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現役ドライバーによる花道を行くアストンマーティンのベッテル。学生の時の卒業式を思い出します。2007年のBMWザウバーからのスポット参戦から始まったベッテルのF1ドライバー人生はこの300戦目(決勝走行は298戦)をもって卒業を迎えます。昨年の友人ライコネンの時とは打って変わって、ドライバーからこのようなセレモニーを受けるのはベッテルの人柄があってのこと。
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F1で53勝、57回のポールポジションを重ね、4回のドライバーズチャンピオン獲得と歴代のドライバーでもかなり上位に位置する戦績での勇退で表情もどこか満足げ。ベッテルの居ないF1を久しくみていませんから来シーズンは違和感を覚えそうですね。最近はいい走りをみせていますので、是非ラストレースも笑顔で終えてほしいです。

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今シーズン最後のスタートタイヤ確認です。上位から中団、そして最後尾に渡る多くがミディアムタイヤを選び、後方に沈んだいぶし銀マグヌッセンとボッタスがハードタイヤ、そして17番スタートのガスリーただ一人がソフトタイヤをチョイス。どうしても最近のガスリーはやけっぱちに見えてしまうのですが、大丈夫か?!

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アブダビGPのスタートらしく、スタートは各車お利口さん。昨年シンプルに高速化改良された鋭角のターン5で3番手ルクレールがペレスをインから捕まえにかかるも、順位変動は無し。
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今シーズン未勝利で最終戦を迎えたハミルトンは喉から手が出るほど優勝が欲しい。ターン6でサインツをアウトから狙う。
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行き場を失ったハミルトン跳ねる。今年の優勝は我慢してねとでも言われているかのよう。キング、今年は我慢しましょ(笑)
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2周目終わりの順位変動はこうなっています。後方で多少の入れ替わりはあるものの、抜いても抜かれるヤスマリは改良を経ても基本はおとなし目。おお、またストロールは-2、金髪アルボンは-3。ハードタイヤを履いた2人は致し方無いにしても、ソフトのガスリーはアルボンに負けちゃまずいだろ。。

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先程行き場を無くしつつ跳ね上げショートカットで順位を維持したキングはズルということで、サインツに一度順位を戻しつつ
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正式にかわしてNo Further Action。でも、今年はそのまま我慢ね(笑)
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行ったり来たり。
逆にマシン損傷を疑うハミルトンは9周目にラッセルに5位を奪われています。
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11周目での順位変動もあまりみられません。元気なアルボンに対して-4に陥れられるシューマッハ。ラティフィは早くも定位置に戻っています。2人とも来シーズン乗れないのがどこか惜しいのですが、こうしてみると致し方無さも感じつつ。

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上位は16周目に2位走行のペレスが早くもハードタイヤに履き替え。18周目に暫定3位浮上のサインツ、19周目にハミルトン、21周目にトップのフェルスタッペンがハードにスイッチ。ここからノンストップでチェッカーフラッグを目指すのでしょうか。
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暫定トップに躍り出たルクレールは22周目と上位では最も引っ張ってピットレーンに戻れば本線にはレッドブル2台が見えます。この時点で見えているということは、ペレスに対するオーバーカットには至らなかったということ。
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ルクレールはギリギリでサインツの前で戻り、事無きを得ます。これで上位でタイヤ交換をしていないのはベッテルくらいになりました。使い込んだミディアムでまだ頑張っちゃう?!
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ベッテルは26周目まで引っ張り、戻ったのは既にタイヤ交換を済ませている最後尾ラティフィの前。これじゃタイヤ交換を引っ張らされて、下位にアンダーカットを食らいにいったようなモノじゃないか。前方がノンストップなら単に地獄のラストランだぞ。
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そんなベッテルのラストランを温かく見守るとしたアルピーヌのアロンソも他人事ではなく、自身の車がまたもやトラブルによりレース半ばにしてマシンを降りる。ベッテルがアストンマーティンから降りるなら、アロンソはアルピーヌを降りアストンマーティンに乗る。アロンソもハミルトン同様にこんなマシンと早くおさらばしたかったろうに。

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33周目にフェラーリのピットがざわつく。やはり1回ピットストップではなく、2回目があったか。なんて思わせておいて
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抜けがけは許さぬと2位のペレスが入り、ルクレールはステイ。フェラーリがカマかけたか。この賭けは成功するのか?!レッドブルやメルセデスだとしてやったり感がありますが、フェラーリですからねぇ、この時点ではやっちまった感が拭ません。ペレスはハードタイヤでファステストラップを更新していく。

