指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

『明日に向かって撃て』から

2023年02月01日 | 演劇

先週、BSで『明日に向かって撃て』をやっていたので、久しぶりに見た。

                                                     

最初に見たのは、1971年7月で、有楽町の有楽シネマで、『俺たちに明日はない』との2本立てだった。

まさにアメリカン・ニューシネマ全盛時代だった。

有楽シネマは、駅近くにあり、邦画と洋画が月替わり等で上映される館だった。

私の周辺では、この2本の内、『俺たちに明日はない』の方が人気があったが、私は断然に『明日に向かって撃て』だった。

高校時代から、私は日活の蔵原惟繕が好きでその弟子筋の藤田敏八も大好きだったが、これの延長線上で『明日に向かって撃て』が良いと感じられたのだ。

映像的で、どこかユーモアを感じるからである。

そんなことを下川博と話している内に、劇を書いてみれば、となった。

『明日に向かって撃て』だけでは、短いので、その続編的な『ワイルド・バンチ』を足して、劇にしたのだ。

そこに役者が集まってきて、劇団異立社を作ったが、その過程で、劇の内容は下川によって大幅に変更されて、題名も『ギャングたちは荒野で』となった。

なんともすごい題名だが、これは下川博のテレ、羞恥心からだったとも思う。

実際には、六本木の自由劇場で公演して、周辺では好評だったが、一般にはまったく話題にならなかった。

その後も、2年間公演をやったが、結局だめで、下川博は、沖縄に行き、私は地方自治法や公務員法を勉強して横浜市役所の係長試験に受かった。

『明日に向かって撃て』を見なかったら、劇を書くことにはならなかっただろうと思う。

 

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