この日は「STUD!O」にてディナー。この店のヘッドシェフChristoffer Sørensen氏は、今年のミシュランで「Young Chef Award」を受賞した。前から行きたいと思っていた店だが、年内で「STUD!O」は営業終了をするとのことなので(場所を移転し、店名なども変わるっぽい)、その前に行っておこうと思った次第。
場所はニューハウンのすぐそばで、運河沿いという良立地。この日は夜でなおかつ生憎の雨だったので堪能できなかったが、昼間の天気の良い日だったら良い景色を眺めながら食事を楽しめるのであろう。
料理は13皿の「The long menu」の他に、水木限定の「The short menu」(8皿)がある。この日は「The short menu」でお願いした。
アミューズ4種。ミニタコスは、薄く繊細な皮の中に帆立?か何かの刺身が入っている。甘海老?のディル風味。黄色いものをまぶした餃子みたいなものは、大根?蕪?のピクルスみたいな衣でさっぱり。後は、トリュフをまぶした蒲鉾風の団子。
ワインは、トリンバックのグランクリュかで迷ったが、このシャンパーニュをボトルで :
泡 : Pierre Peters, Cuvee de Reserve Blanc de Blancs, NV (Champagne, France)
パーカー5つ星の造り手で、ブラピとのコラボのロゼシャンパーニュの造り手としても知られる、ピエール・ペテルス。色の濃さは中程度で、泡は見えないぐらい細かく控え目。ミカンなど柑橘の香り。穏やかで、ブラン・ド・ブランらしく繊細な果実味。旨味あふれる味わいで、ミネラル感も感じられる。MyPoint=89pt
サワードウと、バター2種。一つはリーキを、もう一つは菊芋を練り込んだもの。パンは、外側はカリッカリで中はもっちり。バターは、普通のものと違ってそれぞれリーキ、菊芋の風味が感じられ、抜群にウマい。このバター単体で買って帰りたいと思うほど。
オイスター、緑の野菜に、ディルオイルをキャビアの形にしたものをトッピングした一皿。クリーミーな温かいソースがかけられ、牡蠣がほんのり温かくなり、牡蠣のねっとりした旨味が増幅されている。ソースの軽い酸味がアクセント。
イカ、鶏と昆布の出汁を浸した一品。イカは、ゴムっぽさは全くなく、こんなに柔らかいイカは初めてかも。出汁も旨味は十分ながらも、あくまでイカの味を引き立てる程度の、ちょうど良い濃度。キュウリのピクルスが入って、そのシャキシャキした食感が味にメリハリを与えている。
砂肝?の炭焼きに、鳩か何かのコンフィ。炭火で焼かれた香ばしさが食欲をそそる。砂肝はほんのり甘いタレが美味。コンフィは外側がサクサクで繊細な食感。
鴨とプラム。付け合わせに、酸味の効いたプラムで、中にレバームースが詰められている。鴨は脂控えめで、肉は固めだが、ふんだんな旨味。プラムは梅干しのような風味で、思ったより鴨に合う。梅干しを使っても試してみるのも良いかもしれないと思った。
締めのシーバックソーンのデザート。フローラルな香りに、シーバックソーンの軽やかな酸味が合わさり、甘さも控えめで、良い意味で軽やかなデザート。
ここは期待以上だった。イマイチな皿は一つもなく、どの皿もそれぞれの要素がちゃんと意味を持って使われているのが分かり、「センスの良さ」を感じる。下手な星付きレストランよりも良かったぐらい。移転先の店にもぜひ行ってみたいと思える。ボリューム的には、「The short menu」でも十分だった。
料理 : 4.5
ワイン : 3.5
雰囲気 : 3.5
サービス : 3.5
コストパフォーマンス : 3.5
また行きたい度 : 4.5