フランス語で「朝食」を意味する、「プティ・デジュネ(petit déjeuner)」という単語が表れたのは19世紀。それまでフランス人の食事は長い間、1日2食であったということ。
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まずは午前10時から12時の間に、現在では「昼食」を意味するデジュネ(déjeuner)を、1日の主要な食事であるデェネ(le dîner)としていただき、午後5時にスープを中心に構成された、「夕食」を意味するスーペ(souper)を食していたという次第。
- デジュネ(déjeuner)午前10時~12時
- スーペ(souper)午後5時
そんな1日2食の生活も、世紀を超えて「労働時間」を中心にした生活が浸透すると、ディネとして食された「デジュネ」は昼まで保留され、「スーペ」は消滅。
そして、この変化に伴い誕生したのが、労働の前にいただくプティ・デジュネ(petit déjeuner)。
しかし、当初は1日の一番初めにいただく食事を「コーヒーカップのデジュネ」という意味の「デジュネ・ア・ラ・タス(déjeuner à la tasse)」と呼び、これまで通り午前10時から12時までにいただく食事を「デジュネ・ディナトワール(déjeuner dinatoire)」と区別させ、国民を大変混乱させたという話。
- デジュネ・ア・ラ・タス(déjeuner à la tasse)朝一番の食事
- デジュネ・ディナトワール(déjeuner dinatoire)午前10時~12時の2番食
こういった過程を経て、現在の朝食(petit déjeuner)、昼食(déjeuner)、夕食(dîner)という1日3食の食生活が、確立されたということに。
- 朝食(petit déjeuner)仕事前の食事
- 昼食(déjeuner)正午~午後2時の食事
- 夕食(dîner)夜の食事
ちなみに、デジュネ(déjeuner)という単語は、「中断」を意味する接頭辞「デ(dé-)」と、「断食する」という意味の動詞「ジュネ(jeûner)」の組み合わせ。そこから、「夜間の断食状態を中断する、1日の初めに食べる食事」を意味するように。
- 1日の初めの食事(déjeuner)=中断(dé-)+断食する(jeûner)
- 1日の初めの食事(breakfast)=破る(to break)+断食(the fast)
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昔は1日に食事はデジュネとスーペしかなく、かなり質素だったわけですね。言葉の歴史、そして仕組みって、面白いですよね。
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