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39周目にシューマッハとラティフィが「仮ラストランバトル」を繰り広げていますが、、
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シューマッハがチョン当てシンクロスピン。ラティフィは今シーズンも最終戦でウォールにぶつかってしまいます。赤旗やセーフティカーこそ免れましたが、この2人はベッテルと異なりシート喪失によるラストランです。先程の繰り返し、ラティフィはもちろんのことシューマッハも「F1規格」ではないのかもしれないなと思わせる瞬間でした。

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2度目のピットを「強制的」に行い順位を下げたペレスですが、ランキング2位をもぎ取るべくハミルトンとやり合っていたのは印象的でした。
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何せ昨年はペレスのせい(好走)で構想が崩れたわけですから、1年越しの仕返しとばかり
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ただやっぱり今シーズンのマシンは明らかにレッドブルが上。かつペレスのタイヤは元気。構ってはいられない。

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残り10周。こちらは1回ピットを強いられたベッテルはチームメイトのストロールに10位入賞を奪われる。まあストロールも空気を読めないというか、、(笑)ストロールは来シーズンも現役が続きますし、F1はエンターテイメントでもありスポーツでもありますから、変に忖度されるよりは正しいか。

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ペレスは必死!毎周ルクレールとのギャップを縮めるも、チャンスは徐々に無くなっていく。
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確かに削ってはいるけど、届くかなぁ。今回の味方は遠く彼方にいるから自力でやり切らなければなりません。

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残り3周。ハミルトンのマシンのギヤが言うこと聞かなくなり、サインツに捕まる。今シーズンはとことんツイていませんね。あまり繰り返し言うのは可哀想だけど、こんな年も経験しておいた方がいいし、早くこのマシンとお別れしたいよね。
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後方をほぼ相手すること無く、優勝はこの方。2022年は付け入る隙無くまさにフェルスタッペンの年でした。さて問題の2位は?!アブダビGPの2位は年間の2位。

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《決勝結果》
 1 フェルスタッペン(レッドブル・RBH)
 2 ルクレール   (フェラーリ・F)
 3 ペレス     (レッドブル・RBH)

ペレスはルクレールに届かず、2位争いについては1回ストップより2回ストップが損した、という結果でした。しかし中団のベッテルは1回ストップでだいぶ順位を落としましたので、どちらが得が損かはそもそものレースペース、復帰した時の位置やギャップ、履いたタイヤとの相性など、色々な要素が絡んできそうですね。追い抜きが困難なヤス・マリーナはレイアウト変更があってもポジション重視の方がいいのかもしれません。
アルファタウリの角田くんは完走はしたものの入賞まであと一歩の11位フィニッシュ。今回がラストのベッテルはハミルトンの離脱もあってギリギリ10位入賞、マクラーレンのリカルドはベッテルの一つ前の9位入賞。そしてぶつけた方のシューマッハはマグヌッセンには勝るも16位、ぶつけられたラティフィは結局マシンを傷めてリタイヤに終わっています。

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《ファステストラップとそのタイミング》
 ノリス  (マクラーレン・M)1分28秒391
 44周目/58周
《ドライバー・オブ・ザ・デイ》
 ベッテル (アストンマーティン・M)
《完走(扱い)台数と規定周回走破台数》
 完走台数:17台(17台フィニッシュ)
 規定周回:11台

《miyabikunの選ぶドライバー・オブ・ザ・デイ》
 ルクレール (フェラーリ・F)

そりゃ本家のように最後まで腐り切ること無く走ったベッテルを誉め讃えたいところ。ただ今回の入賞はピット戦略に泣いた部分もありますが、おこぼれの入賞。トップのフェルスタッペンは余裕しゃくしゃくレースで観る機会がほとんど無かったため、miyabikunはやっぱり2位争いを制したルクレールを最後は誉めたいと思います。
自身の獲り損ねやミスはあったものの、言うまでもなくチームから与えられた戦略で失意と怒りの両方を持った悔しいシーズンだったと思います。ヨーロッパラウンドに入る前はこんなに圧倒的に早期にチャンピオンの権利を失うと誰も想像できなかったはずです。今回のピット戦略も一歩間違えばペレスに捕らえられていたわけで、何とか意地で獲得した2位だったと思います。この一年は非常に濃密かついい経験ができたことでしょう。これを重ねることでルクレールはさらに強くなり、近い将来はフェルスタッペンと対等にやり合える最有力にいることを願いたいです。

