この本も、バスの中で一気読みした書籍になります。
生後間も無くの乳児が誘拐され、事件は未解決のまま、時が過ぎます。
その母親の前に現れた一人の少女「ヒカリ」。
彼女は、その乳児と同じ場所に黒子があった。
果たして、彼女はその誘拐された乳児なのか?
一方、重い病気を抱えたそのヒカリの母親は、ヒカリに母親として接していなかった。
ヒカリは、自分の出生を疑問視して、自分の生い立ちに謎を深める。
「自分は母親とも父親とも似ていないー」。
果たして、ヒカリが辿る運命とは?
そして、冒頭に殺害された乳児は、どこに遺棄されたのか?
ラストに迫る、どんでん返し。
・・・という内容でしたが、特段、どんでん返しには驚きはしませんでした。
それでも、母親の執念というか、自分が産んだ子供を思うと、とても切なくなります、
「ヒカリ」が辿った人生は決して楽なものではありませんでしたが、それでも、彼女がこれからの人生を送る時に、どうか、心安やに、と思わずにはいられません。
それにしても、ゲスなのは、ヒカリの育ての親の圭佑。
彼は、その妻の保険金をあてにしているだなんて。
ラストに救われたのは、果たして、産みの親の紗英だったのか?
それとも、命尽きようとしている育ての母親だったのか?
親子って一体、どういう絆なんだろう?って思わせてくれる一冊でした。
ただ、どんでん返しはちょっと弱いかなぁって感じました。
紗英が飼っていた犬のシロは、きちんと彼女に真実を知らせようとしていたんだなぁって思うと、切なくなります。
言葉を言えない犬だから、きっとなんとか真実を知らせようとしていたんですね。
ヒカリの髪の毛を拾って勝手に親子鑑定をしようとする紗英の心情を思うと、その必死さというか、子供を思う母親の情念のようなものを感じます。
読んでみて、損はない一冊だと思います。
ですので「ちょっとおすすめ本」のジャンルに入れさせていただきました