悪夢。ジゴクの魔。 | 交差、てん

交差、てん

精神障害者手帳1級です。犬が大好きです。音楽、勉強、たまに絵を描いています。仕事は、動物関係です。アラフォー男性です。

テーマ:

人工プラスチックに塗られた膜。

口の中に押し込まれる。


僕は諦めなかった。


膜を飲んで、気を許せば気持ち良くなれる。

幻覚が見え始め、全てがハッピーになるんだろう。


でも、それじゃ現実が見えない。

みんな、今、何をされているのか解らないままだ。


悪い人が裏で機械を操作して人を騙してる。

現実は賑やかなパレード。

可愛いキャラクターのパネルが揺れる。

はしゃぐ子供たち。


その裏では、人を騙す事に快感を得るヒト。

お金を払った後も、まだ膜が効いているんだろう。

みんな楽しそうに帰っていくんだ。


_________________________


正気を保ちながら、彼らを止めていく。


そこで、無慈悲に出発したコースター。


行先は、バラバラの歯車。


あのコースターに君の両親が乗ってるよ





もう、手遅れだった。






絶望の中、僕は、罰として、溶解炉へ放り込まれた。


「あぁ、また、このままあのジゴクに行くんだ、でも…。今回は、話を聞いて欲しい」


ジゴクへ堕ち、いつもなら、僕が拷問や罰を受けたり、試練を乗り越えたりして
現世を目指すのですが、今は、それどころじゃあないんだ。


「僕は、たった今、両親を失いました。悲しく悔しいのです!」


「今、地上の人達が沢山の人を騙してる。許せない。いつもはここに堕ちたら、僕が拷問されるのでしょう。けど、今だけは!どうか力を貸して欲しいのです!」 


 そう叫んだ。


突然、身体が浮き上がり地上へ戻された。


地上の空の上へ。


地上から見下ろした。


あの悪い人たちは
奈落へ引きずり込まれて消えた。


彼らはどこへ裁かれ、捌かれるのか。


僕の悲痛の願いを、叫びを、

今回はジゴクの魔が味方をしてくれました。


あの場所は、僕が何度も拷問を受ける場所です。


親を殺された悲しみは、あまりに強く魔に届きました。