《miyabikunの選ぶ「ザ・ワースト」》
 該当無し

今回は最終戦だし、気持ちよく無しでいきましょうか!FullSizeRender
、、でもシューマッハはちょっとガッカリだな。。特にお父さんのファンというわけでも無かったし、むしろ憎たらしいほど強い時代をよく知っているけど、その重圧や期待と戦ってきたのは他でもないミック本人なんですよね。まだ若いですし、最近のF1は「出戻り」も大いにあり得る時代になりました。リカルドやラティフィも含め、ミックにも近い将来またF1、もしくは他カテゴリーでも強く楽しくレースし続けることを願いたいですね。
いい方も悪い方も、今やドライバーは全員がmiyabikunの歳下世代になりました。親心、は言い過ぎだけど、兄心みたいな感覚で各ドライバーの将来の大成を願います。

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《ドライバーズポイントランキング》
   1 → フェルスタッペン 454pts ★
   2 → ルクレール    308pts(-146pts)
   3 → ペレス      305pts    (-3pts)
   4 → ラッセル     275pts  (-30pts)
   5  ↑  サインツ     246pts (-29pts)
   6  ↓  ハミルトン    240pts   (-6pts)
   7 → ノリス      122pts(-118pts)
   8 → オコン        92pts  (-30pts)
   9 → アロンソ       81pts  (-11pts)
 10 → ボッタス       49pts  (-32pts)
 11  ↑  リカルド       37pts    (-1pt)
 12  ↓  ベッテル       37pts     (0pts)
 13 → マグヌッセン     25pts  (-12pts)
 14 → ガスリー       23pts    (-2pts)
 15 → ストロール      18pts    (-5pts)
 16 → シューマッハ     12pts    (-6pts)
 17 → 角田裕毅       12pts     (0pts)
 18 → 周冠宇          6pts    (-6pts)
 19 → アルボン         4pts    (-2pts)
 20 → ラティフィ        2pts    (-2pts)
      デ・フリース      2pts
      ヒュルケンベルグ    0pts

《コンストラクターズポイントランキング》
   1 → レッドブル      759pts ★
   2 → フェラーリ      554pts(-205pts)
   3 → メルセデス      515pts  (-39pts)
   4 → アルピーヌ      173pts(-342pts)
   5 → マクラーレン     159pts  (-14pts)
   6 → アルファロメオ   55pts(-104pts)
   7 → アストンマーティン 55pts     (0pts)
   8 → ハース       37pts  (-18pts)
   9 → アルファタウリ   35pts    (-2pts)
 10 → ウィリアムズ      8pts  (-27pts)

各ポイントランキングはこうなりました。今回で集結ですので、各グループの垣根は取り払い、一様に続けています。それにしてもフェルスタッペンとレッドブルの抜け出方はえげつない。フェルスタッペンとレッドブルの強さはもちろんのこと、フェラーリやメルセデスなど「ライバルが勝たせ過ぎた」ことにもよります。やはり一強じゃ面白くない。昨シーズンのような僅差とは言わないけど、ペレスとルクレール、アルピーヌとマクラーレンにあったような一進一退のバトルを一人でも多く、一つでも多いチームで繰り広げてくれた方が、様々な視点から楽しめるチャンピオンシップになります。

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《最終戦アブダビGPのポイント》
・1回ストップと2回ストップ、どちらが賢明か
・フェルスタッペン独走はシーズンの縮図のよう
・キング初の未勝利シーズン
・関係各位、そしてファンの皆さんお疲れ様でした

2022年のF1を皆さんどうご覧になり、感じましたでしょうか。フェルスタッペンの文句の付けようの無い圧倒的な二連覇、初ポールや初優勝も無事に生まれました。F1はこれから新たなドライバーと新しいマシンを迎えるためのしばしの休息に入ります。今年の12月は毎年恒例のシーズンまとめをゆっくりやっていこうと思います。なかなかタイムリーな観戦記のアップができず、お恥ずかしい限りですが、無い知恵絞って一戦一戦丁寧に観て書いてきたつもりです。最終戦までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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