米ケース・シラー住宅価格、8月は前月比1.2%上昇 伸び鈍化

昨日は米国住宅関連統計では新築住宅販売とケースシラー住宅価格指数の発表があった。

新築販売はこれまでしばらく予想を下回る水準が続いてきたが、ここにきて予想を上回る伸びとなった。
ここもと報道を見ると金利が上昇する前に住宅を買おうという動きが増えているようで、これが直近販売を促進させているようにも見える。
金利が低い中で住宅を購入するのはインフレヘッジの効果があると考えて動いている人も相当程度いるように思う。
たださすがにサブプライムローンの時と比べて無茶苦茶な属性の人がむちゃくちゃなローンを組んで住宅を買っているという話ではないので、住宅市場が変な過熱の仕方をしているというわけではない。

【参考書籍】

サブプライムを売った男の告白―欲とペテンと無知!

ケースシラー住宅価格指数は前年比19.6%・前月比1.17%の価格上昇となった。
ニュース記事では伸び鈍化と表現されているが、この伸びが高原状態で何か月も続くケースがサブプライムローンバブルの時も見られているので、素直にこのまま放置していれば適正な伸び率に自然に収斂していくとは思えない。
現在米国の住宅価格は毎月1%近くの値上がりをしていることになるが、持続性云々は別として金融当局が価格の伸びを抑えるために動くべき水準であることは確かである。

日本でも東京区部中心に毎月1%近く住宅価格が上昇しているわけで、低金利下にあってしかも家賃上昇といった住宅購入を促進させるようなインフレ率上昇が起こっている米国ではさもありなんな状況だろう。

【過去参考記事】

レインズデータライブラリーから見る9月首都圏中古住宅市場動向

しかし現在の価格伸び率はあのサブプライムローンバブルを超える価格上昇率で、さすがにFRBとしてこれを放置するわけにはいかない水準にあり、雇用の改善が進んでいる中で住宅価格バブルを放置しながらの金融緩和の正当化が失われているため、やはりまだ金融引き締めが早まる可能性は十分にあるだろう。
この辺の米国景気の判断については下記過去参考記事を参照してもらいたい。

【過去参考記事】
投資の役に立つ統計から米国経済の状況を読み解く方法

現在個人的に想定しているFRB金融引き締めスケジュールは2022年9月に一回目、さらに12月にもう一回というスケジュールである。
三ヶ月に一回の利上げが何も外的ショックがなければ十分正当化されるので、短期債は時間が経てば経つほど金利上昇圧力にさらされることになると思われる。
 
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