ブルーノート東京で行われたorange pekoeのライブを聴いてきました。
ブラジルの国民的歌手エリス・レジーナに捧げるアルバム『Tribute to Elis Regina』のリリース10周年を祝福する公演として開催されました。

デビュー当初から好きなアーティストで、以来ずっと聴いてきました。これまでライブに行く機会がなかったのですが、今回初めてステージでの歌を直接聴くことができました。

ブラジル音楽からの影響を受けているorange pekoeの楽曲は、陽気でラテンっぽいムードをきれいな旋律に乗せて表現していて、曲を聴くたびにいつも気分がときめいてくるのを感じます。

ギターのみのアコースティック編成ということで、ヴォ―カルの微細な変化を楽しめました。どんなふうに息継ぎするのか、意図してそうした歌い方をしているのか、自然とそうなったのかなどと想像したり感じたりしながら聴いていました。これはビッグバンドや大ホールでの公演ではなかなか味わえないアコースティックならではのものですね。ギターの温かく柔らかい音色に乗ったヴォーカルの心地よさを思う存分堪能しました。

私のお気に入りの曲「やわらかな夜」「太陽のかけら」「Selene」も披露され、感動もひとしおでした。ゆったりと歌い上げられた「Selene」では声の魅力を十分に感じることができて本当に良かったです。

トークのなかでは、今のような環境が続いている間、これまではなかなか積極的に表現しづらかったところもあったが、今は次第に「行こうぜ!」という気分になりつつあるという自身の気持ちの変化を話されていました。

アンコールでは会場を巻き込んだ手拍子によるセッションが行われました。

リズムの頭で手拍子する側と裏で手拍子を打つ側とで会場を二手に分けて、ステージからの合図に合わせてそれぞれ手を叩いたり止めたり、大きく叩いたり小さく叩いたりするのを繰り返します。

ギターの音だけでリズムをとりながら手を叩きます。テンポも速く、いきなり合わせるのはなかなか難しそうですが、これがいい感じで手拍子が合っているのです。皆さん素晴らしいリズム感です。私はついていくのがやっとでしたが。

大きい会場ではないので手拍子が揃っていることがはっきりと聞き取れて、なかなか感動的な場面でした。最後は双方の手拍子が組み合わされたリズムが最大限の音となって会場全体に響き渡りました。盛り上がりが最高潮に達するなかで公演は幕を閉じました。

これぞブラジルっぽい締めくくり、といえる圧巻のパフォーマンスでした。