★ 私のクラシック音楽館 (MCM) ★ 蔵 志津久

クラシック音楽研究者 蔵 志津久によるCD/DVDの名曲・名盤の紹介および最新コンサート情報/新刊書のブログ

●クラシック音楽●新譜CD情報

2024-05-14 09:40:29 | 新譜CD情報



<新譜CD情報>



~ミケランジェリのドビュッシー:映像 第1集・第2集/子供の領分~



ドヴュッシー:映像 第1集 I.水に映る影
       映像 第1集 II.ラモーをたたえて
       映像 第1集 III.動き
       映像 第2集 I.葉ずえを渡る鐘
       映像 第2集 II.荒れた寺にかかる月
       映像 第2集 III.金色の魚

       子供の領分 I.グラドゥス・アド・パルナッスム博士
       子供の領分 II.象のこもり歌
       子供の領分 III.人形へのセレナード
       子供の領分 IV.雪が踊っている
       子供の領分 V.小さい羊飼い
       子供の領分 VI.ゴリウォーグのケークウォーク

ピアノ:アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ

CD:ユニバーサルミュージック UCCS-50359

 このCDは、印象主義的な書法を確立したドビュッシーが更に独創的な境地を拓いた「映像」、そして、愛娘に捧げられた「子供の領分」を収めた、ミケランジェリ最高の名盤と言われる録音。

 ピアノのアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(1920年―1995年)は、イタリア出身。10歳でミラノ音楽院に入学。1938年、18歳で国際イザイ音楽祭に参加。翌1939年「ジュネーヴ国際音楽コンクール」で優勝し、審査員長のアルフレッド・コルトーから”リストの再来”と賞賛された。第二次世界大戦中はファシズムに対するレジスタンス運動で活躍。戦後間もなくして楽壇に復帰。世界中でコンサートを開き、その圧倒的なテクニックと比類のない美しいピアノの音色で瞬く間に名声を確立した。また、「ミケランジェリ国際ピアノマスタークラス」開催し、多くの弟子を育成したことでも知られる。非常に強い完璧主義からコンサートのキャンセルを頻発するいわゆる”キャンセル魔”としても有名になり、次第に年間に演奏会が10回に満たないという例も珍しくなくなっていった。しかし、その貴重な演奏会が逆に評判を呼び、一層ミケランジェリというピアニストを伝説に押し上げて行った。初来日は1965年で、日本の音楽界に衝撃を与える。以降も数度来日している。生涯で最後の演奏会は、1993年5月7日、ハンブルクにおいて行われた。
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●クラシック音楽●コンサート情報

2024-05-13 09:45:33 | コンサート情報



<コンサート情報>



~日本の若きホープ 辻 彩奈&阪田知樹 デュオ・リサイタル~

シマノフスキ:神話 Op.30
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ
ショーソン:詩曲 Op.25
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト長調 Op.78《雨の歌》

ヴァイオリン:辻 彩奈

ピアノ:阪田知樹

会場:トッパンホール

日時:2024年7月19日(金)午後7時

 ヴァイオリンの辻 彩奈は、1997年岐阜県生まれ。3歳よりスズキメソードにてヴァイオリンを始め、10歳時にスズキテンチルドレンに選ばれる。11歳で名古屋フィルハーモニー交響楽団と共演後、多くの国内外のオーケストラと共演。12歳で初リサイタルを行う。2016年「モントリオール国際音楽コンクール」において日本人として初の優勝を飾る。2017年「岐阜県芸術文化奨励」を受賞。2018年第28回「出光音楽賞」受賞。2019年ジョナサン・ノット指揮スイス・ロマンド管弦楽団とジュネーヴおよび日本にてツアーを実施し、その艶やかな音色と表現によって各方面から高い評価を得る。2022年辻 彩奈&阪田知樹デュオ・リサイタルツアーを全国10か所で実施。表情豊かで鮮度の高いデュオを聴かせ、深化著しい二人が触発し合って生み出す音楽は、各方面より称賛を受ける。

 ピアノの阪田知樹(1993年生まれ)は、東京藝術大学2年在学中の19歳で、第14回「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」最年少入賞(4~6位)。2012年より、名だたる世界的ピアニストを輩出し続けるイタリア北部の「コモ湖国際ピアノアカデミー」の最年少生徒として認められる。 2014年には、ハノーファー音楽大学に特別首席入学を果たす。「ピティナ・ピアノコンペティション」特級グランプリおよび聴衆賞等5つの特別賞。「クリーヴランド国際ピアノコンクール」にてモーツァルト演奏における特別賞。「キッシンジャー国際ピアノオリンピック」では日本人初となる第1位及び聴衆賞。2016年「フランツ・リスト国際ピアノコンクール」優勝および6つの特別賞受賞。2017年「横浜文化賞文化・芸術奨励賞」受賞。2021年「エリザベート王妃国際音楽コンクール」第4位入賞。2023年第32回「出光音楽賞」受賞。
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●クラシック音楽●新譜CD情報

