ボカシ肥料は日本では当たり前の堆肥ですが、カンボジアではごく一部で取り入れられているだけです。

本来は米糠主体で作るのですが、米糠が日本より少し安いくらいのカンボジアでは高級な肥料の材料です。

牛は全国の農家のほとんどが飼っているので、牛糞は豊富にあります。

がしかし!。

ショベルもトラクターもダンプも普及していません。

運ぶためにはスコップでリヤカーか耕耘機に積んで、堆肥場に運ぶしかありません。

一件の農家が数頭の牛を飼っているので、トン単位で牛糞を集めるのはなかなか難しいのが実情です。

 

国境近くの農家は乾季に牛糞を集め、乾燥して袋詰めします。100ℓ位の袋にぎゅうぎゅう詰めにして積み上げ、輸出業者に販売します。

もちろん自分の田んぼに入れる人もいますが、数頭の牛では田んぼに入れる量は知れています。

 

なので、今回はアヒルの糞を使いました。アヒルの卵はどこの店にでも売っています。ニワトリの卵と肩を並べて売られているのです。鶏糞やアヒルの糞は乾燥又は半乾燥の状態で肥料として売られているので、今回はアヒルの糞を使う事にしました。

今後は農場周辺の牛糞を使うことになります。

 

籾殻は大きな精米所からトラックで運んでもらい、同時に米糠も購入します。

作業場所の関係で一度に作れるのは仕上がりで500kg~700kgくらいです、なので完成したらすぐにまた次のボカシ堆肥作りを続けます。

ここで作るのは初めてなので、手探りで作業していく予定です。

ボカシ肥料は微生物の力を借りて作るので、土地、材料、気候、作業工程などで出来上がりに大きな差が出ます。

 

今回の作業工程をざっくりとお知らせします。

 

アヒルの糞、半乾燥で一袋60kgくらいです。

アヒルやニワトリは大きな施設で大量に飼育されているので、大抵は商品として販売されています。

籾殻はボカシ肥料の重要な材料です。水分調整や畑に入れた時に地中に細かな空間を作り、微生物の住処となったり水分調整の役割を果たします。籾殻は、C/N比(炭素率)が高いので、土中ではすぐに分解せず空気層や微生物の住処として活躍します。

米糠も精米所で購入します。1kgで20円以上するので、カンボジアではどんどん使うという訳には行きません。

しかしボカシ肥料の発酵の要ともいえる材料です。

アヒルの糞を広げます。今回は10袋くらいですが、量はあまり気にしません。

アヒルの糞の上に米糠を広げます。量はアヒルの糞の半分くらいですが、これも特に量にはこだわりません。

アヒルの糞と米糠をよく混ぜてから広げ、籾殻を広げます。籾殻を広げたら再びよく混ぜます。

3種類が良く混ざったら水を少しづつ加えます。一度に入れるとムラになりカビの元になるので根気強く混ぜます。

コンクリートを手で捏ねる時のようにと言いたいのですが、郷に入っては郷に従えという事で混ぜ方はお任せです。

しかしよく混ぜるという事だけは譲れないので、そこはじっくりと作業を見守ります。

手でにぎって崩れるか崩れないかのギリギリのところくらいになったら盛り上げます。

ムシロでもあればいいのですが、米糠の袋などをかけた上にビニールで密封します。

汗を書くのでカビは覚悟のうえです。嫌気性発酵は切り返しなどの製造工程が少ないのが特徴ですが、何より材料や添加する微生物などの必要がないのが特徴です。

費用をかけずに作った肥料の効果が、多くの農家に理解してもらえればいいのですが。それはこれからです。

 

乾季の作付けはこれからが本番。

水は確保できたので、人生初の灌水チューブとの格闘が始まります。
今年も残りわずか、と言ってもカンボジア人にとってのお正月は4月。普通の12月が過ぎている日々です。

 

 

 

 

 

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