「まずは…乾杯。」傑。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.105.

ドキドキ 「まずは…乾杯。」
傑。

梨花、
「か~~んぱい。」

伸永、
「ど…、ども…。乾杯。」

そしてもうひとり。傑の隣に座っている女性。
武蔵原総合病院心臓外科病棟の看護師、村越鈴音(むらこしすずね)。
看護師になってまだ1年である。

「しっかし…、可愛らしい看護婦さんね~~。何々、看護師…成り立てって…???」
梨花。

「あっ。はい。」
鈴音、恥ずかし気に…、
「紆余曲折がありまして…。去年の10月から、武蔵原総合病院心臓外科病棟の看護師として…。」

「彼女は凄い。」
そして、少し面白がって、
「私も…長年、医師をやっているが、こういうタイプの看護師って初めてだ。」
傑。

そんな傑に、鈴音、
「せ~~んせっ。」

「かかかか。すまんすまん。」

伸永はそんな雰囲気には…少し微妙で…。

「どこかが抜けてるんだけど…。その抜けているところがまた可愛くってね。それでいて、とにかくまっすぐ。何事にも全力投球。いやいや。みんなの注目浴びているよ。」
鈴音に笑顔の傑。

梨花、
「へぇ~~~。うん。でも…分かる気がする。」

傑、
「まぁ…、今日は、鈴音君の看護師、丁度1年を祝して。そして、ノブ君のインスタンベル…、本格提携、おめでとう。を、祝してね~~。酒…、強くなったんじゃ…???ん~~???」

そんな傑に伸永、
「あ…。いえ…、そんな…。それほどでは…。」

鈴音、
「名前、聞いて、びっくり。おだ…のぶながさん…って…。戦国武将の…。」

梨花、にこやかに…。
「ふふん。」

傑、
「それだけじゃないぞぉ~~。父親の名前が…また凄い。」

梨花、
「また~~。余計な事~~。ふふ。」

鈴音、
「ええ…???お父さんの名前…、なんて言うんですか~~。聞きたい、聞きたい。」

傑、
「おだ…のぶひでだ。」

その途端に鈴音、
「うそ~~。凄~~い。織田信長の父親の名前~~。」

傑、その声に、
「ほぉ~~。知ってるね~~。」

そこにウェイターが、
「お待たせしました。」

傑、
「さて…、食べようか。」

鈴音、
「わぁ~~。おいしそ~~。いただきま~~す。」

梨花、
「ふふ。どうぞ~~。ほんと、凄い、あっかる~~い。ははは。」

伸永、頭の中は、奈都美と翔。そして優里亜の事が…。




帰りの車の中で傑、
「彼女、いい子だろ~~。」

梨花、
「うんうん。中々どうして~~。」

「年齢は…27。」

その声に梨花、
「えっ…???」

傑、
「あっ。それから…、ノブ君。いい知らせだ。」

伸永、
「えっ…???」

「整形外科からだけど…。菱川さん。ギプス…明日…取れる。今後、リハビリ開始になる。」

途端に伸永、体を起こして、
「ほんとですかっ。」

傑、
「あ~~。彼女、頑張ってるって。」

伸永、瞬間、体全体でガッツポーズ、
「オシ。や~~~った。うんうんうん。」

梨花、
「仕事の仲間の事になったら、今、凄いもんね~~。」

傑、
「へぇ~~。」

伸永、
「おにいさん。ありがとうございます。」

その瞬間、梨花も傑も、
「えっ…!!!」

伸永、体全体で、
「ヨシヨシヨシヨシ。ユッコさ~~ん。」

助手席、梨花、
「へぇ~~~。おに…い…さん。」

傑、
「ぷっ。」
そして、
「はははは。」





翌日、商品企画開発部では、その木綿子の話で持ち切り。

そして、木綿子のリハビリが開始となる。
奈都美と葉月、伸永、出掛けの時は、可能な限り、病院に出向いて、
木綿子のリハビリに声援を送っていた。


理学療法士、木綿子に、
「菱川さん、いい人たち、持ってますよね~~。」

木綿子、そんな理学療法士に、笑顔で、
「はい。ありがとうございます。私には大切な仲間ですから。頑張らないと。」

「えぇ…。頑張りましょう。」





そして、そんなある日、伸永、翔を休憩ブースに、
「翔さん。」

翔、
「どうしたの~~。いきなり~~。尾田ちゃ~~ん。」

伸永、
「どうしたの~~じゃ、ないですよ~~。僕、翔さんに…言いましたよね。七瀬さん、悲しませないでくださいって。」

その声に翔、
「あっ。ん…。ん~~…。」

伸永、大きな声で、形相を変えて、
「翔さんっ!!!」

その伸永の表情に翔、
「こ…、恐ぇ~~~。さすがに…、迫力…ある…。…強ぇ…訳だ…。」







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