映画でも話題になった「死刑にいたる病」の原作ということで、借りて読んでみました。
鬱屈した大学生活を送る雅也の元に届いた一通の手紙。
そこには、連続殺人鬼の大和で「連続殺人の罪は認めるが、最後の一件だけは違う」という謎多きものだった。
興味を惹かれた雅也は、刑務所へ会いに行くことに。
そこで出会ったのは、美少年とも言える顔立ちの大和だった。
地域で人気のパン屋を営んでいた彼が何故、殺人を犯さなければいけなかったのか。
そして、最後の殺人を調べていくうちに、そこに介入している人々との接触でまた、雅也も変化していく。
果たして、最後の一件だけは彼の殺人ではないのか?
そして、残虐極まる彼の真実とは?
やがて明らかになる大和と雅也の母の過去。
そこには、残酷な記憶だけがあった。
・・・という内容でした。
途中まではだれないで読めました。
びっくりした部分もあって。
(これ以上はネタバレになるので、言えないのですが)
雅也の母の壮絶な過去も明らかになります。
大和がなぜ、残虐な事件(殺害した少年、少女に残虐な仕打ちをしたのか)がイマイチはっきりとは明確にはしていませんでした。
ただただ、最後の殺人の真実を追いかけるうちに、真実が明らかになる様を読者は見せつけられます。
映画「死刑にいたる病」の原作ですが、実はこの作品、過去に読んだものでした
まさか、過去に読んだものとは思わずに、借りて読んでしまっていた作品で。(途中で読んだことに気づきましたが、そのまま読み続けました)
殺人鬼を阿部サダヲさんが演じています。(実際には、雅也が刑務所で出会ったときに、美青年という設定なのですが、そこはそこで、多分、演技力で配役を選んだのかなぁ?という感じです)
雅也が調べていくうちに、大和に引力のように惹かれ、そして、調べることを止められなくなっていきます。
そこの文章の力量はさすがだなぁと感じる一冊でした。
ただ、私的にちょっと気になった部分(ここもネタバレになるので言えないのですが)があったので、点数的には80点とさせていただきます