カンボジアは一年で最大のお米の収穫時期です。

11月から1月にかけては全国で収穫が行われています。

カンボジアでは、年一作、二作、三作と地域により年間の作付け回数が違います。

品種は90日くらいから150日くらいまで多種多様です。それでも雨季の終わるこの時期には収穫期が集中します。

水がなく雨水頼りの地帯では次の作付けは9月か10月からですが、水がある地帯では、すぐに次の作付けが行われます。

記録では年に3.5回という記述も見られます。

栽培期間の短い米は比較的安価で取引され、栽培期間の長い品種ほど価格が高く美味しい傾向にあるようです。

農家は立地や気候に合った品種を作りたいと思っていますが、現実的には買い取り業者の有無が大きく影響されています。

国道や大きな町のそばには精米所や買い取り業者がいますが、主要道路から遠い地域や水田の少ない地帯には買い取り業者がなかなか来ません。買い取り業者が頼りの稲作農家です。

国内の精米業者(買い取り業者)が少ないことも大きな問題点です。

全生産量の50%を国内消費、15~20%が輸出、残りの30~35%は不明(=密輸出)となっています。

密輸出は違法ですが、そうしないと生産したお米は農家の収入にすることが出来ません。悲しい現実です。

国内の精米業者が少ないこと、近年の農業技術の発展にカンボジアの農家が対応しきれていないことなどにも課題があります。

高品質のお米の生産国であることは世界からも認められているのですから、生産の効率化や精米業者の育成が急がれます。

 

ジャングルの探検ではなく農家への道中です。

農家が迎えに来てくれました、ここを通らなければ5㎞以上の遠回りが必要です。それでも車では行けません。

ここは元水田ですが今は使っていません。耕耘機に乗ってしばしのドライブです。

さすがは元水田。快適なドライブをしていると、遠くに水が見えてきました。乾季にも水が引かなそうです。

ダムができてからは水位が上がり、雨季米の生産もできなくなったそうです。

田んぼに着くと家の周りに子供たちが集まっていました。親戚が集まって収穫作業しているそうです。

コンバインの利用が80%とも90%ともいわれますが、この地域ではほとんどの農家が手作業により収穫しています。
5~6人で10日ほどで収穫が終わるそうです。

病斑と不稔粒が見られます。収穫量はカンボジアの平均と比べて50%程度です。

農家によると、無肥料、無農薬で肥料分は収穫後に数十頭の牛の放牧地にして確保しているそうです。

稲は全長の半分ほどの所から刈るので刈った後には茎がたくさん残り、牛たちの乾季における貴重なエサになります。

下の写真は餅米です。細いなあと思ったら、ヒコバエでした。収穫後、切株をそのままにするとこんなに伸びるんですね。

帰りにはまた送ってもらいました。農家の足は耕耘機です。写真ではよくわかりませんが、豚がいたり、脱穀機が置いてあります。

使われていない田んぼでは水牛がのんびり草を食んでいます。そしてまた、ジャングルを抜けて戻りました。

 

国道の整備は進んでいます、電気は80%を超えて普及が進んでいるそうです。
トラクターやハーベスターが普及していますが、肝心の栽培技術はなかなか向上していません。

今までやってきたこと以外に栽培方法があることすら知らない農家がたくさんいる現実です。

カンボジアは生活費などが安いとはいえ資材や生活費は上がるばかりです。
一方で周辺国は機械化などで農業技術は日進月歩です。コスト競争でカンボジアはすでに隣国に大きく遅れを取っています。
この流れは世界的なものでもあり、カンボジアだけが取り残されることがないよう願うばかりです。

 

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