医療事務の面接では職歴のストーリーが大切

多くの医療事務未経験者は、面接対策として「志望動機を考える」ことに取り掛かります。

しかし、私が提案したいのは、志望動機を作成するよりも先に2つのことを行っていただくことです。1つ目は「キャリアの棚卸」を行うこと。もう1つは「医療事務の面接を受けるまでのストーリーを作ること」です。

また、面接で「今までの職歴を振り返りながら自己紹介をお願いします」という質問にも対応することができ、面接に深みをだすことができます。

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スキルの棚卸

極論を言ってしまうと、クリニックの面接では他業界の仕事の内容次第で大きく有利になることはありません。言葉遣いや古い慣習が多くのこる医療業界は、良くも悪くも業界としてはガラパゴス化しているため、共通部分が少ないからです。

そこで、今までの職歴の中で何を身につけたのかを整理し、何が出来るのかを明らかにすることで、「(クリニックの)役に立てる」というアピールにつなげる方法が有効になります。

出来ることを明確にしないと伝わらない

医療業界に限らず他業界の仕事内容の詳細は伝わりにくいものですが、医療業界は別格だと思ってください。

伝わりにくいものを伝えるわけですから、当然準備が必要ですし、そもそも業界と職種を同時に変えるということはそんなに甘くありません。

スキルを明確にすると自信が出る

医療事務未経験で採用試験を受ける方の多くはどこか自信なさげに映ります。業界も職種も未経験であることが多く、求人に応募してみたものの、本心では自分が医療事務として働いていけるのか不安だからだと思います。

確かに業界も職種も違ってしまうと、身につけたスキルが100%活かせることはないと思いますが、全く活かせないわけでもありません。

スキルをを明確化しても、何が活かせるかは業務を経験するまでわからないと思いますが、何が役に立つかはクリニック側で判断されてしまうので、自信満々に自分はこれが得意だらか役立ててくれくらいのスタンスで良いと思います。

スキルの棚卸の方法

決まったやり方はありませんが、まずあなたが何をしてきたか振り返るところから始めてみてはいかがでしょうか?

飲食店でホールの仕事をした経験があるのであれば、お客様から注文を受け、どんな時でも笑顔を絶やさずに次の来店を促す。後片付けや店の掃除をし、シーズンごとに新しいメニューの勉強をして帰宅する。

簡単ですがこのような仕事をしてきたとすると、

・マルチタスクが得意(複数のテーブルから注文を受けることなど日常茶飯事)

・立ち仕事で疲れていても顔に出さないスキル

・実務的なエクセルスキル(売上記録など)

・新しいものを取り込むスキル

のように挙げることができます。

スキルの棚卸第二段階

つぎはこれらのスキルにレベルを設定します。

それらの仕事をどのくらいできるのか・・・一緒に仕事をしてみなければ本当のところは面接官にも判断ができない項目すが、しいて明確な基準をあげるとすれば「何時間経験したか」とするのはいかがでしょうか?

先程の例のマルチタスクが得意でしたら、労働時間のうち特に混みあう時間は1日に何時間あるかを計算し、そこへ期間をかければおおまかに何時間マルチタスクを行ってきたかがわかります。

長い時間を費やせば必ず成果がでるわけではありませんが、長い期間を費やしたということは、一定のレベル以上であることを証明しているとも言えます。

ストーリーを設定する

強みが明確になったら、医療事務の採用面接を受けるまでのストーリーを設定します。

特に30代や40代で、未経験から医療事務になろうと考えている方は重要な項目です。

今までの経験でどんなことを身に付けたのかは、前項で明らかになりましたので、

次に考えるべきは「キャリアチェンジの理由」「その中でどうして医療事務なのかく」話せなければなりません。そこにはストーリーが必要です。

医療事務を選んだ理由

残念ながら、未経験で医療事務になりたいと思っている方の多くは、消極的な理由で医療事務を選択しています。

・なかなか就職できず選択肢がなかった

・簡単に就職できそうだったから

・自分にもできそうだったから

・とりあえず安定してそうだから

こちらの記事をお読みになっているかたの中には、当てはまる方も多いのではないかと思います。

キャリアチェンジの理由

未経験で医療とは関係のないお仕事から転職を希望されているかたに多いのが、

ずっと医療事務に憧れていたが、なかなかチャンスがなく、この度一念発起して…

という理由で、これを志望動機に混ぜてお話される方も多いのですが、さすがに無理のあるこじつけだと思っています。

しかもそういう方に限って医療事務になるために何もアクションを起こしていないのです…

ストーリー作成例

積み重ねてきたキャリアは人により異なりますが、ここではストーリーの作成例をみてみましょう。

職歴:アパレル1年、その後飲食業に5年

このようなキャリアがある方のストーリーを作ってみます。この例より職歴が多い方でも作り方は基本的に同じです。

退職理由や職歴に一貫性を持たせてストーリーを作成

この方の職歴の1社目は1年と短いので、アパレルが好きで、その憧れからアパレル業界を志したということにします。

私は某アパレルブランドにて販売職を1年、その後飲食店でホールの仕事を5年行ってきました。

アパレルでは自分の考えるコーディネートを提案できると言う利点はあったものの、売り上げという名のノルマが邪魔をして、純粋な提案が出来ないことに違和感を感じ早期に退職した。

それでも私が提案したことが役に立つことに喜びを感じていたので、接客のスキルを上げるために飲食業へ転職した。アパレルに比べ接する時間が短いため、その中で何を言わんとしているかを感じ取り、さりげなく提案する力を磨き続けてきた。

また、経験年数が上がるにつれて、店舗の売上管理を任されるようになり、必要に応じて独学で勉強しながらオフィスの扱い方を覚えた。

一方で働く時間帯が不規則であり、時間外労働も多いため将来に不安を感じるようになり、今まで磨いてきたコミニケーション力と事務能力両方を生かした仕事を模索していた。情報収集の結果医療事務ではそれができることに魅力を感じ、新たなキャリアの形成として医療事務を選んだ

 

これに合致する人がどの程度いるか分かりませんし、たとえ合致したとしても「情報収集ってなにしたの?」と言われそうですのでリライトは必要だと思いますが(笑)

多少無理があってもそれぞれの職歴につながりを持たせることで、医療事務を志した説得力を出しましょう。一貫性のあるストーリーがあれば、信憑性も増します。

ストーリーになっていない時の弊害

私が面接を行うときに必ず見るのが、このストーリーに一貫性があるかどうかですが、これらに辻褄が合わない方のほとんどは、インターネット上にある志望動機をコピペ、もしくは少しのリライトを行っただけで面接を受けるので、

30分程度の面接の中でも簡単にほころびが生じたり、かろうじて辻褄は合っているものの、自信を持った雰囲気を出せなかったりするわけです。

このように、自分の今までのストーリーを結びつけると言う作業を忘れると、考えてきた志望動機はかなり陳腐なものになります。

まとめ

まず今までの職歴を棚卸し、そこで何を身に付けたのか、またどのようないきさつ、考え、想いを持って転職をしたのかを、あまりフィクションが強くならないように表現していく手法が、結局のところ面接では1番有効に思えます。

自分の今までの人生をストーリー仕立てで、しかも限られた中で話す機会はそこまで多くないと思いますので、面接をきっかけに自分の人生を見つめ直すのも良いと思います。

このようなストーリーを作り、そこに志望動機を結びつけることで説得力が増します。20代前半の方は職歴が足りないのでなかなか難しいかもしれませんが、ある程度職歴がある30代、40代の方にとっては、他と大きく差をつけられる要素だと考えています。

その他面接で使用される質問は以下の記事をご参照ください。

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