純金箔による仏画「弥勒菩薩像」

 

厚さ数ミクロンという極めて薄い金箔は透けて見えるほどです。

 

事実、箔貼りのときに陽当たりのよいところで眺めると、きれいなグリーンにような輝きが浮かびあがるのです。

 

この写真はA4号に額装した仏画です。

 

弥勒菩薩の半跏思惟惟像は数ある仏像形式の中でも魅力あるものとされています。

 

腰かけて足を組み、折り曲げた右の膝頭に上に右ひじをついて、指を軽く頬にあてた姿は本当に魅惑そのものですね。

 

日本では飛鳥時代から奈良時代にかけて、弥勒菩薩の半跏思惟像が多く残されています。

 

純金箔でこのデザインを制作するときは、まずその絵柄を写して反転させるのです。

 

なぜなら金箔をガラスに貼るときには裏側から貼っていくからなのです。

 

裏側から金箔を貼り、金泥で気密ある裏止めをすることによって、永久不変ともいえる.作品ができるのです。