■がん 血液検査でリンパ球が調べられていないという意味とは? #がん#免疫力 | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

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小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

 

↑眼窩 鼻腔内リンパ腫が3年以上寛解しているいちごちゃん

 

 

私たちの動物病院は、その子が持っている免疫力でがんを治そうと考えています。

 

免疫力が正しく働いていると、がん細胞があっても貪食してくるからです。それをしてくれるのが、白血球の中にあるリンパ球です。

 

リンパ球がどれぐらい働いてくれるかまでは、検査するのはたいへんなので、とりあえず、正常な数があるかを調べて、がん治療に臨んでいます。

 

いろいろながん治療があるのでしょうが、私たちの動物病院では、寛解した子は、リンパ球の数が正常値あります。

あまり多すぎるとリンパ腫などもありますので、適切な数の子は、寛解が続きます。

 

●血液検査で白血球の数が割合を調べてもらってください。

それで、以下をしましょう。

・好中球/リンパ球 この比が、2から3になればいいです(理想は2前後ですが)。

 

上記のような状態になれば、寛解しやすい状態になります。

 

転院で来られるもふもふちゃんの血液検査でリンパ球の数がわからないことが多いので、この数を気にしていないのは、免疫力で寛解するということを信じていないのだと考えています。

 

私たちの動物病院は、がんは「慢性炎症」なのあで、炎症を押させてリンパ球にがん細胞を貪食してもらうには、どうすればいいのかを考えて治療しています。