2024-05-10 10:01:53 | 新譜CD情報



<新譜CD情報>



~弦楽アンサンブル:石田組 結成10周年記念アルバム 2024・春~ 



<Disc 1>

布袋寅泰:BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY
ディープ・パープル:紫の炎
レッド・ツェッペリン:天国への階段
ピアソラ:リベルタンゴ
ロータ/コッポラ:ゴッドファーザー・メドレー
J.ウィリアムズ:シンドラーのリスト
ラター:弦楽のための組曲 第1楽章:A-Roving/さすらい
             第2楽章:I have a bonnet trimmed with blue
                 /私の青い縁取りのボンネット
             第3楽章:O waly waly/おお、ウェイリー、ウェイリー
             第4楽章:Dashing away/アイロンをかけまくる
グリーグ:二つの悲しき旋律 第1曲:傷ついた心
              第2曲:過ぎし春
三木たかし:津軽海峡・冬景色

<Disc 2>〈DVD〉

布袋寅泰:BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY
ピアソラ:リベルタンゴ過ぎし春
三木たかし:津軽海峡・冬景色
Behind the Scene

弦楽アンサンブル:石田組

           石田泰尚(vn)
           三上亮(vn)
           塩田脩(vn)
           ビルマン聡平(vn)
           丹羽洋輔(vn)
           山岸努(vn)
           須田祥子(va)

CD:ユニバーサルミュージック UPCH-20670

 カリスマ・ヴァイオリニスト石田泰尚率いる弦楽アンサンブル:石田組が、ジャンルを超えて縦横無尽に弾きまくるCD(DVD)。各地で人気沸騰中のツアーにおいて、特に人気の高い楽曲を多数収録。石田組結成10周年記念アルバム。

 ヴァイオリンの石田泰尚(1973年生まれ)は、神奈川県川崎市出身。1995年国立音楽大学を首席で卒業、同時に矢田部賞を受賞。1994年~2001年新星日本交響楽団コンサートマスター。2001年から神奈川フィルハーモニー管弦楽団ソロ・コンサートマスターを務め、現在、同管弦楽団首席ソロ・コンサートマスター。2020年から京都市交響楽団特別客演コンサートマスター。このほか、1994年に結成された弦楽四重奏団「YAMATO String Quartet」、ピアソラを追及した「トリオ・リベルタ」、ピアニスト及川浩治の呼びかけで結成されたピアノトリオ「Bee」等、様々なユニットで活躍する。2014年弦楽アンサンブル「石田組」結成。

 弦楽アンサンブル「石田組」は、神奈川フィルハーモニー管弦楽団の首席ソロ・コンサートマスターを務める石田泰尚が、2014年に企画・結成した弦楽アンサンブル。石田が集めたメンバーは、“石田組長”が信頼を置く第一線で活躍するオーケストラメンバーを中心に“組員”が構成されている。月刊「音楽の友」(2021年4月号)のアンケート調査「あなたが好きな室内楽グループは?」(弦楽四重奏団を除く、九重奏団まで)において、堂々4位にランクインし(ちなみに3位はベルリン・フィル八重奏曲、5位はカザルス・トリオ)、その人気のほどが窺える。
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●クラシック音楽●コンサート情報

2024-05-09 10:17:28 | コンサート情報



<コンサート情報>



~亀井聖矢と小林研一郎指揮ハンガリー・ブダペスト交響楽団来日公演~

リスト:ピアノ協奏曲 第1番 変ホ長調
チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 Op.64 ほか

ピアノ:亀井聖矢

指揮:小林研一郎(ハンガリー・ブダペスト交響楽団名誉指揮者)

管弦楽:ハンガリー・ブダペスト交響楽団

会場:所沢市民文化センターミューズ アークホール

日時:2024年6月23日(日)午後2時

 ピアノの亀井聖矢(2001年生まれ)は、愛知県一宮市出身。愛知県立明和高校音楽科2年生終了後、桐朋学園大学初となる「飛び入学特待生」として同校に入学。2019年第88回「日本音楽コンクール」で第1位、第43回「ピティナ・ピアノコンペティション」特級グランプリを受賞し、若手音楽家の登竜門とも言われる2つのコンクールで史上初の同時優勝を飾った。2022年スペイン・バルセロナで開催された第67回「マリア・カナルス国際ピアノコンクール」第3位、同年第16回「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」でセミファイナリスト。同年「ロン=ティボー国際コンクール」でサン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番を弾き優勝、および評論家賞、聴衆賞も同時受賞。2023年第32回「出光音楽賞」受賞。2023年度第50回「日本ショパン協会賞」受賞。

