「ほうちゃん、朝ですよ~」
両手万歳で寝ている娘に大きな声をかけると
顔をくしゃくしゃにして起き上がった娘は
直ぐ様私のとなりにいたトト(夫)に
「がっこ」、と両手を上げ抱っこをせがんだ。
私がトトから抱っこを代わろうとすると
激しく抵抗泣きするほうちゃん
ショックだった
一歳半を過ぎた娘と共働きの夫婦の仕事始めの朝
「今日は会社遅れてくわ~」と、
ほうちゃんの気の済むまで抱っこを続けているトトに
「私、怖がられてるみたいだね」と言うと、
「起こし方の問題、俺はいつも大きな声出さないもん」、とトト。
翌朝、いつもの5分前に寝室に向かった私
まず、ほうちゃんの手のひらを撫でてみる
「…(反応なし)」
顔にふぅ~、と息をかけてみる
「…(まぶたがわずかに動いた)」
かけ布団をとる
ほうちゃん、うーんと伸びをして
目をこすりながら布団の上に割り座になった
そして「おは(よ~)」と声を出そうとする私を制し
ブンブン首を振って嫌々するほうちゃん
次に小声で「静かな(山小屋の朝ごはんは~)」
と歌いかけようとする私に
手をバタバタ、首をブンブン振って嫌々するほうちゃん
しばらく静かに、隣で見守ることにする。
下唇をぶぅ~とさせてうつむいていたほうちゃんだったが、
数分後、ほうちゃんの手が自分の足をタッピングし始めた
それに習って私も自分の足をタッピングぐしてみる
ほうちゃんの口元がゆるみ、にやっとなった
そして、ほうちゃんの顔があがり
私に向かって「がっこ(抱っこ)」と両手をあげた
ほうちゃんを抱きながら、ほっと胸をなでおろす
1日をほうちゃんと丁寧に始めることができた日
いつもより足どり軽く職場に向かう