病院の帰りにコンビニに寄っての理沙と和奏。
和奏、こまごまとしたものをカートに。理沙も必要なものを…。そしてレジに…。
その後、鴻上の部活に…。
そして練習中、弓狩の傍の机の上には、しっかりとチョコレートの箱が2つ。
己龍、
「おほ~~。監督~~。チョコもらってるよ~~。」
和真、
「かっかかか、ほんとだ。理沙さんと、おかあさんかな~~。」
ニッコリと。
己龍、ニッコリと、
「あしたは、バレンタインだもんな~~。」
その声に、和真、
「おまえは…、何個、もらう予定…???」
その声に己龍、
「は~あ…???…それ、和真先輩の口から言いますか~~???…この俺に~~???」
そして、翌日のお昼休み。2年C組の教室。廊下が何気にザワザワと。
ひとりの男子が、入り口で、
「お~~い将輝~~。」
動画を見ている将輝、
「ん~~???」
男子生徒、
「おまえにって。」
将輝、
「あん…???」
隣の馨と顔を見合わせて…。何やら廊下がザワザワと…。
将輝と馨、廊下に出て…。
男子生徒、
「この人が…。」
将輝、いきなり、
「えっ…???」
廊下にいる女子生徒も男子生徒も。そして教室の中からも将輝と馨を…。
将輝の目の前、柚花である。そして智花と和咲。
けれども将輝は、柚花以外の女子を知らない。
柚花、将輝の前に、可愛らしいデザインの紙袋を…。
その瞬間、女子生徒が、
「キャ~~。」
「ワ~~。」
すると男子も、
「オ~~。」
将輝、途端に柚花に、
「あ、あの…。」
柚花、将輝に、
「じゃね。うん。」
すぐさま後ろを振り向いて走り去る。
女子生徒、
「将輝君、え~~~っ!!!」
男子は、
「将輝、3年の女子からチョコ。わ~~お。」
馨、そんな将輝を見て、
「将輝、おま…。」
将輝、顔をグシャリとさせて、
「くぁ~~~。」
将輝と馨、席に就く。そんな将輝の前に女子生徒、
「将輝君、凄いじゃん。3年からバレンタイン。」
すると他の女子生徒も、
「うんうんうん。あの人たちって、結構、いつも一緒にいるよね。何と言っても黛智花。学年トップクラス。そして、3人共に、A組、3年の奇麗どころ。集まってるよね~~。さすがは、2Cのイケメン、菅田将輝~~。そんな3年女子からバレンタイン、チョコ~~。モッテる~~。ねね、将輝って、今、付き合っている女子とか、いるの…???」
その話に将輝、
「あん…???いる訳ねぇじゃん。」
馨、将輝を見て…。
すると女子、
「いる訳ねぇじゃんって…???…じゃ、なんでチョコ~~???」
将輝、
「ん~~???…さ…あ…???」
他の男子、中に割り込んで…、
「将輝に付き合ってる女子~~。」
右手をひらひらとさせながら、
「いない、いない。いる訳ないだろ、このバスケバカが~~。かかかかか。」
すると最初に話し掛けてきた女子生徒。
「確かに。バスケバカだもんね~~。まっ、でも、イケメンなんだから~~。とにかく、顔はいいよね。うん。けど…、中身は分かんないけど…。はははは。」
そんな女子に将輝、
「ヘィヘィ。バスケバカで悪ぅございました~~。」
将輝、2月14日。チョコケートの数、6個。
放課後、教室から部室に…。
馨、
「おま…。どうすんだよ、彼女…???」
そんな馨に将輝も、
「ん~~~。…めんどくせ~~。涼香さんも涼香さんで…。」
馨、途端に、
「えっ…???涼香さん…???」
「ふん。一度だけ、会ってくれって言われて…。…で、会ったら、今度は、向うから、付き合ってくれって言われて…。まっ、今、俺、付き合ってる子、いないから…って言うか、俺、お前にその事…、言ったじゃん。」
すると馨、目をキョロキョロと…。
「あっ。あ~~。…そうだった…。うん。」
けれども馨、
「…って言うか、将輝。おま、今、付き合ってる子、ちゃんと、いるじゃんかよ~~。」
その声に将輝、
「はっ…???…誰よ…???」
部室の前、馨、
「理沙さんだろうがよ~~。」
いきなりその名前に将輝、
「理沙~~~???…なんで俺が理沙を…。」
瞬間、馨、
「あっ、おま…、今、理沙さん、呼び捨てした~~。」
将輝、
「えっ…???…あっ…???…いや…。…てか…。知るかよ。」
ドアを開ける。部室にはまだ誰もいない。
馨、
「呼び捨てにしてるって事は~~。」
将輝、
「…んなもん、とっくに呼び捨てはしてる~~。それに、あいつも俺の事、将輝って呼び捨て、してるぅ~~。」
馨、顔を前に、
「うそ…。」
「うそじゃねぇよ~~。」
「マジで…。」
信じて…良かった。 vol.192. 2年C組の教室。廊下が何気にザワザワと。
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