京畿道の新しい路線バスの形!安全・親切で快適なバスへ!京畿道公共バスの制度を徹底解説! | 世界バス轉運站 -アジアの交通総合ブログ-

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今回は韓国、京畿道で運行が始まった新しい路線バスの仕組みについて徹底解説していきます。

 

 

  京畿道の新しい路線バス制度!「京畿道公共バス」

 

 

ソウル市内を取り囲むように位置し、ソウルのベッドタウンとして発展を続けている韓国・京畿道。この京畿道で2020年3月1日より、新しい仕組みを取り入れた「京畿道公共バス」の運行がスタートしました。

主に京畿道とソウル首都圏などを結んでいる直行座席バス路線、幹線急行バス路線を切り替える形でこの制度を採用し、従来とは異なる全く新しい準公営制の形での運用を始めました。

 

↑京畿道公共バスの広報ビデオ(YouTubeより)↑

 

京畿道公共バスのキャッチフレーズは「世界になかったサービスの始まり、京畿道型準公営制 -公共交通機関が自家用車よりも便利な京畿道を作ります-」というとても力の入ったものになっており、この制度に対する京畿道の意気込みが感じられます。

この制度では運行を行うバス事業者にも努力が求められる代わりにその努力に応じて支給する運行費用に上乗せを支給したり、乗客に対する接客や運転スキルを向上させる教育を実施した専属運転手が乗務するなど、自治体、バス事業者、乗客それぞれにメリットがある制度となっています。

今回はこの京畿道公共バスの制度について徹底解説をしていき、特に乗客の視点から見てのメリットを中心に取り上げていこうと思います。

 

 

まず京畿道公共バスの路線や免許の概要について紹介します。

京畿道公共バスは2022年12月現在、主にこれまで京畿道とソウル市内などを結んでいた「直行座席バス」や「幹線急行バス(路線番号冒頭にGがつく路線)」の免許を切り替える形で運行されていますが、これに加えて新たな3つの項目に分けた新規路線の開設も実施しています。

以下に路線新設に係る3つの項目について紹介します。

 

・非収益路線の返却

従来民営等で運行されていた路線のうち、深刻な赤字を計上していた路線を京畿道へ返却して運行する事業者を公募する入札を行い、京畿道公共バスとしての運行開始時には準公営制を採用して安定的な運行が行えるよう京畿道が適切な支援を行う。

 

・過疎地域への配慮

人口の少ない地域やこれまで直行座席バスの運行がなかった地方の都市へ新たに路線を開設することで各地域の移動の便宜を図る。現状主に京畿道外郭地域~ソウル市中心部路線が主体で、比較的距離の長い路線が多い。

 

・宅地区開発便宜

出退勤、通学等で直行座席バス路線を必要としている宅地地域への路線の新設。坂道などが多く徒歩移動が不便な地域を中心に路線を新設するほか、民営制で運行されている路線の補完の役割を果たすために路線を開設することもある。

 

路線の運行形態は従来の直行座席バスや幹線急行バスと変更はなく、転換時に路線番号等が変わることも基本的にありません。

基本料金についても交通ICカード2800W、現金2900W、加えて一定距離を経過した場合は経過分の距離運賃を追加収受するという形で、直行座席バスに準じた料金体型を採用しています。

 

非収益路線の返却の項目でも少し触れましたが、京畿道公共バスを運行するバス事業者は京畿道が公募する入札によって決定されます。入札後は永久に路線免許を受け取れるわけではなく、5年間の期限を設けた限定的な直行座席バス路線免許もしくは幹線急行バス路線免許を事業者に発行します。

各路線免許は5年間有効となり、経過後は実績に応じて4年間の延長が可能です。同一の事業者がひとつの路線免許で路線を運行できるのは最大9年までで、9年が経過した後は再び入札が行われ、新たに運行する事業者を公募します(それまで運行していた事業者が入札に参加することも可能)。

バス事業者はこの限定的な路線免許で京畿道の各自治体から委託された形で路線運営のみを行い、路線収入は一度京畿道が回収、黒字路線の収益は赤字路線の保全のために使用し、さらに赤字路線については京畿道と各自治体が予算を組んで必要な支援を行います。これにより、バス事業者は黒字路線、赤字路線のどちらを運行しても安定した路線運営が可能です。

また、一部の路線については国土交通部の大都市圏広域交通委員会が運行に関与し支援を行っているため、京畿道や各市以外に国の支援を受けている路線も存在します。主に宅地区開発の便宜に当たる路線を中心に大都市圏広域交通委員会が支援を行っています。

 

 

