ダメなラブホテルを復活させるには。。

2025-03-20 10:19:03

公式ジャンル記事ランキング：: 不動産投資26位

東北の某ホテルからコンサルティングを依頼された。

「コロナで売上が落ちてから、お客が戻ってこない。

　改善計画を提案してもらって立て直したい」

とのことだった。

まずは、売上が落ちている原因を考えるわけだが

大きく２つの要因がある。

１、その地域のお客が減っている

２、自分のホテルがダメだから、お客が減っている

これを知る必要がある。

「１」の場合は、簡単にはいかない。

別のエリアからわざわざ利用しに来てもらう理由を作らないといけないからで

そのためには、それなりの仕掛けが必要になる。

「２」の場合は、それほど難しくない。

自分のホテルのダメなところを改善すれば、それなりには戻る。

今回のホテルは、「２」のダメホテルだった。

〝改善計画″というと、大変な取り組みと思う経営者は多い。

そう身構えてしまうと、やることが多すぎて第一歩が踏み出せない。

売上回復というと、大規模な改装しかないと思う人は少なくない。

しかし、それほどお金をかけなくてもやれることはあるし、

小さなことを積み重ねることで売上は上昇に転じる。

エリア自体が地盤沈下していないのであれば、自分のホテルのお客が減った分は

他のホテルにお客が流れているということだ。

ラブホユーザーでないお客を引っ張る戦略もあるが、まずは他に流れたお客を戻す方が早い。

ラブホテルのお客さんの多くは、地元のリピーターだ。

お客というのは移り気なもので、自社のリピーターであっても、たまには他ホテルを利用するし

その逆もある。

つまり、お客が減った場合でも、自ホテルへの来店割合が減り、

他ホテルの来店頻度が増えたと考えられるから、自ホテルが相対的に良くなれば

来店頻度は増え、元の売上までは戻る。

そしてさらなる改善があるならば、それなりの売上アップは可能だ。

ただし、劇的な売上アップ狙うとなると、小手先の努力だけでは難しいが。。

では、何をどのようにすればいいか、具体的に考えよう。

売上減少の最大の要因は、老朽化による劣化だ。

「汚い」「臭う」「壊れている」では、誰だって行きたくない。

劣化は急激に起きるものではなく、徐々に起きてくる。

経営者やそこで働くスタッフは、徐々に劣化しているから自分のホテルの劣化に慣れ、鈍感になる。

しかし、お客はそうではない。

常に新鮮な気持ちでホテルにやってくる。

そのお客目線を持つことが大切だ。

ホテルは、お金を払って利用していただく「商品」という自覚が必要だ。

ダメホテルでは「古いから仕方がない」という声が聞かれるが、そんなことはない。

清掃とメンテナンスで解消できる不備・不具合は沢山あるし、

徹底した空気の入替で臭いの問題を解消できることもある。

大切なのは、問題に気付いて、解消のために動くかどうかということだ。

最も重要なのは、経営者の意識ではないだろうか。

今回のホテルでは、売上が落ちたことで様々な経費を削った。

アメニティやリネンの質を落とし、無料ドリンクやレンタル品のサービスをやめていた。

「お客が喜ぶかどうか」ではなく「経費を削る」という視点で判断した。

それが、さらなる売上減少を招いた。

売上が減少しているから経費を絞らないといけない。

アメニティは１円でも２円でも安いものを選ぶ。

リネンも質を落として安くする。

この発想でいくと、あっという間にチープなホテルになる。

しかし、ホテルのお客というのは遊ぶ金を持っているわけで、そういう人はそれなりの生活をしていて

自宅でも高品質なタオルや歯ブラシを使っている。

ホテルの備品や清潔感が自宅より劣っていたら、わざわざ、足を運んで、お金を払って利用するわけがない。

具体的な話をしよう。

今回のホテルで、かけられる予算は２００万円。

外観の塗装、屋上看板の新装、風呂水回りの交換などやりたいことは沢山あるが

そこまでの予算はかけられない。

そこで、、下記を提案した。

１、フロント周りの殺風景を一新。

　　①サービス品を揃える。
　　ドリンクディスペンサーの設置、レンタル品の充実、アメニティバイキングなど。
　　②フロント前にデザインＰＯＰを設置

　
　

２、外塀の照明、デザイン看板を設置

３、駐車場入口、建物入口のデザイン看板の設置

４、破れた家具の入れ替え

　　予算がないので、とりあえずは安いもの

　

５、ホームページを一新、LINE会員の導入

　　※予算が回れば、ここまではやってほしい。

これだけ２～３割アップはするはず。

あとは、オーナーのやる気次第だけど、、あのオーナーさん、やるのかな。。

頑張ってほしい。