リフレイン 朧月 7 | 青のパラレルワールド物語

青のパラレルワールド物語

青さんが登場する空想小説を書きます。ご本人様とは一切関係ありません。
腐話もありますので苦手な方はご注意ください。

 

 

 

「いっ・・て・・

らっ・・しゃ・い。

あっ・・・ん・・。」

 

玄関で手を振る智の肩を

いきなり引き寄せて、

深く唇を合わせながら、

強く抱きしめたら、

ドンと両手で突き飛ばされた。

 

「しょ・・う・・。

は・・やく・・い・・け」

「続きは今夜ね。」

 

ドアを開けながら、

振り返ったら、

智があかんべーをしていた。

 

 

ようやく二人での生活の

ペースがつかめてきた。

智が陶房に入っている期間は

俺も仕事に励む期間と決め、

連日、夜中まで仕事をこなした。

 

その代わり、智がいるときは、

早く帰るように、飲み会も断り、

時間外の仕事も極力先送りし、

定時に事務所を出る。

そんな俺をみて会社の同僚らは、

不思議がる。

毎日なら、彼女と同棲だろうとなるが、

月のうち3分の2だけなんて・・

相手とは遠恋かとか、

実は通い婚だとか、

様々なうわさが流れている。

俺は全然気にならない。

勝手にいえばいいさ。

 

 

 

「翔、野外フェスの準備

順調らしいな。」

「ええっ、

滞りなく進んでいます。」

 

社長室で親父と久しぶりに

話をしていた。

智と一緒に住むと言った時、

反対をした親父。

華姉に説得されて,

嫌々条件付きで認めてくれた。

 

「彼と一緒にいることが、

お前にとってプラスだったようだな。

社内だけでなく、

クライアントの評判も

とても良い。

どうやら、

本当に認めざるを得ないようだ。

今度、

彼と一緒に食事でもと

思っているがどうだ?」

「ありがとう親父。

智も喜ぶよ。」

「うん、予定を組んでくれ。

華ちゃんも呼ぼう。」

「わかった。」

 

こんなに早く、

親父に認めてもらえるなんて。

思ってもみなかった。

華姉に言われて渋々だった親父。

 

これも智のおかげだ。

 

智に会えば、

親父も、絶対に

気に入るはずだ。

早く、智におしえてやろう。

喜ぶ顔が目に浮かぶ。

 

俺は、顔がにやけるのを

とめられなかった。

 

 

 

 

 

「ただいま。」

「お・・か・・えり・」

 

ドアを開けたら、

廊下の向こうから

智が駆け寄ってきて、

俺に飛びついた。

 

「智、あのさ・・」

「しょ・・う・・あ・の」

 

同時に口を開いた。

 

「あっ・・ははは」

「あ・・ふふ」

 

おかしくて、

二人で顔を見合わせて笑った。

 

俺はただ幸せだった。