東京都昭島市にある【鍼灸 絃宥堂(げんゆうどう)】のブログにお立ち寄りくださり有り難うございます。

 

『身心一如』 『心身一如』という言葉があります。

この意味は、肉体と精神は一体のもので、分けることができず、一つのものの両面であるということです。

言葉に表すと、簡潔に表現できますが、身体と心は、それはそれは深い関わりを保ちつつ、共倒れしないように、支え合い、助け合いながら存在しています。

 

鍼灸師として、患者さんの体を通して、身体と心の関わり方を診させて頂いている訳ですが、本当に精妙だなと感心させられます。

「身体」と「心」は、両面の関係、表裏の関係であるからこそ、「身体」は本当に素直で頑張り屋さんだな…としみじみ感じております。

というのも、心は、「暑い」、「寒い」、「楽しい」、「つらい」…などなど、心はひと時も休むことなく、常に何かを訴え続けてきます。

しかし、心のこのような働きは二次的なもので、まずは、身体そのものが何かを感じるからこそ、生じてくるものだと考えています。

したがって、いわゆる感覚器といわれる五官(目・耳・鼻・舌・皮膚)から得た情報をそのまま受け取るのではなく、身体が受けた情報を元に、これまで身につけてきた観念や価値観に沿って、心が物事をみているという現実があります。

故に、心に悪気はないのですが、身体が受けた情報を、事実を事実そのものでなく、良かれと判断して、脚色したり、歪曲したり、無かったことにしたりしている訳です。

それで、私たちが「幸せ」になれれば良いのですが、なかなかそうもいかないのが現実のようです。(苦笑)

心をどこに置くのか?

「幸せ」とは何とするのか?

すべては、私が決めていることなんですよね。

 

 

身体は、心が暴走しないように、真に、「身体を張って」現実世界と向き合ってくれています。

身体は常に頑張ってくれています!ただ、その頑張りが、道理に適っているのか、無理に無理を重ねていないか、自分の心に問い掛ける姿勢を持ち続けたいと思っています。それが、自分を大切に扱うこと、自分を慈しむことに繋がると考えています。

 

一日のうち、一瞬でも、穏やかな気持ちで、やさしい、やわらかい心持で過ごせるよう、身体の声に耳を傾ける時間を創ってみてはいかがでしょうか。

その一助になれば幸いです。

 

 

 

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