モスクワの沈没。

こんばんは。
ウクライナがNATO加盟を事実上諦めたことで
ロシア軍は首都キエフ周辺など北部で撤退を始め、
一歩進んだかと思われた停戦協議でしたが、
解放されたブチャでのロシア軍による民間人虐殺が明るみになり、
またロシア軍艦モスクワが地対艦ミサイルにより沈められた事により、
ロシア軍は報復として首都を始めとした各地でミサイル攻撃を再開しました。
またNATOの東方拡大を抑えるというロシアの狙いとは裏腹に
北欧のフィンランド、スウェーデンが新たにNATO加盟に意欲を見せ始めており、
ロシアは核兵器配備をチラつかせけん制しています。
またもや欧州情勢の雲行きが怪しくなってきました。

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日露戦争以来の沈没

Russian cruiser Moskva
沈没したモスクワ

沈没したモスクワはロシアがウクライナから奪ったクリミア半島の
セヴァストポリを母港とするロシア海軍黒海艦隊の旗艦です。
艦隊の旗艦が沈没するのは日露戦争の日本海海戦で
バルチック艦隊の旗艦クニャージ・スヴォーロフが沈んで以来の事です。

「モスクワ」と言えばロシアの首都の名前であり、
そもそもロシアがクリミア半島、およびウクライナを東側から離したくなかった所以も
黒海への出口が塞がれてしまうという地政学的な理由があります。
ロシアにとってモスクワを失った事は大きな衝撃でしょう。
このまま日露戦争と同じ歴史をたどって
革命でプーチン政権が倒されてウクライナから撤退したらよいのですが
バルチック艦隊のように壊滅したわけではなく、
旗艦がやられただけで黒海艦隊は健在です…

戦術核使用の可能性

ウクライナ東部でロシア軍が攻勢を強める中、
イギリスのジョンソン首相フォンデアライエンEU委員長などが
相次いでキエフを電撃訪問するなど、
西側はより積極的にウクライナ支援に動く一方で
中国は一貫してロシアへの態度を明確にしていない所があります。
当初はロシアへの批判を控えていたインドもブチャ虐殺を受けて批判に回りました。
情勢はロシアにとって不利に思えますが、情報戦の一面もあり、
メディアで報道される情報の果たして何割が事実なのか不透明な面はあるものの
最終兵器である核がある限りロシアが簡単に負けを認めないのも事実でしょう。

もちろん核兵器を使わせない方向に戦略を進めるべきですが、
最終的な判断はプーチンの手に委ねられており、こちら側に選択権はありません。
また核の脅しによってウクライナが安易な妥協を見せるべきでもありません。
ただし、このまま西側の軍事支援と経済制裁によって膠着状態が続いて、
ロシア軍がジリ貧になった場合に小規模な戦術核ならと実戦使用する可能性があります。
問題はそれをアメリカが許すのか否かです。
核使用はさすがにレッドラインを越えているとは思いますが、
かと言って小規模な侵攻なら黙認するかの様に発言したバイデン政権です。
ウクライナの肩を持ち、自国を危険にさらしてまで核報復、
もしくは軍事介入に踏み切る覚悟があるとも思えないのです。

有事に備える

アメリカがロシアの核使用を見逃すのであれば
ウクライナが降伏するのも時間の問題であり、同盟国の信用を一気に失う事になります。
一方でアメリカがウクライナ戦争に軍事介入すれば
すなわち世界大戦となり戦域がさらに拡大する可能性があります。
ロシアとアメリカの国境が接する極東地域はまさに新たな戦域となり、
北方領土を巡って日本も確実に巻き込まれていく事になります。

ロシアが北方領土を手放したくない理由も
クリミアと同様に太平洋の出口が塞がれてしまうからです。
北方領土を実効支配しているロシアの方から
追加的に北海道を取りに来る可能性は低いですが、
大方の見方を裏切っていきなりキエフを攻撃してきたロシアですから
有事に備える事に越した事はありません。
北極海航路に絡んで中国
北方領土問題にまで干渉してくることも想定しなければなりません。

どちらに転んだとしても自国の防衛力を強化するというのは
もはや西側諸国全体の既成路線であり、
同じ敗戦国で戦後平和路線を取り続けたドイツも再軍備に舵を切りました。
ロシアと国境を接する日本はドイツ以上の緊迫感を持つ必要があります。
9条改正を含む憲法改正に向けて
7月10日投開票と噂される参院選挙に挑まなければありません。

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