かの友は常に時間を守らざり五時間待って我慢が切れた

 

 

時間<2>

 

もう一人、時間を守らない人がいた。

この人は仕事関係の人で、とても困った。

半日待たされたこともある。

 

まだ携帯の普及する前のこと。

Aさんと少し遠いお客を訪ねることになっていた。

私は車を出し、朝から待ち合わせ場所で待っていた。

一時間経っても二時間経っても彼女は来ない。

電話をしようにも辺りに公衆電話ボックスもない。

こんなに待たされることは想定していないので、

電話ボックスのあるところなど考えていなかった。

結局、五時間待たされた。

どんな言い訳を聞いても、

お客様に申し訳ないことがなくなるわけじゃない。

これまでも1〜2時間は待たされたことがあった。

けれども、今度は相手のあること。

私はAさんとの仕事は辞めた。

 

五分、十分はご愛敬。 

五時間はあるまじきこと。

時間泥棒にはなるまいと、

自らに言い聞かせる。

 

 

 

 

 

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