最近、コロナニュース関連で、
「神は乗り越えられる試練しか与えない」
という言葉をよく聞きます。
たまたま、ドラマ「仁」の再放送をみていたところ、
南方先生や野風も、何度もこの言葉を口にしていました。

果たしてそうでしょうか?
治しようのない病気、脳腫瘍(膠芽腫)で母を失ったものとしては、
どうすればあの試練を乗り越えられたのかと思い返してしまいます。
 
発症から、治療を経てよい時期もありました。
楽しい時間もありました。
しかし、結局のところ脳腫瘍は再発し、試練の終わりは母の死。
乗り越えられていない。
 
看病する側の私も、肩を痛めたり、
精神的に落ち込みが激しく、
母の主治医と話せなくなったり(毎回悪い話を聞くのが辛すぎて)
病床の母に会いに行くことができないようにもなった。
乗り越えられていない。

世の中、乗り越えられない試練もあるのではないでしょうか?
闘病が辛くてたまらない方、
看病、介護が辛くてたまらない方に、
「乗り越えられない試練はない」なんて思わずに、
できることをやるしかない、
それでいい、
どうしようもないこともいっぱいあるよ、
と、そう伝えたいです。