第六波襲来!オミクロン株について正しく理解しようと試みる。重症化が少ないから『ただの風邪』と侮るのは危険
報道等でご存じの通り、コロナ感染者が年明けから急増している。
昨年の11月30日に日本国内でコロナのオミクロン株の感染者が見つかって以来外国人の入国を原則禁止する等の水際対策を徹底していたが、沖縄の米軍基地の観戦防止に対する非協力的な姿勢もあり、感染爆発につながってしまった。(アメリカ軍基地は1週間前の金曜日になってようやく軍関係者の外出禁止を打ち出した)島のような場所でこういう感染拡大が起きると地域の医療体制は脆弱なことが多いので沖縄には大変な負担になっている。
結果的に沖縄県、山口県、広島県が現在「蔓延防止対策」を講じている。いずれもアメリカ軍基地がある地域である。
さて、報道を通じて入ってくるオミクロン株について情報は出てきているものの、今までの変異種と違う点が多いことは事実なので、ここはなるべく確かな情報源をもとに正しい理解をしたいと思う。特にネットには不確かな情報、フェイク情報、陰謀論の類まで氾濫しているので、その情報源が確かなものかどうかを確かめてまとめることが重要だと考える。
とにかく今わかっていること
1)感染力が非常に強い
報道もされているように過去経験したことのないペースで感染が拡大している
川崎医科大学教授の中野貴司教授はオミクロン株が感染力の強い理由について以下のように述べている
オミクロン株の感染力の強さはウイルスが細胞と結合するスパイク部分の変異に加え、潜伏期間に関係している可能性があると言います。
一部の情報で空気感染に変わったのでは、というのがあったがそういうことではないようである。従来通り不織布のマスクをし続け、いわゆる3密の場所には極力立ち入らないことが重要だろう。
2)オミクロン株は軽症で済むことが多い
さて、問題はこの項目だ。既にオミクロン株はただの風邪、とか軽症なのでたいしたことない、といった類の情報が独り歩きしている。しかしよく内容を精査するとことはそう単純ではないように思う。
■まずオミクロン株に感染した時の症状
発熱(72%)・咳(58%)・だるさ(50%)・のどの痛み(44%)などの風邪症状が中心(沖縄での報告から)
潜伏期間が短い可能性: アメリカの報告例によると潜伏期間の中央値は3日だという。通常の新型コロナが5日ほどと考えられているので、2日ほど早い
■症状が軽い傾向は確かにあるが
英国インペリアルカレッジロンドンからの報告では、「オミクロン感染者はデルタ感染者より、病院にかかるリスクが20〜25%、一晩以上入院するリスクは40〜45%低い」という結果だったという。またエディンバラ大学からは、11月1日から12月19日までの入院データを参考にオミクロンはデルタに比べて入院するリスクが3分の2低下していると発表され、デンマークからの報告でも、オミクロン感染者の0.6%が入院したのに対し、他の変異株の感染者の入院は1.6%であったという。
確かに重症化のリスクは今までのコロナの他の変異種と比べ低いようである。
しかし、ここからが大事なのだが
「オミクロン株は重症化しないから感染しても問題ない」と考えるのは危険
既にこの手の言質がネットでかなり拡散されているが、やはりこれは危険であり、決して鵜呑みにしないことが重要である。
またWHOは入院に至るリスクが下がっているにもかかわらず、感染者数が非常に多いことから、入院や重症化、死亡例は大きく増加している点に警鐘をならしている。「重症化リスクが低い」という言質が独り歩きするのは非常に危険であるといっていい。
またワクチン二回接種してもオミクロンに感染している実態が明らかになっている。
英国インペリアルカレッジロンドンの研究では、新型コロナウイルス感染歴のある人にとって、デルタ株での再感染よりもオミクロンでの再感染のほうが5.4倍起こりやすい(ワクチン未接種の場合6.36倍、ワクチン接種後では5.02倍)ことが示唆されている。
つまり結論からいうと「オミクロン株は他の株よりも再感染する可能性が高くなる」ということがいえよう
現在三回目のブースター接種が日本でも始まっているようだが、一定の効果はあるようだがそれでも万全とはいいがたい
やはり治療薬を医療現場に普及させることを優先すべきではないだろうか。
新型コロナウイルス感染症治療薬「モルヌピラビル」はオミクロンにも有効だという。ワクチンが万全でない以上、これを普及させることを優先すべきてはないだろうか?
投与対象は重症化リスクがある18歳以上の軽症~中等症患者。1日2回、5日間服用するという
あと自宅療養者でも服用しやすい飲み薬が日本でも使えるようになるという。製品名は「ラゲブリオ」
それにしてもコロナウイルス COVID-19は変異が激しい、僅か二年もしないうちに「アルファ」「ベータ」「ガンマ」「デルタ」「オミクロン」と5種類も変異している。この5種の比較を下に示す
今SNSでビルゲーツのコロナに関する予想が拡散されている。この予想通りになってほしいとは思ってはいるが断定するのは時期尚早だ。僅か二年以内に猛スピードで変異を繰り返すコロナの変異次第では真逆もありうる。
オミクロンが重症化リスクが今までと比べて低いのは確かなようなのでそう思いたくなる気持ちもわかるが油断は禁物である。
何よりも重症化が少ないから『ただの風邪』と侮るのは危険である。