「では、先生は、これから、仕事に復帰致しま~~す。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.104.

ドキドキ その表現に柚香、いきなり、
「キャハハハハハハ。…かかかか。病院の先生も、そういう事、するんだ~~。かかかか。面白~~い。」

松峰、ニコニコと、
「まね~~。こういう事もたまにはしないと、ストレス溜まりますんで。…さて。エレベーターでございます。」
松峰、車椅子のハンドルを持ち、エレベーターの中に後ろ向きに。

その時柚香、
「あ、ねね、先生。」

「ん~~~???」
「病院に、松田龍平がいる。」

「松田龍平…???…あの…、俳優の…???…おやおや。」

瞬間、柚香、
「ぷっ。…先生…、本当に相棒の杉下右京、好きだよね。今度は、おやおや。なんて…。」

松峰、思わず目をパチクリと…。
「えっ…???」
そして、顔を傾げて、
「ははは。これは、これは…。」

またまた柚香、
「ほ~~ら、また~~。これは、これは…って~~。」

すると松峰、今度は、
「はい…???」

柚香、可笑しがりながら松峰の腰の辺りを左手で押して、
「もぅ~~~。」

松峰、思わず、
「ごめん、ごめん。んんん。…で、はい。5階。へぇ~~。松田龍平…。松田優作の~~。」

瞬間、柚香、
「へっ…???…松田優作って…???」

その声に松峰、
「うん。松田龍平のおとうさん。」

「へぇ~~~。そこまでは…知らな~~い。」
「まっ。確かにね~~。柚香さん、生まれる前に、亡くなっちゃってるから…。伝説の俳優。…と、だけ、言っとこうか。」

柚香、
「ふ~~ん。そうなんだ~~。」

「因みに、松田龍平のおかあさんの名前は、松田美由紀ね。今も現役~~。凄いよ、マルチの仕事してるから…。しかも、奇麗な人でね~~。」

エレベーターは5階で止まる。

松峰、
「さてと。ご到着~~。」
エレベーターから廊下に車椅子を…。

松峰、
「もうすぐ、お昼ご飯。」

柚香、
「うん。…あ~~ん。何だか、物凄いお腹空いてきた~~。」

「はははは。…では、楽しみに待ってましょう~~。」
そして病室の前まで。
「では、先生は、これから、仕事に復帰致しま~~す。」

柚香、そんな医師に、ニッコリと、
「ありがとうございました~~。」




病室に戻った柚香、数冊の本をテーブルに。そして車椅子を動かして窓際に。
外の景色を見ながら、
「おぃ。スカイツリーよ。いつ出られる、ここ~~。大学、行きたいよ~~。…もぅ~~。…それに、友達も…、私が病院…、入院してるからって…、気を利かして連絡も来ないし…。来てくれるのはメグだけだし…。」



ナースステーションに顔を出した松峰。

彩芽、
「先生、電話連絡は済んでます。汀さん。おばあちゃんはこれからこっちへ…。もぅ、出てるはずですけど…。みなさん、ビックリしてました。」

その声に松峰、
「…で、しょうね~~。…私も今まで柚香さんに…。」

看護師たち、
「先生…。」

「うん。今まで一緒で、話しをしてたけど…。まず間違いない。柚香さんだ。記憶も今の状態のまま。」

看護師たち、笑みを浮かべて…。

けれども松峰、
「なん…だ…、けど~~~。問題は…これから…。」

瞬間、看護師たち、
「あっ。」

松峰、厳しい表情をして、
「万が一でも…。また…、陽織さんに…。と…、言うのが…。なんとも…。…有り得ない話では…。一度…、そういう状態になってしまったからには…。どこにも保証はないんでね~~。」

その声に落胆した表情の看護師たち。

けれども、そんな中で看護師主任の上平加寿美(かみだいらかずみ)が、いきなり両手を打って、
「はいはいはい。私たち看護師がそんな…落ち込んだ顔してたら、患者さん、どうするの~~。もっとシャキッとシャキッと~~。一番大変なのは患者さんなんだから~~~。ねぇ、先生~~。」
松峰に顔を…。

松峰、コクリと、
「正に。その通り。」

看護師たち、互いを見合わせながらも、
「はい。」

松峰、
「それから…。…これが一番、肝心なのですが~~。」

上平、
「先生…???」

「つまりは…。」
一度右手で顎を撫でて、
「柚香さん…自身が…。自分が…、陽織さんに変わってしまった事実を、知らない。…と、言う事。」

その一言で看護師たち。
「確かに~~~。」

上平、
「みなさん。そういう事も、踏まえた上で、しっかりと対応、お願いしますよ。」

看護師たち、
「はい。分かりました。」

看護師たち、また元の仕事に戻る。


松峰、上平に近づいて、
「主任。」

「あ。はい。」

「ひとつだけ。」
その声に上平、思わず、
「ぷっ。くくくく。」

その笑いに松峰、キョトンとして、
「どうされました…???」

その声にいきなり顔を上げて、右手を振って、
「いえいえいえいえ。」

「なんとも晴れやかな景色が…。」

その声に上平、
「晴れやかな…。」
そこまで言って、すぐさま、
「あぁ~~~ん。はいはい。」

松峰、
「へっ…???上平主任…???」

上平、松峰に、
「そんな…先生~~。看護師たちみんな、ナースステーションに戻って来ては、その話で持ち切り。」

松峰、目をパチクリと、
「へぇ~~~~。」







LIBRA~リブラ~   vol,014.   「では、先生は、これから、仕事に復帰致しま~~す。」

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