「言い換え」でストレスを発散する。 | 毎日をちょっぴり生きやすくするあべもん(安部源生)のブログ

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作業療法士という生活を支える仕事をしています。講演会を全国10ヵ所以上でやっています。内容はセラピスト向けぁと筋膜、東洋医学、心理学。一般向けだとストレスケア、コミュニケーション など


「満天下を魅了する」
どんな意味でしょうか?

言い換えるとこちら。

「一世を風靡(ふうび)した」

「流行した」とか
今風なら「バズった」
という意味でしょうか?

よく分からない言葉でも
言い換えるとわかります。

「薬餌に親しむ」(=病気になる)
「鬱を散じる」(=ストレスを発散する)
「怒髪天を衝く」(=髪の毛が逆立つほどの怒り)

などなど・・・

さて、
このコロナ禍の世の中。
ストレスを感じる人や、
そこから鬱になる人は
少なくないでしょう。

どうしようもない「怒り」に
襲われている人もいるでしょう。

実は、
「怒り」という感情は
「言い換え」で
コントロールできる
かもしれません。

最近話題になった
「アンガーマネジメント」
でも取りあげられる方法です。

「アンガー」は怒り、
「マネジメント」は管理とか
コントロールといった意味です。

怒りを言い換える方法は
2つあります。

「点数」と「表現」です。

まずは「点数」から。

怒りを数値化してみる、
点数をつけることです。
自分の怒りが今どれくらいか
客観視できます。

10点くらいならまだ冷静。
2~30点なら不愉快。
4~60点なら腹が立っている。
90点までいけば、いよいよ爆発寸前。
100点で最大級。震えが止まりません。

(1~10までの10段階でもOKです)

私たちは
物事をついつい白か黒かで
判断しがちです。

言い換えると、
「0か100か」
「全か無か」

しかし、
実際には白と黒の間の灰色、
「グレーゾーン」が一番多いのです。

0か100の間でも1~99があります。

その「間」を知ること、
表現できることだけでも、
少し冷静になれるのです。

次の言い換えは
「表現」です。

「キレる」
「ウザい」
「ムカつく」
など

「怒り」を表現する言葉は
とても多いです。

もし、
「キレる」という言葉しか
しらない人がいたら?
怒りを表現する時に
「キレる」行動をするしかありません。

それこそ、
「0か100か」
になってしまいます。

「ウザい」
「ムカつく」
「キレる」
を知っていても
三段階です。

もし、
他の表現を知っていたら?

「むっとした」
「カッとなった」
「胸クソ悪い」
「虫ズが走る」

7段階まで増えます。

さらに、
「血管が怒りでふくれあがる」
という表現まで知っていたら?

「そこまでではないな」
と冷静になれるでしょう。

「怒り」を色んな言葉に
言い換えられると、
それだけ自分を分析できます。

ただし、
あくまでもこれは
「自分が冷静になるための言葉」
です。

決して、
「誰かを攻撃するための言葉」
ではないことを
お忘れなく。

最後に、
ストレスに対する
「言い換え」のテクニックの
ポイントをまとめます。

・自分の怒りを点数化する。
・より多くの言葉を使うこと。

コロナ禍で
ストレスを感じている人は
多いと思います。

「言い換え」のテクニックで、
ぜひ「鬱を散じて」みてほしいです。

もちろん、
必要に応じて
精神科・診療内科の受診も
お忘れなく。

ちなみに、
読売新聞の論説委員の竹内政明さんによると、
「言葉遊びのうまい人は、
文章のうまい人が多い」
そうです。

できるだけ多くの表現を知って、
「どの表現がその場において最適なのか」を考える。
これを繰り返すと
文章の腕もあがるかもしれません。

ストレスだけでなく、
文章が上手くなりたい人も
「言い換え」のテクニック、
試してみてはいかがでしょう。

参考文献:
『  マンガでわかる介護職のためのアンガーマネジメント』(安藤俊介、論文堂新光社)
『書く力   私たちはこうして文章を磨いた』(池上彰・竹内政明著、朝日新書)