”ギルバート・オサリヴァン~アローン・アゲイン” | ウインのワクワク「LIFE」

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このアルバムには「オサリヴァンへの熱いメッセージ」として松本隆、杉真理、来生たかお、湯川れい子の4人が本当に熱い思いを寄せています。来生に至っては、「オサリヴァン失くして、今の僕は存在しなかっただろう」と強い思い入れを語っています。


 独学のピアノを弾きながら、しなやかな歌声で歌うオサリヴァンの楽曲は、どれもこれも名曲です。練り上げられたメロディーに乗せる歌詞は叙情豊かな散文詩です。凝った演出はされておらず、そのこともエバー・グリーン化に一役買っていると思います。


 来生が「ポール・マッカートニーやエルトン・ジョンも好きだったけど、オサリヴァンにはかなわない」と言い切る気持ちも分からないではありません。ポールやエルトンの華麗なサウンドに対して、オサリヴァンはただ歌うだけ。そこがオサリヴァンの凄いところです。


 本作品には「アローン・アゲイン」はもちろん、「クレア」やアップテンポの「ゲット・ダウン」、初ヒットの「ナッシング・ライムド」、クリスマスの定番になっている「オサリヴァンと愛のクリスマス」など代表曲が目白押しです。どれもこれも本当に美しい。


 中でもやはり「アローン・アゲイン」です。とんでもなく重い歌詞なのですが、熟成された転がるメロディーに乗せて歌われると、孤独が結晶化されていくようです。永遠に命を失わない大傑作であることは間違いありません。これだけでもオサリヴァンの存在は大きいです。

 

 

Alone Again / Gilbert O'Sullivan (1986 Kitty)

 

 

 

[和訳]Gilbert O'Sullivan - Alone Again (Naturally)