【ネコ】慢性腎不全の治療に分子栄養学の治療を #慢性腎不全 | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

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小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

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猫さまと慢性腎不全の治療について

猫さまは慢性腎不全を発症しやすい動物であることが、宮崎先生の研究によって明らかになっています。

一般的な治療は対症療法で、以下の方法が用いられます:

  • 皮下点滴
  • 内服薬
  • 腎臓用の処方食

これらは症状を抑える治療であり、慢性腎不全を完治させるものではありません。

慢性腎不全になると、高タンパク質の食事が制限されるため、低アルブミン血症(ALB)が起こりやすくなります。栄養状態を評価するため、以下の血液検査が重要です:

  • Ht(ヘマトクリット)
  • TP(総蛋白質)
  • ALB(アルブミン)

TPが7g/dL、ALBが3g/dL未満の場合、栄養失調の可能性があります。そのため、以下のような対策を行っています

そのため、以下の点滴をしています。

 

この点滴に成分は以下です。

 

 

【飼い主さんのできること】

・血液検査をする

・アミノ酸のサプリメントの内服

・アミノ酸の静脈点滴

 

これらの対応により、腎臓の機能がより正常に近づくことを目指します。また、分子栄養学の視点から、猫さまの健康状態を総合的に改善する取り組みが重要です。