京畿道公共バスの運行に際しては事業者側にも様々な条件を求め、それに応じた車両等を用意して運行しています。

まずバス車両はCNG(天然ガス)車両や電気バス車両を中心とした環境に配慮した車両での運行を求め、韓国内メーカーの車両の場合は導入する車種が定められています。韓国外のメーカーの車両(ボルボ製2階建てバスなど)を採用する場合は京畿道交通公社と事前協議をした上で導入しなければなりません。

 

 

座席数についても規定があり、平屋型のバスは1台に最低40席、但し、中扉付きの場合は最低38席以上が必要です。

二階建てバスについては最低71席以上(中扉付きの場合)となっています。

平屋型のバスについては車体全長が11.6m以上の車両が必要で、座席間の間隔は80cm以上確保しなければなりません。

さらに車内設備として、USB充電ポート、フリーWiFi、空気清浄機を設置することも求められています。

 

 

車外への掲示については、バス前面にLEDタイプの案内表示器、立席不可の路線の場合は空席表示器を設置しなければなりません。また、車体へ掲示する路線番号、経由地の案内表示は規定の書体を使用しなければなりません。

LEDタイプの案内表示器には英語表示が出るものもあり、外国人観光客などの利用にも配慮されています。

 

 

また、京畿道公共バスに使用するバスの車体には自治体の広報などを除き、車体広告を掲示することが一切禁止されています。

車体のカラーリングは直行座席バスの赤と白をベースとしたものを中心に、車体後部には青と緑のラインが入った京畿道公共バスであることを示す独自のカラーを採用していますが、これは強制されたものではなく、二階建てバスや一部の事業者、予備車などでは車体後部の公共バスのカラーリングを採用していない場合があります。

 

さらに車両面以外にも様々な規定があります。

特に注目すべき点としては運転手の接客に対する面で、京畿道公共バスに乗務する運転手は特別な親切サービス教育を受けた親切運転技士認証制を採用しており、乗客の乗降時に挨拶を行うことや接客時には常に親切に応対することが求められています。

運転についても速度制限の厳守はもちろん、より丁寧な運転を行うことが求められ、これによって不親切接客や高速、乱暴な運転といった問題が京畿道公共バスではほとんどなくなりました。

韓国ではバスの不親切な接客や乱暴運転が社会問題ともなっていましたので、この点は成果を上げていると言えます。

また、親切な接客や運転を継続することで事業者には運行費用の上乗せを受けることができるだけでなく、特に優秀な運転手には給料への特別な上乗せや京畿道知事からの表彰を受けることもあります。事業者、運転手側にもメリットがある制度になっています。

 

 

 

  京畿道公共バスに乗って各地へ小旅行に出かけよう!

少し制度に関する難しい内容にも触れましたが、京畿道公共バスは利用者にも安全、安心してバスを利用できる制度となっており、韓国へ訪れた際、ソウルから地方都市などへ旅行する際にはより安心してバスを利用できるようになりました。

以下に観光に便利な京畿道公共バスの路線を少し紹介しますので、各地へ旅行の際はぜひ利用してみてください。

 

・ソウル~水原方面路線

7770番 舎堂駅~水原駅(水原華城経由)

7001番 舎堂駅~水原バスターミナル

3007番 江南駅~水原バスターミナル

8800番 ソウル駅~水原バスターミナル

1007番 蚕室広域乗換センター~水原大学(水原華城経由)

 

・ソウル~龍仁方面路線

5002A、5002B番 江南駅~エバーランド~明知大学

5700A、5700B番 江辺駅・蚕室駅~エバーランド~明知大学

1113番 江辺駅~京畿広州~エバーランド

1500-2番 舎堂駅~板橋駅~エバーランド

 

・ソウル~利川方面路線

3401 江南駅~利川ターミナル(利川駅経由)

G2100 蚕室広域乗換センター~利川駅

 

・ソウル~楊平方面路線

G9311 蚕室広域乗換センター~楊平市外バスターミナル入口~龍門バスターミナル

 

・ソウル~加平方面路線

7000番 蚕室駅~加平ターミナル

 

・ソウル~坡州方面路線

7300番 弘大入口駅~臨津閣(土休日のみ運行)

 

・ソウル~抱川方面路線

1386番 道峰山駅広域乗換センター~山井湖

3006番 蚕室広域乗換センター~抱川

 

・ソウル~漣川郡方面路線

G2001番 道峰山広域乗換センター~東豆川駅~新炭里駅

 

皆様もソウルから京畿道公共バスに乗って、京畿道へ小旅行へ出かけてみませんか?

 

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