 指揮の小林研一郎(1940年生まれ )は、東京藝術大学指揮科を卒業。1974年第1回「ブダペスト国際指揮者コンクール」第1位、特別賞を受賞。1987年から1997年までハンガリー国立交響楽団(現ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団)の常任指揮者、音楽総監督(GMD)を務め、現在は桂冠指揮者。ハンガリー・ブダペスト交響楽団名誉指揮者。日本では、東京交響楽団首席客演指揮者、東京都交響楽団正指揮者、京都市交響楽団常任指揮者、日本フィルハーモニー交響楽団音楽監督・桂冠指揮者、名古屋フィルハーモニー交響楽団音楽総監督・音楽監督などを歴任。1986年ハンガリー政府より「リスト記念勲章」、1990年「ハンガリー文化勲章」、1994年ハンガリー星付中十字勲章(民間人として最高位)、2020年「ハンガリー大十字功労勲章」、2011年「文化庁長官表彰」、2013年「旭日中綬章」、2021年「日本芸術院賞・恩賜賞」を授与される。

 ハンガリー・ブタペスト交響楽団(MAV Budapest Symphony Orchestra)は、1945年、音楽好きだったハンガリー国営鉄道の総裁が、第二次世界大戦終戦時に、「人々の心に必要なのは文化=音楽だ」と唱え、楽団員を招集し、各地で生演奏を届けたのがなりたち。ハンガリーならびにヨーロッパ各地で公演を行い、これまでにハンス・スワロフスキー、フランコ・フェラーラ、クルト・マズア、ヘルベルト・ブロムシュテット、ジェイムズ・レヴァイン等巨匠が定期的に指揮をしてきた。日本からは小林研一郎が定期的に客演し、現在では名誉指揮者を務めている。この他、パヴァロッティ、キリ・テ・カナワ、ペレーニ、ゲリンガス、メニューイン等世界的な演奏家が客演。東京ドームで行われた三大テノール(プラシド・ドミンゴ、ルチアーノ・パバロッティ、ホセ・カレーラス)と共演したことでも日本の音楽ファンに広く知られる。


【ハンガリー・ブダペスト交響楽団 2024年来日公演】

福島公演:2024年6月22日(土) いわきアリオス・アルパイン大ホール
埼玉公演:2024年6月23日(日) 所沢市民文化センターミューズ・アークホール
東京公演:2024年6月24日(月) 武蔵野市民文化会館 大ホール
山形公演:2024年6月26日(火) 山形テルサ
埼玉公演:2024年6月27日(木) RaiBoC Hall(市民会館おおみや) 大ホール
愛媛公演:2024年6月28日(金) 愛媛県県民文化会館
香川公演:2024年6月29日(土) レクザムホール(香川県県民ホール)
金沢公演:2024年6月30日(日) 石川県立音楽堂コンサートホール
東京公演:2024年7月2日(火) サントリーホール
岩手公演:2024年7月3日(水) 盛岡市民文化ホール
名古屋公演:2024年7月5日(金) 愛知県芸術劇場・コンサートホール
大阪公演:2024年7月6日(土) フェニーチェ堺


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●クラシック音楽●コンサート情報

2024-05-08 09:39:24 | コンサート情報



<コンサート情報>



~小菅 優プロデュース「月に憑かれたピエロ」~

ストラヴィンスキー:クラリネット独奏のための3つの小品 より 第1番
          「シェイクスピアの3つの歌」
ラヴェル:「マダガスカル島民の歌」
ベルク:室内協奏曲 より 第2楽章「アダージョ」(ヴァイオリン、クラリネット、ピアノ用編曲)
シェーンベルク:「月に憑かれたピエロ」作品21

ピアノ:小菅 優

ヴァイオリン&ヴィオラ:金川真弓
チェロ:クラウディオ・ボルケス
フルート&ピッコロ:ジョスラン・オブラン
クラリネット&バス・クラリネット:吉田誠
メゾ・ソプラノ:ミヒャエラ・ゼリンガー

会場:サントリーホール ブルーローズ(小ホール)

日時:2024年6月5日(水) 午後7時

 2024年は、シェーンベルク生誕150年に当たるが、この演奏会は、毎年恒例の室内楽の音楽祭”サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン”の一環として行われる、小菅 優プロデュースのシェーンベルク:「月に憑かれたピエロ」を中心とした室内楽コンサート。

 ピアノの小菅 優(1983年生れ)は、東京都出身。1993年よりヨーロッパに在住。現在はヨーロッパを中心に世界各地で活動している。小菅の場合コンクール歴はなく、演奏活動のみで国際的な舞台まで登りつめた、めずらしいタイプのピアニスト。2002年第13回「新日鉄音楽賞」、2004年「ワシントン賞」、2006年第8回「ホテルオークラ賞」、2006年第17回「出光音楽賞」を受賞。2014年「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ全曲演奏会シリーズ」により「芸術選奨音楽部門文部科学大臣新人賞」受賞。
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