊が犠牲となった。
 およそ25年経ったカリフォルニアで同じ症状の伝染病が発生、米陸軍伝染病研究所のサム・ダニエルズ大佐(D・ホフマン)がチームの指揮を執ることに・・・。

 ハリウッド王道である<軍隊が絡むヒューマン・ドラマ>の荒唐無稽なご都合主義との批判もありながら、なかなかスリリングで大いに楽しめた。

 主演のD・ホフマンは一見ミスキャストに思えたが、元妻レネ・ルッソへの未練を抱えながら未知の病原菌との闘いに挑むチームリーダーらしい正義漢を好演している。
 共演したレネ・ルッソは前作(ザ・シークレット・サービス)同様CDC(アメリカ疾病予防センター)で働くビューティフル・ウーマン役。M・フリーマンはサムの上司でもあり親友でもあるが研究トップとの板挟みで悩むおいしい役どころ。研究トップのドナルド・サザーランドは多少の犠牲を厭わず大義を重んじる指揮官で敵役を一手に引き受けている。
 研究チームにはケヴィン・スペイシーやキューバ・グッデング・JRが扮し、バイオハザード(微生物災害)に立ち向かうその役柄はいずれもはまり役。

 地下鉄サリン事件の翌月公開された本作。前半はエボラ出血熱を下地にしたリアルさもあって、フィクションながらウィルスが生物兵器として使われる恐怖を実感するエンタテインメント作品に仕上がっている。
 今回の新型コロナも武漢の研究所の動物が発症源では?との噂もあり、サルから感染拡大する様子もあながち荒唐無稽とはいえない。

 密猟されたサルから密売人とその恋人、ペットショップの店長、血液検査技師、映画館でくしゃみによる空気感染ととてもシリアスな感染爆発は、コロナ渦のいま観るには辛いものがある。
 正しい情報をもとに冷静な判断が必要だと感じつつ見終わった。

 


 

 
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