「戦争と平和」の世界史❻ 茂木誠著 2022年発行 | ウインのワクワク「LIFE」

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気にかかった文章】

第9章 明治日本の戦争 

大韓帝国からロシア軍を排除した日本は、親日派政権を樹立して保護条約を結び、保護国としました(1905年)。韓国政府の合意のもとで日本軍が駐留し、外交も日本が主導します。

 

名目的には独立国でも、外国に軍事・外交を握られた国を「保護国」と呼びます。アメリカはキューバを、フランスはベトナムを保護国に̪していました。

 

彼(安重根)が書いた獄中記には「日本が日露戦争を戦ったことは快挙である。史上はじめてアジア人が白人国家に立ち向かって大勝利を収めた。韓国人も清国人も、みな日本を応援していた。まさにアジアは団結してロシアに勝利したのである」とあります。

 

アジアが連帯して白人に対抗する思想を「大アジア主義」~。

 

日本がやったことは~実質的に支配することでした。安重根は「兄弟だと思っていたのに、なぜ支配しようとするのか。裏切られた」~その黒幕が伊藤博文と思いこんだのです。

 

保護条約は韓国政府が合意したものですから国際法上、合法であるとされたのです。~日本はその過酷な生存競争に勝利し、支配する側に立ったのです。韓国にはその力がなく、ロシアか日本、いずれかの支配下に入るしかなかった。これが日露戦争の意味でした。

 

 

第10章 第一次世界大戦と国際連盟体制

日露戦争は「日英同盟」vs「露仏同盟」の構図でしたが、イギリスの秘密外交によって英仏協商が結ばれ、世界大戦に拡大することを回避できました。

 

協商の成立によって~日・英・露・仏の協商国がドイツ率いる三国同盟を包囲する体制へと移行したのです。これが、第一次世界大戦の構図です。